第2話
「龍之介さん…どうでした?」
「よくも悪くもなしと出た。」
龍之介さんではなく、文さんがそう答えた。
「めぐみさんはどうだったんですか?」
「バッチグーだそうです。」
「ってことは…?」
「つまりだな。
めぐみにとって、龍之介はとても良い相手だが、龍之介にとってめぐみはごく普通の相手だということだな。」
龍之介さんの問いかけに、またも文さんが答えた。
「では、私は…!?」
突然、背中から聞こえた声に皆が振り向くと、そこにはいつ来たのか、緑川姫香が相変わらずのボインを揺らしながら立っていた。
「姫香…おまえは…」
「猫神様、ぜひみて下さい!」
言いかけた文さんの言葉を無視して、姫香は猫神様を別の部屋に連れて行った。
「なんだ、あいつ…勝手に入ってきて…
龍之介のことは諦めたんじゃなかったのか?」
文さんはぶつくさと文句を言っている。
「きゃあ~!」
しばらくして、浮かれた声が聞こえたと思ったら、満面の笑みをたたえた緑川姫香が部屋に戻って来た。
「私と龍之介さんはバッチグーな相性なんですって~!」
「どういうことです、猫神様!?
龍之介さんは、私とバッチグーなんですよね?」
「ん~…確かにそうなんだが、姫香ともバッチグーだったんだ。」
「な……そんなこと、あるんですか!?」
「あぁ、よくあることだ。」
姫香は、勝ち誇ったような顔で私をみつめる。
なんだ、この結果…
二人続けて同じ結果なんて、いい加減すぎないか?
(あ…そうだ…)
「でも、私と龍之介さんの間には、もう体の関係がありますから…」
「えっっ!」
「ね?龍之介さん?」
龍之介さんは、素直にうなずいた。
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