クライマックスフェイズ

その七 盤上に駒は集う

 GMは時計を見た。

 そして決断した……。


GM:んー、時間的*に端折ろうか。神社です。

カヤツ:益荒男がまっている!

GM:そうそう。じゃぁ、クライマックスです。

カヤツ:……え? うそうそ、本当に?

GM:本当に(ニコリ)。

カヤツ:ど、どういうことだってばよ?

GM:第一幕クライマックスね。ほら、今日いぬいさん16時までだからさ。ここで一区切り入れておきたいんだよ。

カヤツ:なるほどね。

GM:ということで、おのおの。神社に来るまでは想像しておいてください!

源八:後で補完するか。

ソフィア:脳内補完?

凪乃:そうだね。出来たらやろうか。

源八:(ナレーション風に)そして、いろいろあった*(一同笑)。


GM:んじゃ、クライマックスですが、どうしようかな。ソフィアが咲耶をつれて神社に辿り着きました。周りには兵士達が居ます。正面から突破することも出来ますが*……侵入したいよね?


ソフィア:したいですね。

GM:じゃぁ、出来ました!


ソフィア:ざっくり侵入した!(一同笑)

カヤツ:さすが傭兵だぜ!

源八:曲者! グワー! 何奴! グワー!*

GM:そのまま、カヤツ姫の所まで行ってもらいましょう。

カヤツ:何奴? ……ねね様!

GM:「ひな*!」と咲耶はカヤツを抱きしめます。

ソフィア:えっと、後ろで「ふーん」って二人を見ながら立ってる。

カヤツ:「そちらは?」

GM:「こちらはソフィアさまです。私をたすけて、ここまでつれてきてくださったのです」

カヤツ:「そうか、礼を言うぞ。ソフィアとやら」

ソフィア:まぁ、コレくれればね。(銭くれ~)

カヤツ:ところで、早くここから脱出せねば。

ソフィア:ん? あたし簡単に入れたけど、何か出れないわけでもあるの?

カヤツ:何? どういうことじゃ。結界は解かれた?

GM:結界は解かれていないね。

カヤツ:ここには外に出られない結界があるのじゃ!

ソフィア:マジで?

GM:あぁ、うん。まぁ……(本来はカヤツだけ出られないんだけど、いいか。)

ソフィア:こまったな。

カヤツ:すまぬがもう一働きしてもらうぞ。勿論、こちらは弾むで~*。

夜暁:報酬、弾むで~(なんか関西訛ぽく)。

GM:あぁ、妹は分かってるのか(笑)。

カヤツ:ちょっと、キャラ崩れた(笑)。

ソフィア:あぁ、いいよ。あたしもここで咲耶を放り出す気はないからな*。

カヤツ:ありがたい。ところで、そなた珍しい髪の色をして居るな。

ソフィア:ふーん、まぁ。逆にあたしは君たちが変な格好にみえるんだけどね?


 そう、ここはエリンディルではない。異世界・季和なのだ。


GM:そこに割ってはいるように、「おや、どこへ行こうというのかね?」と益荒男が襖を開けて現われる。

カヤツ:「にに様!」

GM:「おや、咲耶も一緒か。いけない娘たちだな」

カヤツ:「にに様、いや……益荒男よ。この結界をといてもらおう!」

GM:「私を皇にしてくれるのならば、いつでも解いてやろう」

カヤツ:またその話ですか。ワラワはねね様になって欲しいのじゃ。ねね様なら良い国にできる。

GM:カヤツの言葉にも耳を傾けずに、益荒男はふとソフィアに気がつきます。

ソフィア:ん?

GM:これは美しい。異国の娘よ。そなた私の妾にならぬか?

夜暁:こいつ手が早いな。

ソフィア:誰がアンタなんかに。このカスが!(一同笑)

カヤツ:すげぇ、口悪い(笑)。

GM:「口の悪い娘め」

ソフィア:「まぁ、傭兵が長かったからね。多少の口の悪さは許してくれよ」

カヤツ:「はっ、これは良い。ソフィア殿にかかればあのにに様も形無しじゃな」

GM:益荒男はぐぬぬとしながら、「では力ずくでも私のものにしてやろう」という事で、クライマックスねー。皆適当に入ってきてね。

カヤツ:えっ! 嘘、そういう事?(一同笑)


 さて、実はここでギミックやらスクウェア戦闘とかあったのだが、時短のためにアバウトな戦闘に変更。


GM:「さぁ、この軍勢を相手にどこまでやれるかな?」

凪乃:じゃぁ、その軍勢を――。

カヤツ:蹴散らしてくる*!

