第4次【黒き覇者】4節【異常級な難易度】

新しく追加された迷宮。名は、【戦乱の狂宴場】という。

名から想像できる通り、中はレベル帯700~900の超強力モンスターの巣窟。それだけでも異常なのに、尚且つ、そのモンスターすべてが好戦的アクティブ。近寄った、近寄られただけでも感知され、即座に襲い掛かられてしまう。

実際、調査目的に潜った数十人のプレイヤーがモンスターにやられ、デスゲームの絶対規則だいげんそくによってこの世界と現実世界の両方から永久退場している。

まあ、レベルの高いモンスターが多いということは、倒せさえすれば、希少レアアイテムと経験値を大量獲得できるのだが。

噂では、このフィールドの最奥に、【大事ななにか】があるらしい。

       *        *       *

「一応来てみたが…予想以上にめんどくさいなここ!?」

その【戦乱の狂宴場】で、通常のプレイヤーが聞けば唖然としそうなセリフを吐く1人のプレイヤー。

勿論、カインである。

彼の視界には、Lv825の虫型モンスター【ハイ・サーチャーリベルラ】が2体と、Lv890の鳥型モンスター【デッド・ルーグェイン】が1体。

他にも、【気配感知】には、数十体の反応があるが、それらはモンスター同士で戦闘中なのでしばらくは放置しておいていいだろう。

突然、彼の周りの空中に無数の光の槍が形成される。

それらは次の瞬間多方向に飛ぶと、モンスターに刺さった個所から瞬時に凍りつかせるほどの冷気へと変貌する。無詠唱で放たれる魔法スキルだ。

「光・氷属性複合系魔法スキル、【コールド・サンピアーズ】っ」

最上位機凱種、イクスマキナの名に見合う魔力が込められた光槍は、1回放っただけですべてのモンスターを氷漬けに変えた。

新調した魔皇剣、【ルーブルヴァイン】の黒革の柄を握りしめ、疾走する。



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