第217話 初めてのお正月【伝統ある日】
前回様な準備などなくお爺ちゃんの家に来ている。着ている服が着物と言う和服のイメージしたデザインの物をお母様と僕とお姉様の三枚とお婆ちゃん達の十五枚とお爺ちゃん達には、袴を用意している。勿論この間のクリスマスの時に寸法等は、測っていたので作るのにも余裕があり忘れられているかもしれないが当時の少しの帰国から引き出し代わりにデザインを考えて作り上げる。勿論リーヴスラシル君のには、かなり気合を入れた。なんたって姫様からの贈り物は大切にして着ると言うのが標準なので、それらしいのじゃ駄目だ僕が出来る最高の技術で作り上げた作品を送る事になる。そして、御正月前にお爺ちゃん達の家に念話付で服を送り、当日までに着れるように、イラスト付きのをお婆ちゃん達に見せて習う様にと言葉をつけて送る。お婆ちゃん達が解らない所があれば僕の所に念話を飛ばして欲しいと言ってある。こうして、着付けについては、何回か念話が来るが最後に切れた事が念話の映像にてくると凄い集まりで、綺麗とかっこよく凛々しい映像が見えた事が解る。お母様達もみますかと聞いた所当日見るのが楽しみだから今は、良いと言われる。それにしてもお父様は、帰って来ない……僕の初めてのお正月だと言うのにとお爺ちゃん達が騒いでいる。だが、まだ日数がある訳だからそれまで様子を見ましょうと温かい言葉がお母様から言われてお爺様達は納得するのだった。
次にお正月と言えばお説料理を作る事にする完成したらレシピと完成した物の写真を撮って、お婆ちゃん達に送り……当日までに作って貰う事にしている。勿論年を越す前に年越しそばの作り方も写真と作り方も付けて送る予定だったりする。前世の記憶から祖母に習った作り方を思い出しながらこの世界で、材料に似ている物をピックアップして試しに作ってみた。蕎麦等は、お米と一緒で好きな分類なので、料理のスキルを学んだ時に色々と試して作っていたおかげでそれに近いと言うか近い物が出来る様になった。
そう言えば、おせちについて意味をお婆ちゃん達の聞かれてそれぞれの食材の意味を説明した時には、驚かれました。この世界には、おせちの様に『縁起』と言う概念の料理は存在しないと言う事です。さてはて、一品ずつの説目をしていきます。
【紅白蒲鉾】
紅白は祝の色
蒲鉾は「日の出」を象徴するものとして、元旦にはなくてはならない料理。紅はめでたさと慶びを、白は神聖を表します。
【伊達巻】
長崎から伝わったシャレた料理
江戸時代、長崎から江戸に伝わった「カステラ蒲鉾」が、伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったようです。また、昔は大事な文書や絵は巻物にしていたので、おせち料理には巻いた料理が多くあります。
【錦玉子】
金、銀、錦にたとえて
黄身と白身の2色が美しい錦玉子は、その2色が金と銀にたとえられ、正月料理として喜ばれます。2色を錦と語呂合わせしているとも言われます。錦織り成すあでやかさで祝いの膳を華やかにしてくれます。
【栗きんとん】
豊かさと勝負運を願って
黄金色に輝く財宝にたとえて、豊かな1年を願う料理。日本中どこにでもある栗は、山の幸の代表格で、「勝ち栗」と言って、縁起がよいとして尊ばれてきました。
【黒豆】
元気に働けますように
「まめ」は元来、丈夫・健康を意味する言葉です。「まめに働く」などの語呂合わせからも、おせち料理には欠かせない料理です。
【昆布巻】
日本料理の必需品、昆布で健康長寿を
昆布は「喜ぶ」の言葉にかけて、正月の鏡飾りにも用いられている一家発展の縁起ものです。おせち料理には、煮しめの結び昆布、昆布巻となかなかの活躍です。
【田作り】
小さくても尾頭付き
五穀豊穣を願い、 小魚を田畑に肥料として撒いたことから名付けられた田作り。片口鰯の小魚(ごまめ)を使った田作りは、関東でも関西でも祝い肴3品のうちの1品です。
【数の子】
子宝と子孫繁栄を祈る