凪乃:竜に乗って、並み居る軍勢をばったばったと蹴散らして登場します!

「咲耶様、カヤツ様!」

ソフィア:来たー!

GM:「な、何事だ!」とあわてふためく益荒男に、「あれは……桐生の……凪乃!」と咲耶が声を上げます。

凪乃:「お迎えに上がりました。この場は危険です。さぁ!」

夜暁:か、かっこいい!

凪乃:「一族の名にかけて、私があなた様を守ります。あなた様こそがこの国の皇に相応しい」

源八:……いいか、皆。これがPC1力だ(爆笑)。

ソフィア:あーあ、サブロウとか言ってるから(笑)。

GM:私はソフィアの立ち位置凄い好きだけどね。

凪乃:ソフィアって本編の流れに、横から入ってくるタイプのキャラだよね。

GM:そうそう。

GM&凪乃:ねー(笑)。


夜暁:しかし、乱戦の様相になってきたなぁ。

ソフィア:な、何がなんだか分からない(笑)。

カヤツ:ソフィア殿、大丈夫じゃ。あやつらは味方じゃ。

凪乃:そこの者は?

GM:(口をひらきかけて)*。

カヤツ:安心せい、この方はねね様をここまで連れて来てくださった方じゃ。

凪乃:味方であると思ってよろしいのですね。 ……そこの金の髪の御仁。私は桐生一族を纏める凪乃と言うもの。姫様を守るためどうか、ご助力を!

ソフィア:あぁ、姫とはもう契約済みだしね。

凪乃:という事で、私は登場しましたよー!

源八&夜暁:おぉ!?

カヤツ:あとは二人だけどどうやって出てもらおう……。

GM:あ、じゃぁ結界の中に入った騎竜は羽ばたくのが苦しそうになりますよ(今かってに決めた)。

凪乃:何!?

GM:結界の影響でしょうかね……って、この台詞は咲耶じゃなくてカヤツが言うべきか。どぞ。

カヤツ:おぉう? えっと、「如何、結界のせいで……せいで?」 ウヴァーなんてい言ったらいいんだ*!

ソフィア:言葉に表せない。

GM:騎竜が結界に阻まれて飛べんようじゃ?

カヤツ:そうそう。騎竜の奴、結界のせいで飛べんようじゃ。

凪乃:あ、竜の名前は風斬*といいます。

GM:ほぉ! かっこいい!

カヤツ:凪乃、この結界どうにかならんか?

凪乃:すみません、私はこのような陰陽の術には疎くて……。

ソフィア:ここだ!?

夜暁:……と、呼ばれた*気がしたので(笑)。どうでしょうかGM?

GM:良いですよー。結界破っちゃってパリーン*!

夜暁:じゃぁ、結界パリーンしちゃいます。

ソフィア:結界を破って登場?

夜暁:そうなった。で、どこに出ようかな。

源八:あ、たぶん源八も同行してるよね? なんらかの作戦を成功して、結界を破壊してから登場ってならないと、源八さん登場するシーンにならないよ?

GM:だねぇ。


 実は町衆の手引きで神社の中にもぐりこむとか、街の皆で結界を維持している符を街中から探すシティアド要素とか色々とあったのですが、割愛してるわけ で……そりゃ、街衆の顔役って設定があまり生かせなかったよな。すまんな、源八つぁん!


源八:あの使いについて行った後*のシーン、スキップされちゃったから、そこら辺補完して……。

夜暁:あぁ、まぁ。協力関係になって、皇女を助けるって作戦になったと。

源八:とりあえず、夜暁の態度は気に入らないが、協力はするようになった。

GM:では、再開。んでこのシーンはどうする?

夜暁:じゃぁ、源八さんを≪キャストフォース≫で飛ばして、結界を破壊してもらおう。

「源八さん。この符をあの大黒柱に貼れば、姫たちを閉じ込めている結界が破れます。えぇ。では、私は後方から支援しますので、どーんとやっちゃってください。これは、あなたにしか出来ない仕事ですからねぇ」

一同:超胡散臭ぇー!(爆笑)

源八:くそぅ、仕方ない! 「口だけは達者じゃな。じゃが、それもこれも街のため」と大黒柱にパシーンと符を貼って、「そう言えば着地の事を考えとらんかった」(一同笑)。

カヤツ:おじいちゃーん!


