(3)



 *


 残りは女性陣と猫神様である。

 男性陣を好きに遊んだため、私たちのコスプレの選択権は彼らに与えられた。

 

 まず姫香。

 彼女は文さんたっての希望でバニーガールになった。

 胸が強調された衣装、うさぎみみのカチューシャに網タイツ。

 悔しいが、すごく似合っていた。

 そして本来のしたたかさも相まってとても美しかった。


「ふふ、これが私の実力でしてよ?」


 上斜め四十五度から見下ろされるとなんとも言えないえっちなプレイ感まででてくる。

 ちょっと私は恥ずかしかったが、男性陣はちらちらと見ないようにしながらしっかりと見ていた。

 悔しさに唇を噛みしめていると、龍之介さんの「次は猫神様に!」という声がかかった。


 猫神様は普段、神様らしくない着流しの格好だ。

 つまり、和風。

 そのせいか、本人が「和服以外ならなんでもいい」と言ったせいか……。


「ふふん。パンがなければお菓子を食べればいいざます」


 と、絢爛豪華なドレスを身に纏っていた。

 マリーアントワネットも唖然とするであろうほどのきらぴかなドレスだ。

 全身、金色。もうすこし具体的に言うと金色の糸が編み込まれた半透明の衣装。下(着)が見えそうで見えない。

 コルセットはあまり広がっていないタイプのものなnだが、それがかえって身体の体型を表していた。

 ほっそい。

 猫神様、モデル体型。

 聞けば生まれてこれまで運動と言うものはしたことがないらしい。

 日本を転々とするという売れっ子神様は、当然のように神様の乗り物(神輿だとか言っていたか)で動き回るため、本当に足を使わないらしい。

 しかし食べるのは大好きで、その証拠にさっきから広間に並べられている食事を片っ端からつまんでいる。

 確かに食べても太らない人とかいるらしいし、そもそも神様なんだ、とわかってはいても許しがたいことだった。


「次はめぐみの番でありんす」


 花魁姿の蘭丸がそっと近寄ってくるとにやりと笑った。

 光を帯びた口紅が異様に輝いた気がした。

 

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