きつね石のパワー

第1話

ど、どうすれば良い…?

そりゃあ、蘭丸は格好良いけど、元は狐だよ…



しかも、♂の狐だ。



今は何の下心もなく、おいでおいでをしてるのかもしれないが…



♂の蘭丸と♀の私が一つの布団で寝たりしてたら…

どんなハプニングが起きるかわからない…!



も、も、もしもだ…

蘭丸とその、あの…だから、その…そういう関係になってしまったとして…

そして、その一夜の秘め事で、万一、こ、子供でも出来てしまったら…



私に似たら、そりゃあ問題ないさ。

だけど、もしも蘭丸に似たらどうするのさ…!?

触り心地の良いふさふさのしっぽがついてたらどうする?

そんなことになったら、両親は嘆くぞ…

いや、嘆くどころの騒ぎじゃない!

私はきっと勘当されて、狐の子を抱えて、人間の世界にも住みにくくなって…

そして、蘭丸にも、「あれはただの遊びだったんだ…」なんて言われたらどーする…!?

それじゃあ、私の人生、真っ暗じゃないか…!



だめだ!

そんなこと…!



やっぱり、まっとうに生きるなら、カレー味のう○こよりう○こ味のカレーを選ばなきゃいけないんだ!

それが、まっとうというものだ。



今、目の前にいる蘭丸は、どっからどう見ても私好みのイケメンだけど、そんなことに惑わされちゃいけない!



そうだ…今こそ、人間としての誠実さが試されてるんだ!



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