第19話 損害

私が学生時代のことだが、私は不良グループとはかかわりはなかったのだが、ひょんなことから、私の不始末で不良グループに損害を与えたということになったのだ。駅の待合室は歩道橋を渡った向こう側にあるが、私は暴行を受けねばならぬらしい。逃げるという発想はなかった。世界はここにしかないのだし、逃げ場はない。不良団のボスは私に、韓国へ行けという。韓国といえばキムチ鍋だ。キムチ鍋にはニラやホルモンを入れ、キムチスープをぐつぐつ煮たのを食べるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る