アニメ観賞『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』(ネタバレなし)

 求めるものが得られず、

 目指すべき場所に辿り着けない。 


 これは主人公に成ることができなかった敗者たちの物語。


 光り輝く主人公たちの影で誰かに救われることなく、

 ハッピーエンドに至る選択肢が無かった人々の物語でもあります。


 素晴らしい作品でした。

 さいこー。


 何が素晴らしいかと言えば『構成』が凄まじい。

 最初から最後まで計算されて作られた物語の流れ。


 この作品の前半がつまらないという視聴者もいますが、その前半があるからこそこの物語が成立するわけです。しっかりとした土台を作ったからこそ後半の展開に説得力があり、そこに込められた言葉に感動するのです。


 キャラクターの台詞もめっちゃいいんですよねー。物語の後半部分なんて最初からフルスロットルだから、ちょっとした台詞でも泣きそうになる。二期の一話目から泣きそうになりました。あれはずるいよ(汗)

 

 個々の要素を見れば格別に優れているわけでもありませんし、ガンダムとしての戦闘シーンも地味な方ですが、登場人物の一人一人がきちんと生きている作品です。


 彼らには彼らの苦悩があり悲しみがある。

 ただの駒ではないからこそ都合の良い奇跡は起きないのです。


 個人的には『物語製作のお手本』として紹介してもいいぐらいの作品ですな。若干消化しきれてない部分もありますが、これだけみっちり情報を詰め込んだ上でのあまりなので仕方が無い部分でしょう。  


 特に『キャラクター配置』が素晴らしいです。

 主人公である『ヒロト』を中心とした対比構造が素晴らしい作りになっています。


『カザミ』も普通ならただのウザいキャラなんですが、彼の行動はゲームプレイヤーとしては等身大の行動でもあります。ただの『ゲーム』だからこそ好き勝手にやるわけです。

 

 だからこそ、彼の発言は誰よりも『視聴者に近い台詞』となっていきます。

 彼はどこにでもいる『ゲーム』で遊んでいるだけの人間なのです。


 そんな『カザミ』の成長もこの作品の見所でしょう。

 彼の台詞は率直なんですよね。だからこそ後半にその言葉の重みが増すわけです。


 同じように見えてまったく違うというのは脚本の巧みでしょうね。物語を通して色んな人間が変わっていくというのがこの物語のテーマでもあります。


 最後まで見終えると間違いなくこの作品が『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』だったと実感できるでしょう。ここまで『テーマを綺麗にまとめる』のも凄いことですよん。


 さて、久しぶりに『ロボ』で熱中してしまいました。最近少ないですしおすし。

 最後まで楽しんだのは『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』以来ですかね。


 ちなみに今回の『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』は、『ガンプラアニメ』というより『ガンプラを利用した異世界召還もの』的な作品なので、それ系の作品が好きな方にお薦めできます。主人公機は『合体ロボ』ですし(笑)


 最初の頃は『これはガンプラアニメじゃねー』と批判を浴びたぐらいです。

 でも、『ガンプラ』はふつーに売れてるようなので結果的に成功したでしょう。


 小生も品薄で入手するのにけっこう苦労しました。

 嵌りすぎて全部買っちゃった(汗)


 棚に飾ってますけどカッコいい。支援機に乗るとか『プラモ狂四郎』を思い出します。改造しなくても今は乗れるんですよ。若い人には分からんネタですね(汗)


『ウォドムポッド』とか珍しいキットだからレアですよん。これを改造して流用する方もいるでしょう。さすがに『ウォドム』の方は出ないと思いますし。


 さて、毎回言っている気もしますが、今回も『OP』と『ED』が良いですね。物語が進むに連れて『歌詞』が心に突き刺さります。物語との調和性が特に素晴らしいです。さいこー。


 めっちゃ見て欲しい作品ですけど、いちおう『ガンダムビルドダイバーズ』の続編なので前作を見てないと分かり難い部分も多いです。


 まあ、前作のあらすじだけを読んでも理解できると思いますが、全部見ているからこそ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』の最終回を見たあとの感動があるわけで。


 小生としては『両方見てね』とは言っておきます。まあ、『ガンダムビルドダイバーズ』もツッコミ所は多いですが面白い作品ですので、細かいことを気にしなければ楽しめると思います。『コウイチ』とか『ツカサ』の部分はめっちゃ好きです。


 あー物語が終わってしまって心にぽっかり穴が開いてしまった気分です。

 面白い作品を見終えた後の寂しさはいつになってもなれませんな。


 でも、11月に『ガンダムビルドダイバーズ バトローグ』が公開されるので今から楽しみです。こちらは短編集みたいな話なので、ぜひ本編でやれなかった部分を補完して欲しいですね。


 というわけでネタバレなしの感想はこの辺りで軽めに。

 次はネタバレありの感想なのでなるべく見てない方は見ないように。


 まあ、いつも通り自己責任です。

 超ネタバレで行くので気をつけましょう。


<続く>

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