第9話 猫の影
Aさんが母から聞いた話だ。
Aさんは小学校に上がる前まで社宅に住んでいて、その時の話だそうだ。
Aさんはよく何もない空間に向かって「ねこちゃん」と指差して笑うと猫の鳴き声が聞こえたという。
Aさんの母は気味悪がってAさんが指した方向を見る勇気がなかったが、ある日、Aさんが母の方へ指差して「ねこちゃん」と言うと背後から声が聞こえたので恐る恐る見ると猫の形をした影があった。
ハッキリと猫だと解る影だったそうだ。
猫の影はAさんの母に向かって鳴くと姿を消した。それ以来、姿を見ていないという。
「でも、あの社宅はペット禁止なのよね。どうして、猫のお化けみたいなのが出たのか不思議なの」
最後にそう言ってAさんの母はその話を終えた。
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