理想郷まで徒歩何分?

モン・サン=ミシェル三太夫

理想郷まで徒歩何分?

 絵画そのままの叙情あふれる景観と、かぐわしき若草の息吹に満ちた新天地――

 牧歌小説そのままの古き良き田園世界が、二十一世紀の現代によみがえりました。


 最新サイバネティックス医療で若返ったあなたを待っているのは、胸躍る冒険と神秘、さらには深遠なロマンス!


 ここは六十歳以上の方限定の、まったく新しいシニア居住区です。詳しくは、資料をご請求いただくか、ホームページをご覧ください。

 URLは、あーるあいえすおー、どっと、えーしー。そう、「理想ドットあるかでぃあ」です。


                  ◆


「いやあ、お客様は運がいい。申し込みが殺到して、今日明日ですべての予約枠を締め切る予定だったんですよ」

「そうだろう、わしは運がよいのだ」

 イタリア製であろう、ウールを混紡したグレーのスーツを着こなしている老人の姿は、実年齢よりも十は若く見えていた。

「なにしろ初めての給金で買った製薬会社の株が高騰したのが四十年前。それ以来、あらゆる事業がとんとん拍子じゃったからの」

「なるほど医療系に鼻が利くわけですね、ええと羊毛ようもう……猛さん?」

 ルビのない古風な名刺の裏表を確認しながら、案内人コンシェルジュは慎重に尋ねた。


 ビルの外は土砂降りだったが、分厚いカーペットの敷き詰められた応接室はとても静かなものだった。

 聞こえてくるのは、異国の民族楽器が古代のBGMをかすかに奏でているくらいだ。

「さっそくですが、ご希望の配役キャストはございますか」

「田園小説から、じゃな」

 何かの仮装パーティでもあるまいに、巷で話題のこの老人ホームには奇妙な入居条件(あるいは特典)があった。

 いや、老人ホームという名称には大きな語弊がある。

 なぜならホームに入った全ての老人は、小説の登場人物そっくりになるための大がかりな整形手術を受け、それには若返りの処置も含まれているのだ。

「物語の登場人物に成りきって、余生を過ごす……と」

「できるかぎり作品の追体験ができるよう、入居者にまぎれた運営スタッフも全力でサポートいたします」

 いや入居というのも正確ではない。もはや移住するというべきだろう。というのもこの老人ホームは、はるかギリシャ共和国のアルカディア地方にあるからだ。

 理想郷アルカディアという言葉の語源となっただけに、人々がこの地に寄せるイメージは極度に美化されており、また古風でもあった。無垢な農民や、人のよい羊飼いが争いとは無縁の生活を営み、ときに若い男女が恋をし、引退した騎士が子どもたちに昔話を聞かせて往事をしのぶ。

 いままで仕事に全力投球だったあなたも、そろそろ休んで貯金をはたいて、文字通り生まれ変わって第二の人生を歩んでみませんか?というキャッチはモーレツ仕事人間たちから問い合わせが殺到した。

「ただし、そんなに簡単にはいきません」

「だろうな。話だけ聞いて帰った人間が大部分のようじゃあないか」

 なにしろ話題性のわりに、募集一二〇名の枠がまだ埋まっていないのである。

「若返り処置も含め、大がかりな整形外科手術は入居前に一度きりです。つまり、一度選んだキャストは、あとで変更が利かないというわけで。たとえば、長身で金髪碧眼の壮年男性になったあと、やっぱり巻き毛の黒髪をもった、けぶるような睫毛の美少年になりたいとおっしゃられても、私どもではお引き受けすることができません。もちろん設備の劣る現地の病院でもお引き受けしません」

「若返りをさせるのだから、体力的には再手術は問題ないじゃろう」

「若返りはあくまで外見的なものでございます。最新のサイバネティック医療により、お客様の老化した筋肉や骨格の大部分は取り外されて、人口のものに差し替わります。この手術が残された臓器と遺伝子に与える負荷はかなりのものです。二度目の手術がまったくできないわけではありませんが、新たな人工臓器との相性問題や、癒着の剥離などのリスクは飛躍的に高まり……」

 つまりは一生に一度の、生まれ変わりのチャンスというわけだ。

「ならば慎重に選ばぬとな。もちろん二人で入居する場合は、はじめから夫婦か恋人になっとる役を選んでも良いのじゃろ?」

 紳士はかたわらに座る女性に振り向いた。つつましやかに、終始うつむきかげんで二人のやりとりを聞いていたのは、羊毛氏の内縁の妻である。

「もちろん結構ですが、ほとんどの方は馴れ初めから物語をなぞることをご希望です。ご存知の通り、田園小説の大半はニヤニヤ系の恋愛小説。現代日本では体験のできないロマンスにあふれております」

