第204話 初めてのクリスマス会【懐かしい思い出】

 ダイトカイトお爺ちゃんからクリスマスの招待状が来た。僕は、今回初参加と言う事でお姉様に聞いてみる? 楽しいイベントとサンタさんからプレゼントが貰える言われる。


 サンタさんか、そう言えば生まれ変わる前に、小さい頃に祖父母からクリスマスプレゼントを貰ったのがいつだっけ?


 あの頃は、靴下を用意して早めに寝てしまいサンタさんの正体を見れずに、小学校三年生までサンタさんが居ると思ってたっけ?


 三年生になる前に、祖父が亡くなって、祖母と父親の兄弟で、叔父さんにお世話になって、三人で暮らし始めて、四年生の頃に叔父さんが靴下に入れる時にうっかり荷物を落してしまって音に気付いて起きた時に、サンタは居ないだなぁ~て知ったんだよね。


 そして、大学二年暑い夏の八月十七日に祖母が脳梗塞で、意識不明になってそれが原因で亡くなり、その後、叔父さんと二人暮らしをして学校に通って居たんだよな~


 そして、論文後に事故死してこの世界に来たんだった……


 叔父さん元気でやってるかな?


 昔の記憶がよみがえり凄く切なくなり涙が溢れる時に、お父様からお話が来た。


 「マリアよ、今年のクリスマスは、かなり盛り上がるから楽しみにしてろよ?」


 「なんたって、初のクリスマスだし、家族全員でやるんだから楽しいぜ!」


 家族全員とやる……


 僕の本当の家族はもう会えない……


 僕の頬に熱い涙が流れてくる……


 「うぁぁぁぁ!」と大声で泣いてしまった。


 そもそもまだ生まれて二歳も行っていない子供なのだから前世の記憶でパニックになってしまい心が折れた。


 そんな時に、今まであまり泣かなかった僕が泣いてしまった事により事態が変な方向へと向かう……


 「お母様大変だよ?」


 「お父様がマリアを泣かしているよ!」


 「え、ユウト何をしたの?」


 「滅多に泣かないマリアがこんなに大声で泣く所なんていままで見た事無いわよ?」


 「とりあえずユウトここに正座しなさい!」


 「スノーよ、言われる前に正座しているが……」


 「何が言われる前よ、何したのかはっきり言わないとお父様とお爺様達に念話飛ばすわよ?」


 「それだけは、勘弁してくれ……」


 「クリスマスだけに、血だらけになるのは、勘弁だよ!」


 「マリア~」


 「どうしたの?」


 「何かお父様に言われたの?」


 「とりあえずお父様を顔以外埋めてからの話合いする?」


 「ウィンよ、今凄く物騒な単語が聞こえてきたんだけど?」


 「ん、気のせいじゃない?」


 「何を言っているのお父様?」


 「勘違いですよ~」


 「言ってる言葉が何故か棒読みに聞こえるだが、気のせいじゃないよな?」


 「あ、ごめんなさい」と先に謝るウィン……


 「リーヴスラシル君に、お父様がマリアを泣かせて大変な事になってるて、念話送くっちゃったよ?」


 「おいおいおいおい!?」


 「不味いだろうそれは……」


 そして、玄関の扉が開く音が聞こえたと思いきや今度は、食卓の扉が急に開く……


 「姫様どうなさいました!」


 「いつも笑顔が絶えない姫様がこんなに大声で泣かれるとは……」


 姫様を抱っこして、蔑み瞳で、ユウトを見る。


 「貴様?」


 「我の大事な姫様に何をした?」


 「いくら父親でも泣かすような事をしでかしたのだからそれなりに、覚悟は出来ているだろうな?」


 「ちょっと待ってくれ――」


 「ユウト何勝手に立ち上がっているの?」


 「話を聞く時は、正座でしょ?」


 「す わ れ !」


 身体は、言われるがままに床に正座する形で座る。


 「スノーがここまで怒るのは、今までの経験的に、初めてかもしれないが、やばい泣きそうになるくらい怖い……」


 どうして、マリアが泣いたんだ……


 今日から楽しく親父の家に帰って二泊三日のクリスマスをやる予定だったはずだが……


 今の俺は、一言によって命の燈火が消えかけている状況になっている。


 どこでマリアを泣かせる言葉を言ってしまったんだろうか……


 散々悩んだ結果ひたすらリーヴスラシル君に抱かれているマリアに、謝り誤解的な言葉を言っていたのなら教えて欲しいと言う。


