焦燥駅
振り返る懐かしい記憶
子どもの頃に駆けたあのグラウンド
土埃被って帰って
母に叱られたあの日
でも今じゃそれは遠く
何かに呆れるように毎日生きてる
隣町に連れて行かれる
それだけで心躍った
それがいつしか
仕事で憂鬱な駅に変わって
友達に会いたい
月曜日が楽しみだった頃
でも今じゃそれは陰鬱で
いつの間に変わってしまったのだろう
どの瞬間に大人になってしまったのだろう
大人はそれを誇らしく思うけど
時々子どもを羨ましがる
焦燥の中で生きてきて
そうして時々気付くんだ
余裕があるのはどっちなんだろう
仕事が早く終わって
日の沈む前の隣町
駅のホームに降り立って
もう一度子どもになってみた
でもそれは
着信音に掻き消された
詩集 うそつきの晩酌 加部宮 情也 @taimai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩集 うそつきの晩酌の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます