詳細レビュー03
空羽七十三
(※ネタバレも含みますのでご注意下さい)
・作品名
『空羽七十三』
・作者名
平平 祐
・キャッチコピー
「今、キャラと声優の絆が試される。集英社ライトノベル新人賞・三次選考作品」
・あらすじ
自己暗示によって演技力を向上させる声優・御柱七海は『劇場版・魔法洋菓子職人シュガー』のソルト役としてアフレコに参加。そして、ソルトの死亡シーンの収録中に倒れてしまう。
それから三年。七海は、親友の七井悠里、後輩の大西芽春らと共に、平和な日々を過ごしていたが、ある日、都内にて殺人事件が発生し、あれよあれよと巻き込まれ、門条空羽という少年に助けられる。
想力師を名乗る空羽。その空羽に付き従う悪魔たち。そして始まる、彼らとの同居生活! 七海は生き残ることができるのか!? そして、声優活動を続けることは出来るのか!?
(総評)
詳細レビュー3回目の作品はコチラ『
_人人 人人人人人人人人人_
>ラブコメの波動を感じる<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
詳細レビューでは極力ふざけないよう決めていたのにこのザマですよ。本当に自分の悪い癖です。
冗談はさておき、普通に詳細レビューしたいしするべきだと率直に思った作品でしたので、ご紹介します。
この作品は第一回集英社ライトノベル新人賞で二次選考を通過した作品です。ダッシュエックス文庫の所ですね。全体的に読んで、それ相応の実力を備えている作品だと感じました。
しかし肩書きに評価を左右され過ぎるのも考え物です。無冠の作品でも凄く面白い物語もあれば、名だたるプロが絶賛した受賞作品でも自分には合わなかったということもよくありますし。明確な『面白さ』の指標というのは存在しないわけなので。
そんな中でこの空羽七十三は、個人的にとても好きな部類の作品でした。
いい加減本編の話に入ります。
この物語の主役である
いわゆる『憑依型』とも呼べる声優で、自己に暗示をかけることでその作品のキャラに深くなりきれる特技があります。実際はそう単純なものではないのですが、ネタバレになるので控えます。
そんな彼女がある日出会った非日常。『
フィクションのアニメに命を吹き込む七海が、空想の存在であるはずの悪魔達と関わり合いになる所から、彼女の運命は大きく動き出します。
……と言った具合に、悪魔や神話に興味のある方には間違いなくオススメの作品。『悪魔』や『強い自分』を強く意識、あるいは想像することで現実のものとする、異能バトルというか召喚バトルものとしての側面が強いです。
キャラ個性、そして登場する悪魔のチョイスもセンスがあります。ヒトデや五芒星みたいな形をしたソロモン72柱悪魔の『デカラビア』が終始可愛い。
そしてそれぞれの人物達の心情に『ブレ』がなく、七海の声優としてのプロ根性、時には殺人もいとわない空羽の覚悟、敵キャラの抱える闇。それらが皆一本スジが通っており、骨太な作品であるとも言うことができます。
絶賛ばかりだとかえって胡散臭くなると思うので短所を上げるとすると。
よく練られた設定、展開であるとは思うのですが、ところどころ『ここ必要なのかな?』と思ってしまう部分がいくつかありました。
ポーカー対決や七海の女性声優仲間との交流シーンなど、決して不要ではないんだけれども、物語全体を見た後に「あそこ差し挟む必要性があったのかな?」と感じる場面も多少ありました。それよりはもっと悪魔達に日常をブレイクされる姿や、盛り上がる戦闘などを入れても良かったんじゃないのかなと。個人の意見ですけどね。
万人受けするかはまた分かりませんが、読んで損をする作品ではないと思います。完結しておりますが人気が出れば続編を書く可能性もあるんじゃないかと思いますので、気に入った人はぜひ感想書くなりで応援よろしくお願いします。自分は「あーこれ続き読みたいな」と思った作品でした。
※悪魔で個人の感想です。アナタにとっての面白さを保証するものではないので、悪しからず。
バトルものばかりレビューしている印象なので、そろそろ恋愛モノだったりミステリー系も紹介したい。
でも大体作品の魅力がネタバレ部分に集中しているんですよね……。候補はかなりあるのに、面白さの根幹をバラしてしまうのは本末転倒。
悩ましいです。
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