第137話 呪いの指輪

   

 タケルはジョージとカンナの二人を連れてルイスさんの所に行った。私も行きたかったけど店番があるから我慢した。


「無事に借りられるといいけど」


「でもなんで指輪がいるのか聞くの忘れてたね。指輪のおかげで町が助かったとか、とっても気になるよ」


 クリリの言う通りだった。後でタケルに真相を聞かないと。タケルって色々経験してるわりに話してくれないのよね。

 魔王退治の時の話とか聞きたいけど、壁があるというかなんか聞きにくい雰囲気がある。いつか話してくれるといいなあ。


「このボトルキャップストローって売れそう。どうして今まで売らなかったの?」


「忘れてたのよ。あの人たちがストローをペットボトルに取り付けようとしてるから思い出したの」


「ナナミさんの故郷って本当に変わったものが多いね。いつか行ってみたいな」


 行けるものなら私が行きたいよとは言えず、笑うことしかできなかった。


「きっとクリリは腰を抜かすと思うよ。空につくんじゃないかと思うくらい高い建物がいっぱいあるんだよ。それに空を飛ぶ乗りものもあるし、これには300人くらい人が乗れるから旅行に便利なんだよね」


「え? 空に着くくらい高い建物って.....」


 クリリが目を回してる。さすがに大げさだったかもしれない。スマホがあったら見せたいけど残念ながら持ってないし、まだ異世界人であることは内緒だ。クリリは賢いから気づいてるみたいだけど、私から言ってくれるのを待ってくれてる。

 なんで言えないのか。異質な目で見られたくないから。クリリはそんなことしないと思うけど、1人に言ったらドンドン広がっていくって昔から言うから私の決心がつくまでは内緒だ。


「帰ったぞ」


 タケルが突然現れた。なんか現れる前にチャイムとか欲しいね。心臓に悪いよ。


「おかえり。早かったね」


「ああ、ルイスさんに押し付けて帰ってきた。買うほどのお金は持ってないようだから安く貸してあげるように言っておいたから大丈夫だろう」


 タケルの言葉に安心した。とても大金持ってるようには見えなかったもんね。街のためだって言ってたし借りれることになって良かったよ。


「でもあの人たち大丈夫なの? 疑いたくないけど高く売れるものなんでしょう。前みたいの騙されてるってことはないよね」



 クリリの言うことも尤もだ。タケルはまんまと騙し取られた過去があるんだった。


「確かに前の時は騙されたが、あの指輪には呪いをかけてたから売ることはできなかったはずだ。まあ売らないで使う分には問題ないが....」


 呪いって.....今度のもきっと呪いをかけてるよね。タケルが保証人になったみたいだから、前より念入りかも。ジョージとカンナは裏切らないだろうけど保険は必要だよね。


「ナナミ、サイラス様から結婚式の招待状を預かってきた。俺はカホ様の後見人になる事が決まったから一緒に招待されているお前の席も前の方になると思う。ドレスとか必要になると思うから王都に買いに行かないとな」


「え? 遠くで見るんじゃないの? ドレスとか無理だよ~!」

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