(4)



 *


「……温かく湿り気が」

「うにょっ!」


 咄嗟に離れる。

 しかし今の行動で龍之介さんの目はぱちりと開いている。


「あ……あああ……」

「めぐみ、さん?」


 心の中で怒涛のごめんなさい連打が打たれるも、声にならず。


「今、頬に口づけをしました?」

「す、すみま……」


 せん、と。尻すぼみになっていく私の声。

 今更ながら申し訳無さに涙目になる。


「……僕、実は白雪姫が好きでしてね」


 そういうと彼はにっこり微笑んだ。


「ようやく見つけた、僕の王子様!」


「は?」


 まさかの反応に私は凍りついた。

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