 分厚いファイルをまっぷたつに割り、ほんの数枚だけをめくると目的のページが現れた。

「たとえば、この作品は、とある農夫が再婚話の相手に幻滅し、むしろ近所の少女に惹かれるというストーリーですが、この地方の感覚では彼女は若すぎるし、貧乏で家格が低い。しゅうとが金持ちの未亡人と結婚させようとしてしつこい。この障害が強ければ強いほど、二人の愛がいっそう確かめられて、絆を強くするのです」

「二人の邪魔をする、このいじわるな舅も住人の一人かね」

「はい、配役希望が十二倍という具合で。さんざんに反対やら意地悪をしておいて、あとで二人の仲を認めるという部分に、カタルシスを感じる方も多いのです」

「そういうものかしらねぇ」

「それに実年齢に近ければ、若返りの手術代もお安くなりますし」

「たしかにこの入居料は並ではないな。通常のホームとケタが二つ三つ違っている」

 それに対して案内人が何か言いかけたが、

「それよりも、そこは暖かいのかしら。それだけが心配で」

 折り悪く、羊毛氏の妻が尋ねた。

「そうじゃ、それが重要じゃ。わしもこいつも、寒くなると関節が痛くなってな」

「手術を受ければ、ご心配ありませんよ。現地は年中暖かく、夏は暑いくらいですが、山のほうは雪も降りますのでスキーをお楽しみください」

「それは良いところですわね。ホームはどこにあるのかしら」

「ギリシャです。ギ、リ、シ、ヤァ」

 実はこの質問、今朝から四度めだ。

「遠いのかね」

「飛行機なら一日。病院船ならリハビリもかねて三十日」

 最後に説明した夫婦よりも五日も縮めてやったぞと、案内人は鼻の穴をふくらませた。

「船の上で若返りの手術って怖くないかしら」

 この契約、乗り気なのは男性側のようで、女性は心配が山盛りのようだ。そうと察して、案内人は彼女から先に説得することに方針を変えた。

「船内には世界でも指折りのサイバネティック整形医療の権威がそろっています。ギリシャ本土についてからでは、そこまで高度なオペはできませんよ」

「さすがに一度破綻した国だからのう」

 経済危機に陥ったギリシャは、IMFによる大規模支援の条件として、アルカディア県をまとめて貸し出すという苦渋の選択を受け入れた。かの地は知る人ぞ知る理想郷伝説の舞台であるから世界中から申し込みが殺到したものの、最終的に租借にこぎつけたのは一億総ロマン主義の日本だった。

 そう、租借である。日本が支配するこの土地には、もはやギリシャ政府は口出しをできない。かといって日本も最低限の警察や軍隊しか駐留させたくないので、両国の法律がほとんど及ばない治外法権の様相を呈することとなった。

 この地を実効支配しているのは、政府肝煎りのリゾート会社で、日本国内では政治的・経済的・倫理的な理由でとても実現できない事業を展開しようと画策している。そのひとつが広大な土地に老人の国を作るという理想郷計画アルカディアン・プロジェクトだ。

 「この世の楽園」を作りだし、人体に大規模な改造を加えて引き延ばした老後を過ごさせるのだ。生産性の下がった高齢者たちから、国家ぐるみで資産をまきあげ、文明から隔絶された田舎へと送り出す。これは一種の姥捨山政策でもあった。


