第2話 しっぽのある少年

しっぽのある少年の話をしよう。しっぽのある少年はお母さんと二人で暮らしていた。ある日、お母さんが死んだ。しかし少年は死という概念を知らないので、動かなくなったなとしか思わなかった。お母さんはやがて腐食しはじめた。少年はいやなにおいがしてきたと思いながらも、お母さんといっしょの布団で寝た。しかし段々おなかがすいてきて、外に出た。外ではしっぽのある少年は、裸みたいな格好で、きれいな洋服を着た少年たちにいじめられた。しばらくすると、それをみていた暴走族の連中が少年に仲間に入れといった。少年はバイクに乗った。風を切る感触。日本の怪獣映画に関する考察を私は行っているが、このまえ、この少年に出会ったのである。ショッピングセンターの本・CDショップはきらびやかにレイアウトされているが、私がその前の地べたに座っていると不良たちにかこまれた。しっぽのある少年はクモ使いになっていて、私の体にクモをしのびこませた。クモの毒で意識モウロウとさせ金品を奪うつもりらしい。私は靴もはかないで逃げ出した。

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