泡 (打ち切り)

キアル

第1話 始まり

なにかを得るには、なにかを払わなければいけない。


そんな言葉をどこかで聞いたことがある。

しかし、私は、その言葉とは違った生き方をしている。

何も払わなくてよいのだ。

なんの労働も要さず、ただ毎月決まった額の現金が振り込まれてくる。


そんな夢のような生活が始まったのは、ほんの数か月前の事だった。

ギャンブルでもっていたすべての所持金を使い果たし、

家主から家を追い出され、

公園での生活を余儀なくされていたとき、

一人の男が近づいてきた。


「君はいい人かね?」


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