 「あ、ユウトさんごめんなさい……」


 「貴男の親族に今の状況を映像付きで送ってしまったので、教える前に違う対応が待ってると思いますけど?」


 そんな言葉を聞いた途端大量の念話にメッセージが書き込まれる。


 やべぇ~怖くて見れねぇ……


 「それで、とりあえず、念話の件は置いといて、何を言ったのかを我に聞かせてほしい」


 「え、親父達の件は、放置にして、こっちに話を戻せて事?」


 「もし誤解なら再度我からメッセージを送るから安心すると良い」


 「確かに、リーヴスラシル君の言葉ならなかった事になるが、違っていたらどうなります?」何故か敬語になっている自分がいる。


 「ま、その時は、なんじゃったかな……」


 「嫁に出すときは、戦う的な話があったじゃろう?」


 「あれと似たような事をやってもらうだけじゃから問題なかろう」


 やばい上の娘とスノーの目が笑ってない事と今だにマリアが泣き止まない……


 俺は、覚悟をしてマリアに、念話広範囲に飛ばしながら話だす……


 「マリア俺が何か不味い事言ってしまったのならすまない……」


 「御免なさい……御免なさい……」


 何だろう……マリアの御免なさいが聞こえた途端温度がマイナス十度くらい落ちた気がしたが……


 「あのですね、家族でクリスマスをやる事で、何故か僕にも解らない事なのですが、多分前世の僕は、家族とやるクリスマスがもしかしたら出来なかった事に、パニックを起こしてしまって、そしたら涙が止まらなくなって……」


 「御免なさい、やっぱり涙がとまりません」


 「前世の記憶か……」


 「自分では、覚えていなくても心のどこかには、覚えているのだろう……」


 「マリアよ?」


 「前世で、祝う事が出来なくて、泣いてしまい……」


 「そのうえ俺が言った言葉がきっかけで、泣かせてしまった事は、すまなかった」ユウトは、ゆっくりとマリアに頭を下げる。


 「もう、大丈夫なのと頭上げて下さいお父様――」


 「「「命拾いして、サンタの祭り上げにされずよかったね」ユウト」お父様」


 二人に言われて何とか命の燈火が消えなくて良かったと安心を懐いていると? 玄関が凄く騒がしい事に気づく……


 「あ、ユウトさんきちんと誤解だったと念話を親族の方々全員に送ったのですが……」


 「手遅れぽいので、自分で外に出て、説明すれば解決すると思うのじゃが?」


 「念の為に、マリアを連れて行くと効果は、抜群だから抱っこして連れて行く事をお勧めします」


 久々にマリアを抱っこすると不思議と甘い香りがする。危うくまた過ちを犯す所で正気に戻り親父達の居る外へと向かった。


 そして、今回の騒動についての話し合いと二泊三日のクリスマスは、きちんと楽しく送る事まで話合いによってきまる。


 だが、最後の一言がある意味残酷だった。


 「お父様に抱っこされていると寒気が凄くしたけど?」


 「お父様僕の身体で、何か悪戯でもしたの?」潤んだ瞳でマリアが言って来る。


 「俺は、何もしていない、ただ最近抱っこしてなかったから緊張してたのが、マリアに出てしまったのだと思いたい」


 「そうですよね、ユウトがそんな事したら折檻だけじゃすまなかっただろうし、良かったですね、きちんと言葉に出して言えた事が……」


 「それじゃ~」


 「準備が終えたら儂らの家に向かうぞ?」


 マリアは、念話で、リーヴスラシル君も行こう誘う。


 「喜んで、姫様と一緒にお供致します」と笑顔で答えてくれる。


 「リーヴスラシル君ばかりずるい!」


 「マリアを一番抱っこしている私に勝てるかな?」


 「お姉様とリーヴスラシル君達は、何の勝負してるのですか?」


 「「勝負じゃないから大丈夫」」と二人は、笑顔で答えてくれる。


 そして、三人で、お部屋に集まり、行く為に荷物の準備を進めて行く。


 お姉様から一言言われる。


 「サンタさんがくれるプレゼントは、ニーソを吊るして置くと荷物と入れ替わっていると言う伝説があったりするのだった」

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