第291話 母方の知合いと種族の新規出会い【おまけ⑫【語り部】】

 ユウキは、どうしてもマリアンローズちゃんと友達でもいいからなりたいと凄く思っている。内心ここで、逃したら次に会う事が確立的に低いと思っている事と話を聞いている限り、家にも遊びにいけそうにない事もあり、それよりもこの成長ポーションじたいが自分で作れない事を考えると最低でも9年~10年は会えないだろうと推測される。


 そう言えば、『理』が凄く気になっていたからそれ系の本でも貸したら少しお話してくれるだろうか? と真剣に悩んでいると後ろから声が聞こえる。


 「ユウキ殿、姫様が「理」の本を読んで見たいと言っているのだが、貸出は、可能か?」


 あれ、この子マリアンローズちゃんに似ているけど髪の色と瞳の色が違うのと何故戦国用語なんだろう?


 「聞いておるのか?」


「はい、聞こえてます!」


 急に、耳元で囁かれるように言われると流石に、マリアンローズちゃんじゃなくてもこれほどの可愛い子に言われたらびっくりもするだろう。


 「えっと、『理』の本ですよね?」


 「そうじゃ、姫様が見てみたいと言っていたので、ユウキ殿に伺い申しておるのじゃが?」


 「本人は、来ないのですか?」


 「主、それは、勝負として受けると言う事か?」


 「えっと、それってどう言う意味ですか?」


 「姫様に直接話しかけると言う事は、流石に出来ないと申しておるのじゃが?」


 「お主が、どうしてもと言うのならば我をまかしたら話しかけるくらいなら時間をやろう」


 「えっと、勝てばマリアンローズちゃんと友達になれるですか?」


 「話す機会を与えるだけで、友達になれる訳なかろうが!」


 「何を争っているの?」


 そこに、マリアがやってくる。本を借りに行ってからかなり時間が過ぎていた為か、声のトーンが聞こえて気になったのかは、不明だが姫様が我の後ろから声をかけて下さる。


 やばい、この二人が揃うとこんなにも華やかになるなんて、真面目に友達になれないかなと心の中で呟くユウキだった。


 そんな事を考えていると?


 「ユウキ君?」と可愛らしい声が耳に届く。


 「リーヴスラシルから話を聞いてると思うけど、本て貸してくれるの?」


 こ、これは、チャンスのはずなのだが、返事しだいでマイナスかプラスのフラグが変わるイベントの様な感じかな? などと思っていると?


「ユウキ君? 聞いてる? 僕の声聞こえているの?」


 疑問ばかり投げかけるが、一向に僕の話を聞いていない様子だった。そんな声を聞いたユウキ君のお姉様が後ろから弟へと話しかける。


 「ユウキ?」


 「何をボートしているの? マリアちゃんが声かけているのに無視してるの?」


 「そ、そんな事絶対にありません! 少し考え事をしていたので、聞き逃してしまっただけです」


 「ユウキ君?」


 どうやら、聞えていないと判断して、耳元近くで話しかけてきた為か、耳元がゾクリとしてくる。 嫌な意味ではなく、緊張と言う意味でのゾクリだった。何と言うか本人無意識なのだろうが、凄くまじかで見ると目の色とかも凄く澄んでいて綺麗なのが解る事と何故かとても良い匂いがする事も事実だったりして、また記憶がドリップしてしまいボートしてしまう羽目になる。


 「はい、返事遅くなりました」と棒読みの様な返事を僕は返す……」


 「『理』の件だよね、一巻章渡せばいいのかな?」


「その本全部で、何冊あるの?」


やばい声聞く度に何故かゾクゾクしてしまう僕がいる。


 「ねぇ~てば!」


 「はい!?」


 「全巻で、十三章まであるけど、謎解きとパズルがあるから『理』まで辿りつけるかは、君次第かな?」


 やばい、君とか言っちゃったけど、大丈夫かな…… などと内心ドキドキしながら考えてしまう。


 「パズルと謎解きかっ…… それは、中々面白そうだね、試しに一章貸してよ?」


 「か、貸すには、条件が一つあるだけど、い……っかな?」


 「どうしたの?」


 「声が裏返っているけど?」


 「き、気のせいだから気にしないで!」


 「大丈夫別に、気にしてないから安心してね」と笑顔で言われた僕は、あまりの可愛さに心臓が痛い……これは、不整脈かなと冗談で言えるくらいドキドキしてしまう。


 「あ、あの……」


 「僕の友達になってくれたら、貸しやすいだけどいいかな?」


 「ユウキ君と友達になれって事なの?」


 「僕達て、今日初めて会った仲だけどいきなり友達とか重いかも……」


 「それなら、知合いて事で手を打たない?」


 「知合いかぁ~」


 「解った、本を借りる訳だから知合いになれてことですね」


 「本て、何冊まで貸してくれるの?」


 「一応三冊までだから三章までかな?」


 「なるほど、三冊て事は、さっき言ったパズルと謎解きに関係するて事だね」


 この子凄いな会話だけでここまで辿りつけるなんて、友達には、機会を作っていけばなれそうだから、今回は、知合いてと言う事でも進展あったのかな? とまたもや僕は呟いている。


 「その本の解読ができたら本は、どうやって貸せばいいのかな?」


 「リーヴスラシルが、借りにいくから大丈夫だよ?」


 「マリアンローズちゃんは、来てくれないの?」


 「その長い名前は、いいからマリアでいいよ?」


 「マリアちゃんは、研究成果として来ないの?」


 「うん、勿論いかないけど?」


 「そっか~」 残念だなと心の声が響く……それでもマリアちゃんと呼ぶ許可がおりただけでもよしとしようと内心凄く喜ぶのだった。

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