数の子はニシンの卵。二親(にしん)から多くの子が出るのでめでたいと、古くからおせちに使われました。正月らしい一品です。
【菊花かぶ】
旬のかぶもめでたい形で
冬が旬のかぶをおめでたい菊の形に飾り切りし、紅く染めて、紅白の酢のものに仕立てたのが菊花かぶです。消化によい栄養素を含み、ご馳走の中の箸休めにぴったり。
【小肌粟漬】
将来の出世を願って
小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前。出世魚なので縁起がよいといわれています。黄色はクチナシで染めた粟で、五穀豊穣を願っています。
【えび】
長生きの象徴
えびは、長いひげをはやし、腰が曲がるまで長生きすることを願って正月飾りやおせち料理に使われます。おせち料理には、小えびを串で止めた鬼がら焼がよく用いられます。
【お多福豆】
福を招く豆料理
「阿多福」という字が当てられ、文字通り福を招く食べ物として、祝い膳にはよく登場します。空豆の一種で、その形が、ふくよかなおたふくの顔に似ているところから、お多福豆と呼ばれています。
【紅白なます】
紅白でおめでたいさっぱり料理
生の魚介と大根、にんじんと酢で作ったことから、なますの名がつけられました。今は生の魚介の代わりに、干柿や昆布、ゆずの千切りも用いられます。
【ごぼう】
細く長く幸せに
細く長く地中にしっかり根を張るごぼうは縁起のよい食材として様々に使われています。たたきごぼうは、軟らかく煮たごぼうを叩き、身を開いて、開運の縁起をかついだもの。ごぼうの産地である八幡の名をとった、牛肉の八幡巻、穴子の八幡巻も正月らしい巻もの料理です。宮中で正月に配られる花びら餅の芯にも、ごぼうが用いられ、大切に扱われているのです。
【するめ】
祝い事を表す縁起もの
「寿留女」の字をあて、結納の品として使用され、めでたい祝儀の膳に欠かせない品でした。恵比寿神を奉るエビス棚には、しめ縄が飾られ、するめ・昆布・新巻鮭などを飾る習慣がありました。寿とは、幸せのこと祝事を表す言葉です。
「……と言う意味が込められる料理の為か年に一度家族で集まりその年の繁栄などを願い皆で食べると言うらしい事を手紙に書いて説明する」
「マリアちゃんてたまに不思議な事知っているわね」と何故か褒められる。
こうして、御正月までの準備が整っており、当日着物を着て向かうだけと言う事になっている。昔の様にお爺ちゃんの家まで歩かなくても転移魔法を使えば行ける事も解っているので問題は、なかったのである。
扉の前に立ノックをすると中から凄い足音が聞こえてくる。扉を開くと? お爺ちゃんとお婆ちゃんが居る。お母様から初めてに新年の挨拶をして、続いてお姉様が挨拶をして、僕が挨拶をすると? お婆ちゃん達から挨拶しながら謎の袋をお姉様と僕に渡す。これは、たぶんお年玉と言う物なんだろう……中には、何人かリーヴスラシル君にも渡している。もちろんお爺ちゃん達も挨拶が終わると袋を渡す……今度は、お姉様と僕とリーヴスラシル君に渡していく…どうやらお爺ちゃんの中では、リーヴスラシル君は、可愛い孫で戦いの師匠の様な物なんだろうと何となく理解してしまう。
早速寒いので、中の食卓へと足を運び……僕が作ったおせちをお婆ちゃん達に渡すと? 中身は、皆の前で披露して勝負よ! と言われる。僕は、不思議そうな顔をしながら笑顔で構いませんよ? などと答えて、お姉様たちがいる所に戻る。
「やっぱり、マリアちゃんも持ってきてるわね…重箱も凄いデザインだけどこの数と重さは、何か違うものと勘違いしそうね」とお婆ちゃん達が荷物を持った時に呟いている。
そして、新年の挨拶として……ダイトカイトお爺ちゃんが挨拶をする。
「新年あけまして、おめでとう」
「去年は、色々な事もあり、皆に世話になった…じゃがこれからも絆を大切にして、良い年を迎えて欲しい」
「残念なのが、祝いなのに何故か居ないユウトがと言う事だが、帰って来た時は、島流しの刑にするので、皆安心すると良い」
「それでは、今年も皆宜しく!」
