上手い作家さんの定義
結局のところ。
『上手い』と『下手』というのは根本的な『回路』から違うとしか言えません。
それは例えるならば『子供』と『大人』ぐらいの『差』です。
知ってる知識が違う。
見えてる世界が違う。
常識が違う。
感覚が違う。
経験が違う。
そこにあるのは明確な『断絶』です。
その差を我々は『アマ』と『プロ』と言います。
『プロ』というのは『技術』であり『経験』であり『結果』です。
その多くは常人にとって無駄なことを積み重ねた人間の『果て』でもあります。
この世界は共有されているように見えます。
ですが、そこにあるのは虚しいまでの『断絶』です。
同じ映画を見ても同じ感想を抱かない人間がいる。
同じドラマを見ても両極端な感想を得る。
それらは全て『見えているモノ』が違うからです。
あるいは『己が定義したモノの価値』が違うとも言えるでしょう。
作家の書く物語というのは『その人間が見えている世界の模倣』でもあります。その作家が『人間は全て馬鹿だ』と思っているならば、その作家の書く物語の人間は皆『馬鹿』になるでしょう。
物語を書くために必要なのは『想像力』ですが、その想像力は『無から有をを生み出す能力』ではありません。その『想像力』はあくまでも『自分の見ている世界を物語に落とし込む能力』のことです。
(作家さんに『現実の経験をしろ』というのもこれが理由)
(何かしらの『ベース』がなければたいていの作家さんは書けません)
『天才』というのは我々凡人とは『見えている世界』が違う人間たちのことです。『努力に勝る才能はなし』と天才は語りますが、そもそも我々凡人は『何を努力すればいいのかすら分からない存在』なのです。
ですが、逆に言えば我々凡人でも『何を努力すればいいのか』を理解できればいいわけです。天才と同じ領域に立つことは困難ですが、彼らと同じ土俵に立つことは可能です。
もっともそれが『可能なのか』ということですら個人差があります。
例え『条件』が分かったとしても、それを自分が会得できるかは別問題です。
まあ、まずは『見えなければ話にならない』ということを理解しましょう。上手いと言われたいならば最低限『他者の作品を添削できるレベル』ぐらいは必要です。
なぜならば『自分の作品を添削する』方が何倍も難しいからです。
オーマイゴット。
小生もそうですが、自分の文章と言うのは脳内で補完してしまうため、読者にとって意味不明な文章を書いていたとしても、それを書いた作者だけには理解出来てしまうことがあります。
そもそも『文章が成立していない』作品というのがWEB小説の『最低ランク』です。その上が『文章は通じるけど、物語が成立していない』ですね。
ですが、書いている本人からすればそれで『作品が成立している』のです。
それが彼ら/彼女らの『見ている世界』だからです。
(この辺りは『プレバト』の俳句査定を見ていると分かり易いかもしれません)
(点数が低い人は自分が言いたいことと、表現していることが異なります)
一概にそれが悪いというわけではありませんが、多くの読者に読んで貰いたいならば、できるだけ『作者の作品(世界)』を『読者の世界』に近づける必要があります。
(以前話した『作品の完成度を下げる』という内容もこれです)
(読者にとって理解できない世界の作品を理解することは困難です)
とここまで書いて気付きましたが、具体的にどうすれば『上手い作家になれるのか』という肝心な部分に具体的なことを書いていませんでした(笑)
それが分かるなら『苦労しねーよ』という感じではありますが、まあ、作家さんの世界でもかなり言語化が進んできていますので、多少は具体的な話もできます。
まずは『正しく分析できるようになる』ということです。
つまり、『視る目』を養うことです。
面白い作品を読んで『面白い』で終わってはまったく『視る目』を養ってません。
それは美味しいものを食べて『美味しい』と叫んでいるのと同じです。
本質的には正しいでしょう。
でも、性質的には正しくありません。
重要なのは『何が』です。
例えば『美味しい食べ物』を食べたとき、視えていない人間はそれをただ美味しいと思います。ですが、視ている人間は『何が美味しいのか』ということに気付きます。
掛かっている『ソースが美味しい』のかもしれません。
そもそも使っている『食材が美味しい』のかもしれません。
例えそれが『安いカップラーメン』だったとしても、そこにはそれを美味しくさせるための様々な技術があるはずなのです。
上手い作家さんと言うのはたいてい『作品の評論』ができます。
それは他者を説得できるだけの『理由』を語れるという意味でもあります。
この作品は『ここがこうだから面白いのである』というのを自分の言葉で語れるわけです。逆に面白くない作品だったとしてもその『理由』をしっかりと語れるはずです。
彼らは『何となく面白い』なんてことは言いません。
