第30話 レベルがあがった



忘れた頃にやってくる。それは本当に唐突だった。

孤児院から帰った私は、明日の準備のために店で商品を並べていた。品数はそれほどないけど、カップ麺の種類を増やしたり、カレーも明日から売るつもりで並べていた。カレー売るならごはんも一緒に並べないとね~と百均で注文した瞬間、


『ピロリーン』


聞いたことのない音が頭の中にこだました。


「これって、もしかしたらアレかなぁ」


すっかり忘れてたけどレベル上がるって言ってたような気がする。レベルの数字出てないから忘れてたよ。きっとレベルが上がった音だ。


百均の画面を閉じてステータスを見る。



名前:倉田ナナミ/クラタナナミ

年齢:18歳

職業:学生・マジックショップナナミのオーナー

固有能力:生活魔法2・治癒魔法2・防御魔法2・ユーリアナ女神様の加護

ギフト:百均

鞄:財布1

財布:10,456,200円


“レベルが上がりました”


【百均の商品をたくさん買ったのでレベルが上がりました。】

1、魔法のレベルが上がりました。

2、百均で売ってる150円の商品が150円で買えるようになりました。



ん?まだ学生は消えてないんだ。オーナーってなんか恥ずかしいな。あれ? 魔法あんまり使ってないのにレベル上がってる。百均の商品買うだけで魔法のレベルまで上がるの? わー。財布の中身もすごいことなってる。これってほとんどオールド眼鏡のおかげだよね。オールド眼鏡は高いから、他の商品は売れても、そんなに金額上がらないもんね。


ん?ん? 何よこれ....。


「しょぼい」


思わず呟いた。


百均で売ってる150円の商品が買えるようになりましたって......レベル上がってもやっぱり.....百均の商品だけなのね~。Amazo○とかにはならないのか...残念。


「うーん。150円の商品って何があるのかなぁ。あっタオルの生地が厚いのがある。.....傘も買えるのか。この世界で傘って売れるかな?雨降った時どうなのか見てからだね。売れそうだったら買うことにしよう」


しょぼいとかいって悪かったかも。丁度タオル売れてる時だからこの商品も売ってみよう。同じ値段だと前のが売れなくなるから、5銅貨にした。


もっともっと買って、レベルが上がればいずれAmazo○になるのか....それとも百均の高い商品で終わるのか?......後者なんだろうなぁ.....うーん。頑張って売ろう。魔法もレベル上がったんだし、いっぱい百均の商品買ってレベル上げていこう。


「よし、明日から頑張って売るぞ~」







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る