揺れる心
第1話
「へるぷと言われても…接吻をしてしまったのなら、付き合うしかないのではないかにゃ?」
「へ…?」
マ、マジっすか?
キスしたら付き合うなんて、一体、いつの時代なんですかって思ったけど…
なんて、素敵なルールなのさ!?
「そ、そうですよね。
私達、キスしてしまったんですし、真剣にお付き合いするしかないですよね?」
龍之介さんは困ったような顔をしていたけれど、やがて、ゆっくりと頷いた。
やった…!
緑川姫香に勝った!
龍之介さんは私のものだ!
緑川姫香は、私を刺すような視線で睨み付けていた。
「龍之介さん…改めまして…どうぞよろしくお願いします。」
私が片手を差し出し、龍之介さんがその手に触れようとしたまさにその時…
急にしぼんだ…私のボインさんが…
「あらっ!東雲様、そのお胸……」
姫香は私の胸を指差し、大きな声を上げた。
そのせいで、文さんや龍之介さんも私の胸をじっとみつめて…
「こ、こ、こ、これは……」
何と言ったらいいのかわからなかった。
なんで、よりにもよってこんな時にしぼむんだ!
とにかく、何か言わなきゃ…なんとか誤魔化さなきゃ…
そう思えば思うほど、焦るばかりで良い案は何も出ず…
「おーっほっほっほっ…!」
緑川姫香が、甲高い笑い声を上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます