第163話 祈りの女神【魔王編【後編パート2】】
「カゼフお兄様?」
「何だいマリアちゃん?」
「奈落に落ち死魔族てでましたけど?」
「魔界て、そんなに不死属性系て多いいですか?」
「う~~ん、そうだね」
「死んだ魔族を蘇らせて使いならしと言う風習が昔からあるからね」
「それだと、カゼフお兄様のお父様は、元天使だったわけですよね?」
「それと不死とは、何か違うのですか?」
「親父は、元天使だが、天使の世界がどうしても嫌になり過ちを犯したと昔良く呟いていたが、何がきっかけとは聞いた事はないかな?」
「堕天使とは、罪を犯してその心が壊れた瞬間に誕生した者と言われているらしいが、それは、ちと歴史的には、違うことらしいじゃよ?」
「ダイトカイトお爺ちゃんそれどう言う意味なの?」
「種族関係なく『堕』と言う烙印を押されると言う事じゃな?」
「皆さんなんか余裕に、戦い中念話でお話ししてますが、これが狐族の普通の戦いないですか?」
「ハクテイトお兄ちゃんちょっと静かにしてて、今ダイトカイトお爺ちゃんとお話ちゅうだから!」
「そうじゃ、孫の質問に答える事も戦いには必要不可欠なのじゃ!」
「それに、この会話してる間に、リーヴスラシル君に『聖属性』付与してあるし、戦っているだろうからこっちにはこないはず」
「えっと、マリアちゃんの召喚魔法で出た忠実な者ですよね?」
「ちなみに、彼なのか彼女なのかは、不明ですが、何者なんです?」
「あれは、ドッペルじゃよ?」
「それも本物のドッペルゲンガーじゃな?」
「偽物とか本物とかいるですか?」
「元々生きていた種族の生き物が怨念を残して生まれ変わって出来たドッペルゲンガーと原理が説明できずに最初からそこに居たドッペルゲンガーと言う事じゃな?」
「リーヴスラシル君は、後者て事ですか?」
「そうじゃな、そもそも何故その答えが出たかと言うときちんと仮説があるのじゃよ?」
「グリモア系は、基本伝説上に生きて来た者が封印されていたりするのじゃが、偽りの方は、魔法書でも封印出来るじゃ」
「例えばの話じゃが、マリアちゃんに今居る目の前の敵である『奈落に落ち死魔族』を弱らせて魔法書に封印する事が可能と言う事じゃよ?」
「言ってる意味が難しいのですが、そもそもマリアちゃんて生まれて間もないですよね?」
「だから皆言ってるじゃろ?」
「天才だと」
「姉の方は、努力型の天才じゃがな?」
「天才は、文武両道じゃから努力も少しでそれ以上の力と知識を手に入れる事が出来るじゃよ?」
「最近少し気になるとしたら、以前家に泊まりに来た時より魔力量が上がっている事が解るくらいじゃから何かの勉強か武道をやっとるじゃろうな」
「それに、スノーちゃんの話だとマリアちゃんは、三割力を封印されているらしいからそれも驚きの一つじゃな?」
「そう言えば封印て言葉を以前スノーラビット様から聞いた覚えがありますが?」
「そうね、私の力今一割しか当時の力を出せないわね?」
「えっ?」
「あれだけの力で、一割て全盛期どれくらいで戦ってたんです?」
「あれ、貴男の主人であるカゼフ君の力見た事ないの?」
「見た事ありますけど、凄いと言うか慣れてしまっているので、解らないが正解です」
「ちなみに、俺様お前の目の前で出してる力は、二割をいくかいかないかの間だけどな?」
「流石に、全盛期の力で戦うて事は、俺もしてないな?」
「そうね、皆で約束した絆だしね、ある意味封印も……」
「それで話戻りますが、今のマリアちゃんて、スノーラビット様から見てどれくらい強いです?」
「私の過去のふる装備をして、一割でも傷がつくかつかないくらいよ?」
「マリア?」
「私に、本気で戦ってきて勝てる?」
「う~~ん、無理ですね」
「お母様に勝にも一割でも僕のレベルでも倒せないですよ?」
「運が良くて引き分けかな?」
「あらあら引き分ける自身あるの?」
「お母様目が怖いです!」
「一応対策的に、引き分ける方法は、あるのはあるのですが……」
「確率を言ってしまうと、5パーセントくらいですね」
「それでも引き分け出来るて事は、裏があるですか?」
「今は、秘密ですと言わせて下さい」
「だからお母様怖いですよ視線が!」
「マリアちゃん後でじっくりとお話ししましょうね」
「お母様目が笑ってないので、そのへんで勘弁してくれませんか!」
「ダイトカイトお爺ちゃん助けて!」
「お じ い 様 !」
「孫の方が可愛いので、命がけで守るぞ儂は……」
「所で、そろそろ戦いに戻るのかそれとも話をしてるのかを決めたいのじゃが?」
「戦いに戻りましょう」
「リーヴスラシル君に任せきりは、流石に私もあれなので戦いに参加してきます」
ハクテイトお兄ちゃんも戦いに参加しに行ってしまう。
僕は、念話をリーヴスラシル君に飛ばして状況を聞いてみると?
