第3話

「へぇ…コスプレパーティを…ねぇ……」


私は家に戻り、蘭丸と九太郎にパーティのことを伝えた。

二人とも特に乗り気と言うほどではなかったけれど、いやがってるってわけでもない。




「まぁ、たまにはそういうのも良いんじゃないですか?

緑川さんのところのパーティはいつも豪勢ですし、おいしいものもたくさん出ますしね。」


「そうなの?」


食べ物のことを言われると、つい前のめりになってしまう自分が切ない。




「あそこには超一流のシェフが常駐してるし、そもそも素材がすごいからな。」


間違いなく、小学生のお誕生日パーティとは全然違う規模のパーティだということが想像出来た。

きっと、豪華ホテルのバイキングみたいな…すごいやつなんだろう。

これは、絶対に参加しなくては…!




「っていうか、九太郎…

あんた、姫香の家のパーティに出たことあるの?」


「はい、姫香さんのお誕生日とか、クリスマスとか…」


「そうなんだ?

姫香の家ってやっぱりすごいの?」


「それはもう……」


だろうな…この町内でも一番の金持ちっていう話だし。

なんか、それは気分が良くないけど、ま、人間、金がすべてじゃないからね。

そんなこと、気にするようなことでもない。





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