まあ、たまに言いますが、その場合は彼ら自身が『理解できていない』だけです。
中には『面白い理由』と『面白くない理由』が同じなんてこともあるでしょう。
同じモノを視ながらまったく違う感想を得るというのもよくある話です。
ともかく『理解しろ』ということです。
最近では『鬼滅の刃がなぜ面白いのか』ということを考えても良いでしょう。
ネット上にたくさんの感想がありますからね。
そういうのを読んで理解を深めることも大切です。
ヒットした作品にはヒットしただけの理由があります。それが『外部から付加価値』の場合はあまり勉強にはなりませんが、たいていは『作品自体』に何かしらの面白い部分がありますので、そこを見抜けるようになりましょう。
もちろんそれを『理解』したとしてもすぐ『想像力』で自分の物語に落とし込めるわけではありません。
ですが、自分が凡人だと思うならば『理解』しないで書けるほど優秀では無いと『理解』しましょう。
知識は武器です。
経験は鍛錬です。
できるだけ『正しい努力』を心掛けましょう。
カクヨムで馬鹿やってる小生ですら変化するのですから、もっと真面目にやれば『いろんな世界を見ること』ができるようになると思われます。
まったく『継続は力なり』と言ったもんだぜ。
まあ、分かり難いならば自分のことを『機械』であると考えましょう。
機械には明確な『スペック』があります。
本来その『スペック』以上のことはできません。なので、それ以上のことをしたいならば自分を『バージョンアップ』させる必要があります。場合によっては新しい機能を追加する必要もあるでしょう。
それが『学ぶ』ことです。
我々のようなくそ凡人は自分の限界にぶち当たったとき初めて、学ぶことの大切さを知ります。若者は『勉強』という言葉を馬鹿にしますが、『ナニカになろうとする者』は下手すると死ぬまで『勉強』をし続ける必要があります。
知ってますか?
年をとるだけでは賢くはならないんですよ。
アンビリーバボー。
むしろ年をとればとるほど、人間としての『スペック』は劣化します。
記憶力は衰え、感性は錆付き、理解できないことが増えてきます。
それを補えることこそ『学習』であり『経験』です。
若者が年寄りから学べることはたくさんあり、年寄りが若者から学べることもたくさんあります。だからこそ我々人間は死ぬまで面白いのだと思います。
学ぶことを忘れたとき、そこに広がるのは『絶望的な断絶』です。
この世界にはその『断絶』が無数にあります。
『理解できないから殺してしまえ』
人類が背負う原罪の一つ。
いつか遠い未来でその業から脱却する日は来るのでしょうかね。
そう嘯く小生ですらまったく脱却できてません。
やれやれ、人間の世界と言うのはまったく持って『奇妙奇天烈』ですな。
オタクである小生なんぞ、民衆が拒絶すれば抹殺される側なのですから困ったものです。だからと言って、表現の自由を武器に暴れまくる確信犯も嫌いだから更に困ります。
最近ではスマホゲーが『悪』みたいな論調もあるので更にこまりんぐ。
てめーら『無課金』で一年プレイしてから言ってみろやこらー(笑)
むしろ『スマホゲー』は『無課金』でプレイするのが一番面白いです。難易度も自然と高くなり、高難易度を時間を費やしてクリアーしたときの恍惚感は素晴らしい。
でも、最近は金より時間が無いので課金しちゃいますけど(汗)
時間が余ってる人々はぜひ『無課金』で無駄な時間を費やしましょう(げらげら)
でわ、関係ない話になってきのでそろそろ退散。
まずはしっかりと『視る』ことから始めるのじゃぞ。
人間は『見ている』ようでまったく『視ていない』生き物です。
そのため意識を切り替えるだけで『視える世界』が変わることもあります。
物語の中で主人公が何かに気付いただけでパワーアップすることがありますが、現実の世界でもそれはあります。自分の中の認識をたった一つ切り替えるだけで、世界の在り方が変わるというのはなかなか面白い経験ですよ。
小生も何度かそういうことを経験しているのでこれは嘘ではありません。
良くも悪くも人間と言うのは変化してしまうものです。
善人が悪人に。
悪人が善人に。
詐欺師がかつての友人ということもちらほら。
良い人だった誰かがただのくそ野郎になったときの虚しさ。
小生が『青春ミステリー』が好きなのも、そういう虚しさを知っているからかもしれません。自分が視ていなかった場所にこそ悪魔が潜んでいたのだと。
人の『悪意』もまた物語にとっては魅力的な題材ではあります。ただあまりそちら側に踏み込むと『人間不信』になるかもしれないのでお気をつけてください。
はい、エンドレスに終わらないので終わり(汗)
次は軽めの雑談にしましょう。今期のドラマとかアニメの話ですかね。
<完>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます