実験・意味不明追求

おれは意味のある思考をする能力を失った。お、一文完成。パチパチパチ。

論文はもちろん、詩も小説も書けないし、川柳も浮かばないのだ。もう、こうなったら糞焼きだ。逆に意味不明を追求しようという、そう、サーキットを逆走しようという暴挙を思いついたのだ。

瞑想の中で、楽しいことや、面白いことが失われたことに気がついた。それはそうだろう、この半年、ほぼ何もしていないのだから。ふむ。ここまでは意味が通じる、遺憾の極みだ。

だから、身体、だから。雨靴をはいた犬のような歩き方をする老人の姿が浮かぶ。もちろん、老人は走りながら歌を歌う。オーソレミヨ。ミヨちゃん愛しているよちう意味だ。雨靴と長靴はどう違うのかね。そうだね、金はあればあるほど良いね。

これを小説にしよう。なぜ。なんのために。金にもならないのに。ネガティブだな。

雨靴をはいて四足歩行する老人が増えている。報道は規制されている。なぜだろう。施設の実態など虚飾でしかないのだ。みんな「ワン」と鳴く。そうしないと、食事がもらえない。そんな遊びは日常茶番劇だ。

ダメだ、ダメだ。意味不明のレベルが低い。もっと高次の量子のレベルで書かないといけない。俺は私ではない。これを書いているのは私ではない。お、本格的だぜ。

テーマは何だ。介護だ。介護の現場だ。認知症だ。発達障害だ。いじめと喧嘩だ。ふん、テーマなんてないよ。意味不明を追求したいんだ。

だから面白いことを探さないといけないんだ。それには出会いが大切だ。ああ、遺憾だ。意味がある。文章が繋がってしまった。

失敗だ。実験は失敗した。意味不明を追求するのは、至難だと悟った。

修行して出直します。

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