第29話 ポテポテサラダを食べよう
「わー。やっぱり、これじゃがいもに似てる」
私はこの間見た野菜を手にとって匂いも嗅いでみる。やっぱりじゃがいもだね。
「それはポテポテっていう野菜だよ。何に使うの?」
クリリが教えてくれる。
ポテポテって名前まで似てる。絶対じゃがいもだね。
「カレーだけじゃ寂しいからポテトサラダ作ろうと思ってるの。後玉ねぎ欲しいな」
「タマネギ? タマネギならあるよ。ほらこれのことでしょう?」
「空色? 色が微妙だけど確かに玉ねぎだね」
「昔は違う名前だったけど、何代目かの勇者様がこれはタマネギだって言って、それからタマネギになったんだって」
勇者様すごい。野菜の名前まで変えちゃうんだ。
玉ねぎとじゃがいもと卵は今日使う以外にも役に立ちそうなので、たくさん買った。
孤児院は街から少し離れたところにあった。隣が教会です。院長先生はとても優しそうな方でした。
「今日はカレーを作ってくれるとかで、ありがとうございます」
「いえ、たいしたものではありませんが。喜んでくれたら嬉しいです」
台所に来た私は、早速じゃがいもの皮むきから始めます。百均で買ったピーラーで簡単に剥き剥き。人数が多いからたくさん剥かないといけませんね。
「何してるの?」
クリリが聞いてきます。クリリの周りにいる女の人も不思議そうな顔をしてますね。
「ポテポテの皮を剥いてるんですよ」
「そんなの見てたらわかるよ。それなんなの?」
「ふふふーん。ピーラーと言って野菜の皮が早く剥けるんだよ。やってみる?」
「「「やりたいです」」」
ありゃ、クリリ以外にもやりたいひとが居るんですね。どうやら職員の人だったみたいです。
「これすごーく早く剥けて楽しい」
「本当。便利ね~。欲しいわ」
とても好評です。たくさんあるポテポテもすぐ剥けそうです。その間にタマネギをスライスして、ソーセージも切っておきます。
茹であがったポテポテをボールに入れてタマネギソーセージとゆで卵も入れます。塩コショウをパラパラっと振ってマヨネーズを大量入れます。あとは混ぜるだけ。
「クリリ味見して」
スプーンでひと匙すくって、クリリに食べてもらいます。
「美味しい。こんなサラダ食べたことないよ」
じーっと見ている職員の人にも味見してもらいました。いつもは彼女たちが、食事を作っているそうです。
「美味しいわ。これなら簡単に作れるし子供達も喜んで食べてくれるわ」
「でも予算が足りないです。マヨネーズが高そうですよ」
うーん。孤児院って寄付受け付けてるよね。っていうかきっと寄付で成り立ってる気がする。国とか領主様から予算が出てるんですよね。だったらマヨネーズくらいなら私でも出せるよ。
「今日はお近づきのしるしにいっぱいお土産持ってきたんですよ。その中にマヨネーズも入ってるので、是非またポテポテサラダ作ってください。マヨネーズは生野菜のさらだにかけても美味しいですよ。あ、このピーラーも置いていくので使ってくださいね。」
職員の人はマヨネーズにも喜んでくれたが、ピーラーが一番嬉しかったみたいです。跳んで喜んでくれました。
カレーライスはお湯に入れるだけでできたので、少し早いけどお昼ご飯にすることにしました。
下は3歳から23人の子供達が大きなテーブルにつきます。配膳は皆さんにお任せしました。私のもあったので一緒に食べます。
飲み水は大量に用意してもらいました。
「辛い。でも美味い」
「これポテポテなの?すごく美味しい」
「もぐもぐ」
皆さんの反応が嬉しいです。どうやら好評だったので安心しました。さすがに小さな子供達にはハヤシライスに変更したんですよ。クリリはそっちも食べたそうに見ていました。
帰る前にお土産を院長先生に渡しました。作り方はずっと見ていた職員の人がわかるだろうから、カレーとごはんも追加しときました。
《お土産》
カレー 90個
ごはん 90個
ハヤシライス90個
ジュース 90本
飴 30袋
マヨネーズ 40本
塩コショウ 10本
ソーセージ 30本
カレーのルウも売ってるみたいだから、次はカレー作ってもいいな。やっぱり、インスタントだと具が少ないから味気無いよね。次あるよね。誘われるよね。
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