読書感想文『カルデアの事件簿 file.01』 感想(ネタバレ)

 いちおうミステリーなので二つに分けようと思いましたが、面倒なので止めました。なので、まずはネタバレしない程度のお話から。


 総括としては面白かったです。さすが『プロ』として活躍している方々だけあって、全ての作品が一定レベル以上あったと言ってもいいでしょう。


『アンソロジー』ってけっこうハズレがあるのですが、今回は全部楽しめました。『ミステリー』としても初心者のために分かり易さを重視しているので、読んでいて頭が混乱することもあまりないでしょう。


 反面、『謎』でおおっと唸るような作品は無かったです。あくまでも『FGO』のキャラクターでミステリー風味を楽しむというのがコンセプトでしょう。


 とは言ってもミステリー部分も手を抜いているわけではなく、きちんと読者の興味を引けるような謎を用意してあるので、その辺りは問題ありません。ちゃんとFGOのキャラクターを利用したミステリー作品になっています。


 まあ、こんなものかな。後はキャラクターのイメージがプレイヤーの抱いているものと違う可能性もありますが、その辺りは広い目で見ましょう。


 あくまでも『アンソロジー』ですから半分お遊びみたいなものです。小生としてはそこまで違和感はありませんでしたが、感じる人もいるかもしれませんのでいちおう。


 でわ、ここからネタバレで一作品ずつ感想を書いていきます。

 根幹的なネタバレはなるべく避けますが、自己責任でお願いします。


 改行

 改行。









<暗黒犯罪天楼マンハッタン>


 マスターたちが不可能犯罪に挑むお話。

『如何にして難攻不落の金庫からお宝を盗み出すか』というミステリー。


 全体的にライトな感じの物語ですが、ミステリーとしての『ロジック』とFGOの人気キャラクターの活躍の両方を楽しめる『最初の一話』に相応しい作品。


 個人的には物語としてもう一押しあっても良かった気がしますが、どちらかというと『ミステリー』を主体にした物語なのでこれはこれで。サーヴァントの活躍が多かったのは良いですね。


 個人的には『牛若丸』が出てくるだけで面白いのですががが(笑)



<土方歳三(と)誘拐事件>


 作者がめっちゃ生き生きして書いてるのが分かった(笑)

 おそらく作者様とぐだぐだの相性が良いのでしょう(爆笑)


 もう『ミステリー』を読んでるって感じではなく『ぐだぐだミニイベント』を読んでるって感じですね。おまけ程度のミステリーで作者としても『重要なのはそこじゃねーよ』と叫んでることでしょう。完成度は高いです。


『オマケ』もギャグに見えてなかなか深い洞察ですね。

 確かにそれもまた『違い』ではあるでしょう。なるほどなるほど。


 

<イシュタルとエレシュキガルの事件場>


『誰がどうやってギルガメッシュを殺したのか』

 というシンプルなロジックミステリー。


『FGO』のシステムなども組み込んでいるので、まさに『FGO』のためのミステリーと言えるでしょう。なので、知らない人が読んだらたぶんよく分からない作品です(汗)


 でも、ミステリーとしては段階的に分かり易く書いてあるので『推理の流れ』というのがミステリー初心者の方にも分かり易いかと思います。


 作品的には『暗黒犯罪天楼マンハッタン』と同じでミステリー寄りの作品です。

『ミステリーとはこういう作品ですよー』という一つの見本になるかと。


 

<少女は籠のなか>


 素晴らしいクオリティでした。

 これは『メイヴ』ファンが増えるんじゃないかと思います。

 

 他の作品と比べて『少女は籠のなか』という作品がずば抜けているわけではありませんが、総合的なバランスが良いです。物語とミステリーが一つに調和して、そこにFGOという世界観を綺麗に当てはめた作品ですね。


 他のキャラクターもこういう風に掘り下げて欲しいです。

 まあ、『土方歳三(と)誘拐事件』もキャラを掘り下げてはいますけど(笑)


 こっちは『シリアス』であっちは『ギャグ』という感じです。いや、どっちも良いですけど、自分の押しのキャラはこういう風に掘り下げて欲しいかなーと思います。


 ある意味では収録された作品の中でもっとも『ミステリー』感が強い作品でもありますね。この感じが『ミステリー』なのです。


  

<Malice or Romance>

 

『プレイ日記』か!(笑)


 いや、全体的に作者の実体験を交えました見たいな感じがあります。

 あと、メタい。


 その分、プレイヤーとしては共感できる部分も多いかもしれません。

 まあ、小生は『女神級』のことなんてさっぱり覚えてませんががが(汗)


 何かイベント的に物凄い不親切だった記憶がありますが、その後のイベントの方が『阿鼻叫喚』だったので記憶が曖昧になりました(大汗)


 でも、確かに小生も『あの頃』に比べてずいぶん遠くにきたものです。

 素材も大量に貯まり、もう困ることは……たくさんあります(遠い目)


 未だに『新素材』のために必死に周回してます。最低でも百個ぐらい無いと使うサーヴァントが出てきたときに一瞬で枯渇するのです。ってか『貝殻』も毎回水着サーヴァントに使うのでぜんぜん足りません(死)


 という感じで全部の物語が『これ』だと困りますが、アンソロジーの中の一つだとなかなか良い感じでは無いでしょうか。たぶん(笑)


 オチは好き。



<統括>


 全体的にバリエーションに飛んでて、一口に『FGOミステリー』と言っても様々な切り口があって面白かったです。


 その中で安易に『メタ』に走らずに丁寧にキャラクターを掘り下げた『少女は籠のなか』が一番良かったと思います。


 まあ、せっかく『FGO』を題材にするのだからそういう独特な部分を物語に組み込みたいというのも分かりますが、『メタ(ゲーム)ネタ』がちょっと多すぎじゃないでしょうかね(汗)

   

 そういう意味では真っ向から勝負した『暗黒犯罪天楼マンハッタン』も良かったです。ミステリーとして評価するならこれが一番かなーと思います。


 とは言っても全体的に楽しめたので、後は好みの問題でしょうね。『イシュタルとエレシュキガルの事件場』も評価が分かれそうな内容ですが、『イシュタル』と『エレシュキガル』が出てくるだけで面白いので後は些細な問題だと思いますん(笑)


 まあ、今回は『FGO』の中でも人気があったり出番が多かったりするキャラクターが登場するのでそれだけでも面白さがあります。


 でも、せっかくなので『FGO』であまり出番が無いキャラクターも使用してくれると嬉しいかなーと思います。誰だろう。『浅上藤乃』だな。出番よこせーい(汗)


『両儀式』もあまり出番ないからね。

 その辺りをメインに誰か書いてくれると嬉しいですかねー。


『イヴァン雷帝』を主役にしたミステリーも面白そうですけど(笑)


 ちなみに『file.02』は来月発売の予定らしいので今から楽しみです。

 作家陣が『amphibian』氏と『日向 夏』氏と『津田 彷徨』氏というどっから連れて来たんだという面子(汗)


 ツイッターを見たら『ページが増えたのは誰のせい』という論争をしててワロタw

 筆が進んでるということは次回も期待できそうですな。


 でわでわ、この辺で。

 バレンタインイベントの周回中でーす。


<完>

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