第12話 猫娘さん

 Fさんの知り合いに「猫娘さん」と呼ばれる人がいる。


 Fさんが猫娘さんと会ったのはとあるオカルトの集まりであった。周りが彼女のことを猫娘と呼ぶので理由を聞くと彼女は答えた。


「私、霊の姿が猫の姿で視えるんです」


 彼女は『視える人』の中でも珍しいタイプで霊の姿が全て猫に視えるのだと言う。これは猫娘さん家の遺伝のようなもので彼女の一族の女性全てがこういう体質なのだとか。


「それだから、死んだら猫になるんだと思ってたんです」


 そう言って朗らかに笑う彼女を見て視える体質のせいで苦労しているFさんは霊が猫の姿で視えるのならきっと怖くないんだろうと思った。

 その出会いから数日後にFさんは猫娘さんともう一人のオカルトメンバーで騙されて心霊スポットに行かされて酷い目にあった。

 元凶たる悪霊をもう一人のオカルトメンバーこと物理さん、除霊(物理)が出来るため物理さんと呼ばれる女性がフルボッコにしている時、猫娘さんは目を反らしていたので理由を聞くと。


「確かに悪い存在かもしれないけど、猫の姿だから・・・・・・」


 それでFさんは解った。

 彼女には今、フルボッコにされている猫に視えてるのだと。

 猫の姿で視えても苦労があるのだとFさんはそう思ったそうだ。

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