少女は人ではなかった。少女は獣ではなかった。頭の上に獣の耳を生やしていて、そのせいで人にも獣にも居場所がなかった。彼女は求めていた。自分を認めてくれる場所を。認めてくれる人を。そんな彼女はある日、汽笛を聞く。音がした方へ行ってみると、天へと続く汽車を見つけた。汽車は名前のなかった街へと向かう。境界線より遥か彼方にある最果ての都――最果てのホライズンへと。ほんわかとした文章でつづられる居場所探しの物語。これを読み終えた時、あなたは一つ大人になれるのかもしれない。