第51話ゴミは世界を救う?



寒さが本格的になってきました。あまり外に出ることのない私ですがそのくらいの事は分かりますお客さん達が寒い寒いと言ってますからね。

そのせいかスープ類がよく売れるようになってきました。一番の人気はコーンポタージュです。カップ麺も相変わらず売れてますよ。


「百均ってあれないのか?」


タケルが聞いてきます。


「あれじゃ分かりません」


「カイロだよ。ホ○カイロとかいうの」


ああ。ホ○カイロですか。寒い時使ってました。安いし、使い捨てだから便利ですよね。


「ホ○カイロあるけど売れますか? この世界には魔法があるから売れないんじゃないですか? 魔石とかでカイロないんですか?」


「魔石で似たようなのあるけど、貴族様位しか使ってないよ。高価だから日常的には使えないな」


「そっか。でもホ○カイロって不燃ゴミになるんですよね。捨てる時って全部一緒でいいんですか?この世界って、ゴミの分別ってするんですか? 」


前から気になってた事を聞いてみます。

タケルと出会ったおかげで、ゴミはいつもタケルが魔法で処分してくれてます。それまでは袋に燃やせるゴミと燃やせないゴミに分けて一階の隅の方に溜めてたんです。それを見て一気にタケルが魔法で処分してくれたんです。

え?ゴミ屋敷になるところだった? さすがにそんなことになる前になんとかしてましたよ。ちょっと忙しかったから、隅っこに溜めてただけですよ。本当ですよ。

それからはずっとタケルが処分してたからゴミがどこに行くのか知らないんです。魔法でごみ捨て場に移動してるんだと思ってるんですけどね。


「今頃聞くのか? この辺のゴミ捨て場は少し離れてるけど商業ギルドの裏にあるよ。そこに1と5のつく日に置いとくんだ。でもそこで処分されるわけじゃない。そこからゴミ処理場に魔法陣を使って移動させるんだよ」


「ゴミ処理場ってことはやっぱり燃やすの?」


「雑食のピンクスライムを改良して作ったイートスライムがが食べるんだ。ゴミを食べて肥料ができるんだよ」


「なんだか日本の生ゴミ処理機みたいですね」


「このゴミ処理場を作ったのは二代目の勇者さまだから元になったのはその生ゴミ処理機だと思うよ」


うーん。でも日本のより優秀だよ。生ゴミ以外のものも分解するんだから、すごいよ。日本に欲しいよイートスライム。


「それまでは肥料ってなかったから、作物も育ちが悪かったらしい。ゴミ処理場のおかげでナナミの好きなポテポテもいっぱい食べられるようになったのさ」


そうだったのか。ゴミ処理場がなかったらこの世界の食生活はもっと悲惨だったんだね。

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