 広大な土地を独立国家のように隅々まで支配するのだから、その資金はいくらあっても足りない。頃合いよしと、案内人は口を開いた。

「ところで、預金の残高証明書はお持ちでしょうか」

「ああ、会社も不動産も、めぼしい資産は全て人手に渡した」

 羊毛氏は、銀行名の入った三つ折り封筒をコンシェルジュに渡す。

「一年かかりましたわねえ」

「いやあ、おまえはよくやってくれたよ。秘書としても有能だ」

 二人で労苦を忍び会う談笑に、気まずそうに男が口を挟んだ。

「申し上げにくいのですが……この金額では……」

 しんと接客室の空気が凍った。

「ケタを間違えちゃいないかね。そこらの企業の社長では、何代かかっても手に入らない金額だぞ?」

 こめかみの血管が太くなっていた。

「お二人分でこの金額ですよねえ。ええ、いまの競争率ですと、この倍は必要かと」

「ば、倍だと? 四十年働き続けたわしに、さらにまた四十年働けというのかっ」

「あの、ほーむぺーじと言うんですよね。あちらの価格を見てこれなら足りると思ってうかがったのですが」

 羊毛氏をたしなめながら、妻がおずおずと問いかける。

「はい、こちらは最低入札価格でございまして」

 紙にプリントされたより詳細な配役リストが開かれた。

「実際に入札できる金額は、人気のキャストによっては十倍、百倍は必要かと」

「入札だと」

「競争の激しいキャストは競り合っていただきます。早い者勝ちでは、公平ではありませんから」

 傍らで風光明媚な情景を映し出していた液晶モニターにも、ウェブサイトのキャストページが表示される。

 確かに「最低入札額」と書かれている。

「じゃあ、この“魔法使いとおそれられている祖母”は?」

「ただいまの倍率ですと、五倍は必要かと」

「こっちの“ペルシアの王女”と結婚できる男は?」

「大人気ですので、三十倍は考えておきませんと」

「そんな金を出せるのは世界中を探したって、一人いるかいないかだぞ!」

 顔を真っ赤にする老人に、案内人は机にヒジをついて答える。

「あのですねぇ、そんな異国の王女ってのが、あんな狭い場所にゴロゴロいるわけないじゃないですか。彼女と恋仲になれるのは、数人の選ばれたVIPだけですよ」

「なら、“放蕩息子”ならどうだ、ワキ役だぞ。もちろん手術に年齢差の制限はないんだろう?」


「ええ、ボディパーツはこちらで用意しますから、たとえ百歳の方でも問題ありません。でもこちらもかなりのご予算が」

 世界最高峰の若返りと、三十年保証のアンチエイジング保証。

 定収入と称して現地の通貨も支給されるが、金持ちの息子となればその額も大きい。

「外国の歴史ある土地を主権ごと借り押さえて夢のようなテーマパークを作ったんです。国がひとつ買えるだけの莫大な費用がかかっているんですよ?

 とれるところから、とっておく。いまや案内人は営業スマイルを消し去り、冷酷な事実だけを伝える役に徹していた。

「なるほど、それがあんたの本当の役じゃな」

「あなたの予算でなれるのは……」

 申し訳程度に端末をいじってみた男は、冷淡に言い放つ。

「ありません」

「ないだと」

 羊毛氏は身を乗り出して、案内人のモニターをのぞきこむ。

「この男やもめなどどうだ」

「彼は金持ちで名士で、しかも気だてのいい少女を嫁にもらうドラマが用意されてるんです。ケタが二つ足りませんよ」

「この修道士は」

「彼はもともと諸国遍歴の騎士だったんです。引退するまでに獲得した数々の名声を、あなたは金で買おうとしてるんです。少なくとも十倍はお金を用意してください」

「なんだ、詐欺じゃあないか」

 喋っているうちに、どんどん自分で拍車をかけていったのか、口角沫を飛ばす勢いで彼はわめきちらした。

「あなた、落ち着きましょうよ」

 妻がたしなめるのも効果がない。

「わしの数々の苦渋の決断を! 契約の前に何週間もまともに眠れなかったあの不安を! それらの辛苦の全てを、取るに足らぬものというのかっ」

「そこまでは申しておりません」

「なら、どこまで申しておるのだ!」

「あなた、もうやめてください。わたしは別に、あなたと一緒なら、どこに住もうと、どんな貧乏をしていようと気になんかしませんわ」

 男は、いままで自分が働いてきたことに意地があり、なんとしてもアルカディアに行きたがる。

――よくある話と、よくいる手合いだ。

 仕事一筋に生きてきた。自分の稼いだ金を墓場まで持って行けるとは思っていないから、その苦労に見合っただけのご褒美は手にしたい。そんな理屈をふりかざす正直な男を、この数週間でいやというほど見てきたのだ、案内人の青年は。

「もうわたしは結構ですから、わたしの分のお金で、あなただけでも」

「お前と一緒でなくて意味があるか!」

 妻の提案に、羊毛氏はさらに声を大きくした。ほとんど絶叫に近かった。

「わしが日本を離れてやり直そうと思ったのは、日本に住むくだらん親戚連中をふりはらうためだ。金の無心ばかりして、お前にケチをつける。やれどこの馬の骨ともわからん女と籍を入れるとは何だと、時代錯誤な口出しをしてくる」

 案内人はとっさに椅子に座り直した。この男、少し違う。

「忘れたのか、あの土砂降りの日を。そう、ちょうど今日のような日だったはずだ。わしの会社の空き倉庫に、お前の家族は夜逃げ同然でたどり着いた。寒かったろう。屈辱だったろう。しかしあの時、惨めだと思ってたのはわしの身内ばかりで、おまえの家族とくにお前はこりゃあ毅然として誇りを失っちゃいなかった」