 ひどい(笑)。


夜暁:ややや、さすが源八さん。

GM:益荒男「何事だ? 結界が破られただと?」と動揺しますね。

カヤツ:あの結界を破るとは……。

夜暁:これはこれは咲耶様にカヤツ様ご機嫌麗しく。五星天文所の夜暁と申します。

GM:咲耶「では、そなたが翠の申していた」

カヤツ:胡散臭いって評判の!(笑)

夜暁:「まったく酷いなぁ。あの人*がそう言ってたんですか?」で、益荒男いるんだよね。

GM:うん。

夜暁:「あぁ益荒男さまもご機嫌麗しく」

GM:益荒男「これは、どういうことだ夜暁よ」

夜暁:「いえいえ、あなたは咲耶様をどうなさっても構わないとおっしゃったので、私は咲耶様を皇にしようと思います。そういうことで一つよろしくお願いいたします」

GM:「な、なんだと! 夜暁、貴様裏切るのか!」と喚いて取り乱します。

夜暁:「あなた様の武力も国を治めるには必要なことでしょう。しかし、咲耶様の人との和を育む気質も大事なのでございます。あなた様にはその和の気質がございません。ですのであなたさまでは国を治める事は出来ないと読みました」

GM:益荒男「おのれ! 言うに事欠いて私を愚弄するか!」

夜暁:「えぇ、住民達もそう思っておりますよ? ねぇ、源八さん」

源八:じゃぁ、ここで凪乃の肩をたたいて登場。「そうじゃのぉ。さて結界は壊れた、これでお主の竜もまた飛べるであろう」

カヤツ:お爺ちゃん渋く登場じゃん!(笑)

凪乃:知り合いでいいよね?

源八:だね。街で会ってると思うし。

凪乃:「すまない源八殿。助かりました! 風斬っ!」と声を掛けて再び飛びあがる。

源八:「悪政世にはばからずじゃ」と益荒男を睨みつけて……それじゃ、戦闘開始しましょうか?

GM:そうだねぇ。(ここで大きく息を吸って~)


 「出あえ! 者供出あえぃ!」



一同:あぁ! 完全に時代劇*!(爆笑)


 こうして、アバウトながらクライマックス戦闘が開始したのである。




====

■GMのツッコミ


*時間的

 この日は13時ごろ集合で始めていぬいさんが16時までという制限があった。


*いろいろあった

 便利な短縮魔法の一種。有名なのは「かくかくしかじか」。

 

*出来ますが

 TRPGは臨機応変にシナリオを改変できる。そう、たとえ用意されたギミックがあっても、それすら捨ててもいいのである。


*グワー

 忍殺。やられ声のテンプレ!


*ひな

 カヤツの真名は日向。なので、愛称として「ひな」に。


*弾むで~

 妹の方は巫女なのに、なぜか理解していたりするあたりがファンタジー(笑)。

 てか何故、関西風?


*放り出す気はない

咲耶:ソフィア様きゅん。とでも言っておけばよかったか(笑)。


*蹴散らしてくる

 てか、まっつん。最後まで言わせてやれよ(笑)。


*口を開きかけて

 まっつんのテンション上がってたのか、GMの台詞を殆ど言ってくれる。これがGMを経験して魂LVがアップしたまっつんの力だというのか! グワー(笑)。てか、GMちょっと切ない。


*何て言ったらいいんだ

 急に振ったら、いつも通りのまっつんだった。


*風斬

 かざきり。ちゃっかりNPCの名前を準備するとか、こういう所に仕込んでるあたりが曲者。

 ソフィアの魔導剣ムーランルージュもだが、本当に私の周りのPLたちはGMの感性をくすぐってくれて素晴らしい。

 

*呼ばれた

 なんか皆が上手いことトス上げしてくれました。


*パリーン

 たぶん、私といぬいさんの脳内でパリーンされたのは幻想……てか、禁書のアイキャッチが再生されてたに違いない?


*使いについて行った後

 色々端折ったけど、それはもう絵にも書けない大冒険があったんですよ。たぶん。


*あの人

  翠の事であろう。やー、ロリBBAですので、狸ですよ。


*完全に時代劇!

 お決まりのクライマックスの掛け声。出あえ待機のモブ侍の皆様お疲れ様です。

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