「姫様どうしました?」
「戦って勝てそう?」
「そうですね、正直言って勝てますが……」
「勝てますが?」
「ここで、力を見せて良いのかが判断しかねますね」
「えっと、部外者が二人いるからて事?」
「スノーさんの過去の知合いの方には、ばれているようですが、もう一人の部下には、ばれていない様子なので――」
「残り二階あるし、いいじゃない使っても?」
「下の階層に、向かう途中も似たようなの出るだろうし、問題ないかと?」
「じゃ~」
「お言葉に甘えまして、技使ってもいいですか?」
「僕が知らない技て事だよね?」
「そうですね、あれから身につけた技術なので、逆に知ってたらびっくりします」
「なら楽しみだね」
「姫様の楽しみてある意味怖いので、見ただけで覚えたりしないですよね?」
「そもそも剣術使えるけど?」
「リーヴスラシル君位のレベルじゃないよ僕は?」
「僕の武器は、あくまでも弓系の特化型だし、魔法も使えるけど一番しっくりくるのは、弓だね」
「たとえ使えたとしても、リーヴスラシル君と同じ物は出来ないと思うかな?」
「似た事を弓でしろと言ったら多分だけど出来るかもしれないかな?」
「それは、それで流石に自身なくすので辞めて下さい!?」
「ま、長話もあれだしささと倒して早く迎えに行こうよ?」
「お姉様とまったりした生活にも戻りたいしね」
「お心のままに――」
「そんな訳だから貴様を倒させてもらう……」
リーヴスラシル君を双剣をしまいクロスに構える。
「天に祀炉杷詩て神の基にて願う者鳴て、従う者を滅ぼさん――」
「雨野虜に闇声をして、闇にて、悪を滅する理の異なりて――」
「進士の美那模を取り込めず甘田乃血より惹き出せば――」
「己の水面に小野豆と支援終たれば――」
「清女布誓迦士魔碌を灘欣呂卒塔婆然別湖死青鞜之極痲誌芽と申す――」
「魔導の力を示しその糧を心を受け師我の元に百花楼蘭千羽なりて――」
「我ここに願わん、我ここに集いし者頼て試想いし神木聖華――」
『『騒乱怪奇紅聖華の演武一式』』
双剣が、黒と紫を重ねた色に変化する。
リーヴスラシル君手が、炎火の様に赤く染まり凄い風圧が周辺に、広範囲に熱が飛び回る。
縮地を使い懐に一瞬に入った瞬間――
「双剣魔式百花桜蘭斬り――」
奈落に落ち死魔族は、何が起きたのかが解らず×と斬られる。
斬られた所が赤々と溶け出して、黒く灰色に変わって行く――
一瞬にして、燃え尽きてしまう。
「姫様討伐成功なり!?」
「うむ良い働きじゃぞ」とマリアものりで言う言葉
「やっぱり強くなってるし、僕にはその技使えないて事も解ったよ」
さて地下二階におりますか……
二階は、大きな広場となっており、奥の方に階段が見えている。
あの場所を通れば地下三階に行けますね。
「何も気配がないのが気になる所ですね」
「我もあの広い中央部分がとても気になっておる」
「僕もあそこに何かあると思うから、ちょいと召喚魔法を召喚する」
「おいで、ユニコーン」
「ヒヒィィィィン!?」
「御呼びですか?」 お嬢様と言って太股を顔で撫でてくる。
ダイトカイトお爺ちゃんが、召喚間違えかと言って来るが、実際は、違う……
そんな事を考えていると、僕のスカートの中に顔を突っ込んでくる……
「貴様姫様に何をする!」と近づいてくると、今度は、リーヴスラシル君が近づき膝を舐め始める――