「そんなこともありましたっけねえ」

「雨露を凌ぐ場所さえ貸してくれれば、いくらでも働くと申し出たお前の態度に、わしは惚れていたんだ」

「あらあら、おほほほ」

「わしの会社で開発した合成シルクも、倉庫を仕事場にして働き続けた御前達の努力の賜だ。それを認めずあの連中は」

「いいじゃありませんか、そんなこと」


――ああ、これはゲーテの「ヘルマンとドロテーア」だな。

 接客記録にデータを入力しながら、案内人は心の内に笑いがこみあげてきた。

――事実は小説よりも奇なりというが、まず事実があって、小説はそれをヒントにして書いてんだ。人間の人生ってのは十中八九つまらんもので、残りの一割も、どのみちどっかの誰かさんがすでに小説やオペラにしてるってものさ。しかし、この二人の愛情は本物だ。

 なんとかしてやりたい。その思いが彼の胸に湧き上がり、端末を操作する手を早めた。

 そこで、はたと新着のマークに気づく。

「ラッキーなお知らせです。いやあ、お客様は本当に運が良い」

 お客様、いま格安の枠に、二つ空きが出ました。

「金が払えなくなったやつがいたのか」

「遺族の方から……いえ、キャンセルがございました」

 ああ。ホームに入居する前に、どちらかあるいは二人ともが死んでしまったのだろう。

「そちらとしては、入居料だけ払ってぽっくりいってくれたほうが良かったのでしょう?」

 妻がおっとりと聞く。

「いえいえ、とんでもございませんっ」

 案内人は否定する。

「今回のプロジェクトは世界初の試みです。もとより国家の威信をかけての赤字覚悟。むしろ、皆様には末永く生活していただくことが私どもの嘘偽りない願いでございまして」

「なるほど、格好の臨床試験ですわね。ほほほ」

 夫人には悪意はないようだったが、さすがに案内人も汗がにじんでいる。

「そ……そこまでは」

「構いませんわ。そもそも主人が初めて株を買うキッカケになった仕事というのが……実は治験だったんですの」

「は、はあ」

「わしらの生活が常に監視されることは知っとるよ。それが医学の発展に貢献するってぇなら、むしろ願ったりだ」

 老人は静かに椅子に座り直す。

「すまんかったな。どれ、話を聞かせてくれんか」

 案内人はうなずいた。

「もともと人気のなかったキャストですので、入札なしに先ほどご呈示いただいた金額で即決することもできますが」

 老人のかわりに妻が契約書を見るが、分厚すぎてよくわからない。

「顧問弁護士に聞いてみないと」

「ふた枠をお取り置きできるのは、今日の夕方までです」

 ロマンあふれる物語を期待する客には、絶対に勧めることのない端役だが、この二人にはむしろふさわしいという確信があった。

「人気がないと言ったな。意地の悪い年寄りとかか? それなら手術費用も安くすむ」

「いえいえ、そういうワイルドな役は、かえって人気が高いんです。こちらはむしろ目立たなすぎて」

 木で鼻をくくった態度はなりをひそめ、案内人にはむしろ懇願の色合いが滲みだしていた。

「モブキャラか」

 青年の体が強ばる。大きく首をたてにすると、

「もとより作品中に名前はありません。お好きなお名前をご使用ください」

「うむ」

「おそらくは……なにも変化のない、朝に起きて食事をし、あとは寝るだけの平凡な毎日となるでしょう。寡聞にして私は、このキャストの活躍する小説を知りません」

 しばしの沈黙のあと。

「ううむ、まあ構わん」

 老人がこたえた。

「波乱万丈のイベントはもとより目的ではないからな」

「ご理解いただけましたか!」

「あんたが今、わしらのことを心底気遣って提案してくれたってのは、よぉくわかる。わしらの老後を、あんたに託そう」

「医療の限界に挑戦してでも、キャストそのままの姿にしてみせます!」

 固い握手を交わしたのち、夫婦二人は促されるまま膨大な書類に実印を押していき、手付け金をブラックカードで決済したのだった。


 そして――


 無事にアルカディアに渡った羊毛氏は、今日ものんびり草を食んでいる。

 あたたかい日差しに目を細めて、時折メエと鳴くだけの生活だったが、気立てのいい羊飼いの少女は彼を鞭打つことはなかったし、いつの間にやら隣には恋人メスがつきそっていた。なにかと気が合い、どこか懐かしい感じのするメリノ種だ。

 退屈な毎日だが、エサには事欠かず、空気も澄んでいる。なにより、あの陰鬱な雨がほとんど降らないのがよい。

 こんな理想郷に、いったいどんな不満などあるだろうか?

 まったくもって、彼は運がいい。

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