第5話 未必の故意

 仕事を抜け出して二人で会議室へ入る。

 鍵をかけて彼に詰め寄る。

「奥さんが居るって言ってなかったじゃない」

「聞かれなかったから」っていう言い訳。それは『未必みひつの故意』というもの。

 でも奥さんには黙っていてあげる。誰にも言わなければバレはしない。

 だって密室の恋だもの。


(了)

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