第1話 ステータスをみよう



目が覚めたが、何も変わってなかった。

やっぱりと思う。これはどうしてもこの異世界で生活していかないといけないみたいだ。起きあがるととりあえず部屋の様子を確かめた。窓から太陽の光が入ってくるせいか、昨日よりはよく見える。8畳くらいはありそうな部屋の真ん中にシングルベットが一つ。端の方にタンスが一つ。その上に置かれている鍵がこの部屋の鍵になるのだろう。思ったよりはまともな部屋にホッとした。タンスの隣にドアが見えた。入り口とは違うようだ。

風呂だといいけどと思いながら開けるとトイレらしきものがあった。座れるようになっていて穴が空いてる。穴の中を覗いたけど異空間のようにくらいやみがあるだけで、どうなっているのかわからない。臭いもないからこれは魔法みたいなものなのかな。どうやら風呂はないみたいだ。風呂がないのは困るな。あとで風呂屋があるのか聞いてみよう。

そうだステータスを見てみよう。


「ステータス」


ベッドに腰掛けて唱えるとステータス画面らしきものが見えた。ゲームとは違って能力が全て数字化してるわけではないようだ。



名前:倉田ナナミ/クラタナナミ

年齢:18歳

職業:学生

固有能力:生活魔法・治癒魔法・防御魔法・ユーリアナ女神様の加護

ギフト:百均

鞄:財布

財布:300,000(金貨30枚)


魔法があるのね。なんか後付けぽかったけどこれどこまで使えるんだろう。あんまり期待するのはやめておこう。

百均って百均よね。なんで百均なのかわからないけどこれ押したら使えるのかな。百均の文字を押したら商品の画像が現れた。食品・文具・雑貨とか色々選べるようになってる。とりあえず食品を選ぶと画像が変わった。一つ買ってみることにした。菓子パンを一個選んでカートに入れた。数は一個。支払い画面で払うと残金299,900円になった。

「ん。パンはどこにあるの?」


探しているとパンはカバンの中に入っていた。このカバンも普通とは違うようだ。開けてみると中が見えない。ゲームで言う所のアイテムカバンだ。ステータスが変わっている。パンを買ったからだろう。


銀貨9枚銅貨9枚)


どうやら百均で買うと財布の中から支払われるらしい。ただではないようだ。金貨1枚が1万。銀貨1枚が千円。銅貨1枚が100円てとこか。どうやら消費税はとられないみたいだ。女神様は多少といったが30万円もくれるとは。確かに優しい女神様みたいだ。普通の転移ものだったら、無一文で魔物のいる森とかに放り出されてる。死にそうな所で助けが入るのが約束だが、現実はそうはいかない。優しい女神様で良かった。


「女神様ありがとう」


とりあえず手を合わせて祈っておいた。









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