第16話 陰謀論
「原発賛成派と原発反対派の攻防が激しいね」
とぼくは友人の坂本くんにたずねた。坂本くんは答える。
「ああ、すべてはロスチャイルド家の陰謀だよ」
ぼくは意味がわからずに聞き返す。
「原発とロスチャイルド家がどう関わっているんだ?」
「原発を推進しているのは、ヨーロッパの中央銀行を牛耳るロスチャイルド家の陰謀だ。ロスチャイルド家は、原発および核技術を手中にして、世界を支配するつもりなんだ」
そうだったのか。ぼくは驚愕した。坂本くんはつづける。
「それに対抗している原発反対派は、火力発電で石油を売りたいロックフェラー財閥の息がかかってるんだ。世の中は、ロスチャイルド家とロックフェラー財閥の動きを背景にしてとらえれば、たいていのことは理解できるものだよ」
「じゃあ、竹島領土問題はどうなるんだ?」
「あれは、韓国を支配したアメリカ系財閥であるロックフェラー家と、日本の中央銀行の設立に関わっているロスチャイルド家の対立だ」
「ぼくが聞いたところによると、地球を支配しているのはアンドロメダ星人らしいよ」
「アンドロメダ星人は、地球の支配者であるロスチャイルド家が中世に亜空間航法を利用して植民したユダヤの末裔だ。アンドロメダ星人はロスチャイルド家。それに対抗するのが、シリウス星系に進出したロックフェラー財閥だ。宇宙間の対立も、たいていのことは、ロスチャイルド家とロックフェラー財閥の対立で説明できる」
「すると、魔法少女まどかマギカのキュウベイは、どっちの陣営なんだ?」
「キュウベイは、ロスチャイルド家だ。それに対抗して戦っているのが、タンクローリーなどの石油兵器を使う暁美ほむら、すなわち、ロックフェラー財閥だ」
「すると、まどかは、いったい何を表わしているんだ?」
「まず、巴マミは、石油系兵器を使うロックフェラー系だ。それを倒したのが、ロスチャイルドのシャルロッテ。シャルロッテは、上層部である暁美ほむらに吸収される。そして、本来、ロックフェラー系として育てられていた美樹さやかはロスチャイルド家に転向することを強いられる。それを要求した使者が佐倉杏子だ。美樹さやかの没落は、ロックフェラー財閥からロスチャイルド家へ買収された末端員の運命を描いている。完全に、ロスチャイルド家の支配下となった見滝原を再び、ロックフェラー財閥のもとに戻し、日本を世界を両家による対立支配構造に戻すという役割を受け持っているのがまどかだ」
「はあ。そうだったんだ」
世界は、巨大資本によってこのように支配されているのである。
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