第118話 2回目のランチミーティング
第2回ランチミーティングのお題は『ウイングドキャットの名前を考えよう』に決まった。
お昼ご飯は100円コンビニの500円の弁当を注文した。
不思議なことに注文すると『あたためますか?』という文字が出て『はい』と『いいえ』が選べるようになっていた。その文字を見たときは思わず
「おおー!」
と声をあげてタケルに変な顔をされた。仕方ないので説明するとタケルも
「おおー! 」
と言って喜んでくれた。もちろん『はい』を選んだ。
弁当はチキン南蛮弁当に玉子焼きが入った美味しそうな弁当だった。温かいので匂いが食欲を増進させてくれる。クリリとタケルには2つ用意している。
匂いにつられてかウイングドキャットも起き上がったので餌箱にキャットフードを入れるとガツガツと食べ始めた。どうやらキャットフード気に入ってくれたようだ。
「名前いいのありますか?」
「ロコはどうですか?」
コレットさんがペットによく使われる名前だと言って進めてくれた。ウイングドキャットの方を見ると知らん顔で食べている。ダメなのね。
「フンダートはどうだ? 100の意味のある言葉だ」
「フンダート? 」
略したらフンになるのかぁ。どうかな? チラッとウイングドキャットの反応を見るけど耳がピクピクしてるだけ。ダメかぁ。
「縞模様だからタビーは?」
タビーは呼びやすくていいよね。ウイングドキャットは食べ終わったのか顔を洗ってる。うーかわいい。でも反応はないからダメなのか。
それを見てタケルはいつの間にか2つ目の弁当も食べ終えていたらしくウイングドキャットの方へ歩いて行った。耳元で何か囁いている。このウイングドキャット、なぜか私たちの言葉を理解している。タケルもそれに気づいて交渉してるのだろうか?
「にゃ?」
まるで『本当か?』と言ってるかのようだ。
「本当だ!」
タケルが断言してる。
「ティーグルで決まったぞ」
ティーグルってフランス語で虎だったよね。猫なのに虎でいいの?
「強い猫って意味だって言ったら納得してくれたよ」
まあ虎だから強いよね。それに虎ってネコ科だからいいか。考えるのが面倒になってきたのでこだわらないことにしよう。
契約の仕方がわからないのでタケルに任せた。白い紙にサラサラと文字を書いていく。なぜか私たちが日本語で文字を書くとこちらの文字に変換される。その時注意する事は何も考えていないときは、今いる場所の言語に変換されるということだ。これはタケルに聞いたことで、聞かなかったら気づかなかっただろう。だって私には全て日本語に見えるのだから。
「よし、これでいいだろう。あとは血判だ」
「えっ?」
なんか不吉なこと言われたような....。
「ナナミ手を出せ」
やっぱりけっぱんって血判のことなんだ。
「何か他の方法は......」
「ない」
問答無用とばかりに私の手を取ると針を刺してきた。プツっと血が出てきたけど思ったより痛くなかった。契約書に血判を押すと私をウイングドキャットの側に並べて呪文みたいなのを唱えてる。こういうの何処で習ったんだろう。タケルって不思議がいっぱいだよ。
タケルが呪文唱え終えると白い光が私とウイングドキャットの周りを包み込んだ。どうやらこれで契約ができたみたい。
「今日からティーグルだよ。よろしくね」
私はティーグルの頭を撫でながら挨拶をした。
「にゃーん」
まるで『こちらこそ』と言ってるような返事を返してくれた。
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