そして、乾杯と共に、皆で過ごすお正月が始まった。そして、お婆ちゃん達のアレンジしたバージョンのおせち料理は、凄く繊細で綺麗な出来だったので凄いと思っていると? やっぱりマリアちゃんには、敵わないわねと言われる。どうやら、一品ずつにおめでたさを感じる様に、正月飾りの様な模様のあるおせち料理を作った事が褒められる事となる。
味は、僕のとあまりお婆ちゃん達とかわらないはずなのに、初の孫が作ったおせちは、大変な奪いあいとなっている。そんな様子を見乍らお姉様とリーヴスラシル君とで楽しく会話をしながらおせちに舌ずつみしている。すると玄関が開く音が聞こえる。
まさかお父様が戻って来たのかな? などと内心思っていると? 食卓の扉が開く――
すると眼差しがとても良い顔をしているお父様がそこに居た。
「すいません新年早々遅くなりまして、帰るのに時間がかかりまして、やっとこの時間に着きました……」
「スノーちゃんに、ウィンにマリア新年あけましておめでとう」
「遅くなってすまない」
何故かそんな事を言ったお父様に皆が静かになっている。
「ユウト何か悪い物でも拾い食いでもしたか?」
「お前がそんなに紳士の様な振る舞いが出来ると誰も思ってないぞ?」
「本当に中身は、ユウトなのか?」
そんな言葉が飛び交う。それは、今までの生活からしたら皆言うがどうやら何かあってこの様なお父様に変わった様子の様だった。
「俺は、普通ですよ?」
「ただサンタクロースさんと旅でプレゼントを配りそして、悟ったのです……」
「今までの自分の罪深い事をそしてそれについてサンタさんに話した結果今の自分が出来上がりました」
「もう…変えるつもりはないので、喋り方とかが変だったリ行動が違ったりしたら皆さまのご支持を頂けたら精進致しますゆえこれからも宜しくお願い致します」
土下座じゃないと解っているのだが、お父様は、食卓の床に頭をつけて皆にそんな姿勢を見せた事で、皆が驚くが、シルフィー様が一言話される。
「ユウトよ、それに気づけた事は、まことによいのじゃが、念話と言うのがあるのじゃから遅くなるならきちんと連絡をしろ!」
お父様は、言い訳をせずにこう語る。
「サンタさんの命令により、大抵の魔法は、封じられています」
「この札に書かれている事をしていただける事で、いつもの魔法が仕える状態になります」
「お父様どうかそれを解いて下さい」
お主の子供の邪念を祓っておいたぞ、それが定着するまでは、それに近い魔法類は、封印しておる。お主なら解けるじゃろうからといてあげるといい。そして、また来年に会おうと手紙には、書かれている
理由も解ったので、厳しく言った事を謝り、息子の封印を解くとかなりの魔力が息子から出る。後ろから声が聞こえる――
「貴男の力は、三割までとなっています」
「ここに、封印の儀を示せ――」
お母様が呟くとお父様は、光に包まれて、先ほどまでの魔力が一気に減るのが解る。そして魔量が多いい事の説目をシルフィー様にお母様が説明すると? なんとそんな事があったのかと驚いている。なんなのかは、こっちに聞こえないので残念だが、お父様もかなりの大物だったと言う事が解った。
そんなやりとりも落ち着いている時に、僕は、調理場を借りて皆の為に、お雑煮を作っている。
作り始めた頃は、お婆ちゃん達も手伝うと言ってきたが、初めての正月であり、初めての振る舞いなので、僕一人でと言うと皆解ったわと言ってその場を離れる。
僕は、心を込めて集めてきた食材を豪華に使って、料理して主役となるお餅を焼き皆の分が出来ると共にお爺ちゃん達を呼んで運んでもらう。
皆の所に、お雑煮が届いた事を確認して、いただきますと共に、お雑煮を食べ始めるのだった。
何故かお父様は、涙を流しながら娘達よすまない……そして温かい心のこもった料理有難うと呟いているのが聞こえる。
そんなばたなたした中正月が終わるのだった。
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