無邪気な少女の異世界冒険記

第239話 一時休止とまったりと①

　「サタンが変わり過ぎて、本当に儂と戦うのか謎じゃぞ？」

　「ご主人様になったマリア殿に、戦う為の場所を作って貰った以上は、勝つつもりで挑みますよ？」

　「そうか…そうか…ま、頑張れ――」

　「それにしてもマリアちゃんなんでも出来る様になってきたな？」

　「そうね、あの子に相応しい旦那様が出来るか謎ですけど？」

　「譲る気は、まったくないですね！」

　「そういえば、お主達がマリア殿を譲るとか譲らないなどと話しておったが何の話なのじゃ？」

　「あぁ～」

　「フォルト家て代々男性しか生まれていないですよ？」

　「なるほど、それで？」

　「私が産んだ子達が、姉妹いまして……」

　「ウィンとマリアが姉妹なんですけどね？」

　「二人とも可愛いですよ！全てが！」

　「儂なんか、男の孫しか見てこなかったから姉妹が産まれた時なんて、元気よく黒龍を狩りにフラット出かけて狩りして、スノーちゃんの家にお土産で、竜田揚げを作って持っていたのを覚えておるわい」

　「そうですね、あれは…衣がサクサクして…中の肉が引き締まっているわりには、肉汁がすごかったですね」

　「ウィンが一番嬉しそうに食べてたのを覚えていますわね」

　「それにしてもこのお酒凄く飲みやすいうえに、美味すぎるぞ？」

　「マリア最近畑に、はまってましてまして、色々作っているみたいですよ？」

　例えばそこの白いおにぎりとかは、マリアが収穫した時に取った米と話す。この黒いのは、なんじゃ？　マリアが書庫で調べる限り海があるじゃろう？そこで取れる物だと書庫で読んで、リーヴスラシル君が旅に出た際に採取してもらっていると言っていた気がしますね？　この白い白米とこの黒い海苔が美味しいうえに、味が……塩・鮭・昆布・ツナと言う種類に分けられている。初めて、ツナと昆布を食べた時は、一瞬感動したものじゃな？　マリア最近どんどん料理が上手になってきて、私の料理の手伝いをしてくれるから、ウィンも一緒にて始めたのがきっかけにもなるかもね。

　「それにしても色とりどりのごはんじゃな？」

　「マリアが言うには、お弁当と言うと書庫で箱に食べ物を詰めた物と聞いて考えたらしいぞ？」

　「そうか…弁当と言う物なんだな……冷めても上手い味付けじゃな――」

　「そうでもないのよ？」

　「この四角い箱があると思うだけど？」

　「そこの上に置いて、ふたを閉めてから、裏に貼ってある札を取ると？」

　「出来立てのお弁当が完成されます」

　「温かくて、奥さんを思い出すぜ」

　「ジャンヌさんが行方不明になっているのですよね？」

　「ハクが言うには、そうらしぞ？」

　「僕が言ったのではなくて、ヒメちゃんが教えてくれたのですよ！」

　「ジャンヌ見つかる頃には、一人くらい孫が居てもいいからがんばってくれよ？」

　「そ、そんなにぃぃぃ、やったら流石に私壊れます！」

　「ヒメちゃん大丈夫…今の親父がからかう時に言う一言だから気にしなくていいよ？」

　「子供は、ヒメちゃんが落ち着いた頃に、出来ればいいなとおもってるから……」

　「はい」と頷くと顔が真っ赤に染まるヒメちゃんだった。

　「そんな話をふった親父は、楽しそうに、美少年のダイトカイトさんと美少女になった親父とで、お酒と料理を飲み食いしてるな……」

　「一瞬平和ボケした感じですが、気のせいでしょ」

　「マリアちゃんを見ていると？」

　「左ほっぺが少し痛い……」

　「ハクちゃん？」

　「マリアちゃん見過ぎ！」

　「やきもちですか？」

　「そうだよ……」消える声で、僕に伝えてくれる。

　「そういえば、ハクの言葉が……男側になってきたんだが、ヒメちゃんと付合い初めてからなのか？」

　「そうですね、ヒメちゃん年上な彼女なので、知らない事を色々教えてくれるから私は、嬉しいです……」

　「これならウィンもお腹空いてるだろうから転移で、娘を呼んでおくわね」と食べるスペースから席を外す。

　「長女さんも来るのか、楽しみじゃのう～」と叫ぶ魔王サタンである。