第2話 はじまりこと物語のタネ

 これは晒しスレにも書いたのですが、そもそもの執筆動機は、


「マンガや映像ではスピード感あふれる作品が多い。映像は“そのもの”だから当然だし、マンガも流線や集中線、効果音の書き文字の書き方、マシンの震動描写、その他迫真のカメラワークや演出で読者を取り込んでいく。

 同じことが文章の力でできないか? 自分の筆力でできるかできないか、やってみよう!」


というものでした。

 その結果、まず完成したのが、時速200マイル(320キロ)の世界を描いた『闇を駆ける』という短編でした。


 自分ではなかなかうまく書けたと思って(この作品もやっぱり☆つかなかったですけど)気をよくした私は、次はもっと高速の世界を書いてみたいと思いました。


「自分の筆力の限界に、もう一度挑戦するのだ」


てな感じです。


「でも、さらに高速っていってもなあ。具体的に何をどう書けばいいものか……」


と悩むのは、どんな書き手も同じかと思います。私も考えあぐねていました。




 そんな折り、私は偶然あるコラムを目にしました。

 そこには、ある劇団のお芝居のことがちょっぴり紹介されていたのです。


『千年後の未来。人類が音速で走れるようになった時代のトップアスリートたちの物語』


 そこには、そう書かれていました(いろいろ検索してみたら、惑星ピスタチオという劇団の『破壊ランナー』という演劇らしいです)。


、だって? すごいこと考えやがる! 俺もこんな話書きたい!」

「この芝居がマッハ1の世界なら、俺はマッハ数十の世界を書いてみよう!」

「……でも、マッハ数十までくると、さすがに生身はねーわ。小説でもねーわ……」

「車……は書いたばかりだし、戦闘機……はマッハ3程度が限界、おまけに戦闘機が出るとなると整備描写必須だろうけど、そんなの絶対無理。ロケット……は宇宙空間だろ? 速度を実感できる比較対象物が無さすぎ。しかもみんなプロの先例いくらでもあるじゃん。アマチュアの俺が今さら書く理由ないよなあ……」


 また頭をひねる日々が続きました。

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