一人と一匹を除いて、皆の心が一致する。こいつら変態だと……
ハクテイトお兄ちゃんもちらちらこちらを見ている。
少し耳が熱いのを見逃さなかった――
「僕は、ユニコーンに視線を向けて、行けと言う」
何か言いたげに、中央広場へと走って行き中央に到着した瞬間に、床から大量の黒い手が伸びてユニコーンにまとわりつきながら床えと『ドボン!?』と言う音が辺りに響き渡り消えて行くのだった。
存在しているか確認すると生きているが変な空間に居る事が解る。
ダイトカイトお爺ちゃんが呟く――
「あれは、闇の手沼地獄じゃよ?」
「何ですかそれは?」
「一時的に空間が何かの変化で怪奇現象が起きる際に、何十年か何百年をかけて闇が出来て生物化すると言われる」
「今だ解明されていない沼じゃな?」
「どうすれば地下三階に行けますか?」
「マリアちゃんの最高召喚魔法である……」
「ヴェルゼブブ王を呼び出せば行けると想っとるじゃがな?」
「ちと危険なんじゃよ……」
「ヴェルゼブブ王は、多分じゃがマリアちゃん自身を気にせずに破壊を繰り返すだろう――」
「良い点としては、ヴェルゼブブ王が闇に落ちれば闇の沼は塞がるじゃが、沈めている間にマリアちゃんのSPがかなり減ってしまう点が今の所解っておるのじゃよ?」
「後でどっちも回収できますか?」
「ここの森の呪いが解けていれば、何もない部屋へと元に戻る」
「それで再度そこの床に、血を垂らして、魔法陣を描けば喜ばれますね」
「誰に?」
「闇の力に、血は喜ばれますよ?」
「それも生まれたてのマリアちゃんの血をのみ、聖女的な存在である事が条件に満たしている為に使うにはもってこいなんだよね?」
「なら召喚します!」
「血なんていくらでも上げるので出て来て下さい――」
「ヴェルゼブブ王ぉぉぉぉ!」
辺りが一瞬寒気がするくらい一気に温度がさあがる…… 地面に光の文字が浮かび上がった瞬間雄叫びが聞こえる――
カゼフお兄様は、余裕そうな顔をしている。
「あれが、伝説系の召喚て事か――」
「空気の重さが前よりも重く召喚に成功の声が木霊する」
「もちろん召喚と同時に、皆の魔力を少し奪われるので気をつけて下さいと言う事を忘れてました!」
「あらあら」
「お母様が困った声を出す」
「前よりSP持ってかれたわ」
「確かに、儂らも半分くらい持ってかれたぞ!」
「我は、平気でした姫様」
「召喚魔法で召喚された者には、影響がないて事なのね……」
「僕も三分の一持ってかれました」
「俺も三分の一持ってかれたな――」
「私は、残りSP200くらいですね……」
「あれ、ハク?」
「お前SP二百万以上あったよな確か?」
「全盛期のころですよ?」
「今は、せいぜい120万くらいですかね……」
「それで、残りSP200とか何奪われてるだよお前!」
「不思議ですよね?」
「いや、儂とスノーちゃんは、何となく解ってしまったから答えられないて事でいいよ」
「カゼフ君も解った?」
「おう、解ったがこれは、自分で解決してくれとしか言えない」
そんな会話の中中央へと動き出すヴェルゼブブ王は、近づいた瞬間闇に手が伸びて吸い込まれる。
ドプと音と共に、床は綺麗なコンクリートへとなっていく――」
「これで、下の階に行けますね」
どっと疲れる中地下三階へと進むのだった。
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