第17話

「生はどう?」

「凄くいいです」

「動かないの?」

そう言いながら真理さんが腰を揺すった。


「あーお願いです・・・もう少しだけこのまま」

「えぇ、よーく味わって」

じっとしていても真理さんの内側が蠢いて、俺のに纏わり付き出そうになってしまう。


「動かなくても出てしまう」

「いいのよ、我慢しなくて」

「また、何回しても良いんだから」

「はい、有り難う・・・あーいー」


俺は一度の出し入れをすること無く迸らせてしまった。

「うわー、先が膨らんで凄い」

「あーご免なさい、いー」



俺が抜こうとすると真理さんが体を起こす。

「ティッシュを当てるまでちょっと待って」

ピンク色した真理さんのから、俺の真っ白な液がトロトロと滴った。

俺が出したんだ

「生まれて初めてです」

「ご感想は?」

「・・・・・」

「どうしたのよ」

「良かった・・・・・ゴムの時と全然違った」

「この方がいい?」


俺は真理さんの目を見詰めると頷いた。

「それなら、これから私にはずっとこうすればいい」

「えっ、いいんですか?」

「こっちの方が良かったのでしょう?」

「・・・有り難う」



また熱いものが込み上げて来て、俺は下を向いた。

一回の時間が少しずつ長くなっていたのに気付いていなかった。

真理さんとこうして会っている内に、俺は自信が付いて来ているのをその時には気付かないでいた。

しかし、立ち止まる人が増え、話もしてくれる人が目立って来た。

そうなると苦痛でしか無かった声賭けが楽しくなる。


俺の先生、俺の女神、そして俺の天使


もう何日続けていたのだろう?



真理は頭から足に、得体の知れないものが走り抜けるのを感じた

そして、出た言葉は普段の声では無く、ずっと低かった


「京介、あの黄色の子!!」・・・・・



                         ・・・・・「出逢い」  完

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