『デス・ストランディング』 感想3(超ネタバレ)

 誰が読むのか分からない文章を書き続け三つ目。

 三つ目と書くと『三つ目がとおる』を思い出すのはなぜでしょう。


 そして、三つ目だと漫画の『サザンアイズ』ですね。当時めっちゃ嵌った。嵌り過ぎて最近出てる続編を読むか迷ってるぐらいです(汗)


 という緊張感を和らげる前説的な会話は置いといて。

 いや、『獣魔術』のカッコ良さとか語ると長くなるんですヨ(笑)


 さて、前回『主人公であるサムは最終的に全ての繋がりを失う』というところまで書きましたので、その続きです。『どうなる主人公以下続編』(爆笑)


 まあ、これは『アメリカドラマ』とかの手法ですね。だいたい最終回でメインキャストが刺されたり撃たれたり事故にあったりするという伝統芸。ギャラ交渉に失敗してそのまま退場というケースもあります(汗)


 もちろんこの作品は『日本製』なのできちんと終わりまで描かれています。

 もっとも『日本製』でも打ち切りエンドは多いですけど(オチ)


 でわ、そろそろ真面目にやりましょう。


 旅を通して『サム』は全ての繋がりを失います。 

 彼は一つの命として繋がっていた『BB』の存在すら失ってしまうのです。


 ですが、逆に言えば彼はもう一度選ぶことができるようになりました。

『何と繋がるべきか』を。あるいは『何と繋がりたいか』ということを。


 最終的に彼が選んだことは『BB』と『生者として繋がる道』でした。

   

 そして、それは同時に『死者との繋がり』を忘れ(弱め)、『社会との繋がりを断つ』という意味でもあります。


『BB』を蘇らせることは『BB』を一人の別の人間であると認めたということであり(身代わりではありません)、社会が決めた『BBの破棄』という命令に背いているからです。


 サムが選べる選択肢は三つでした。


『BBを処分し、社会の中で繋がり続ける道』

『BBを処分し、死者との繋がりを忘れない道』


 そして『BBを生き返らせ、個(人)としての繋がりを選ぶ道』


 その中で『サム』が選んだ道は『個として生きる道』だったわけです。 つまり、その時点で彼はこの物語の中で『個として生きる人々の象徴』になりました。


 結果だけを見れば『社会の繋がり』を繋いでいたはずの彼が『分離(破壊)主義者』に近い立ち位置になるというどことなく皮肉的な結末です。


『サム』は『社会の義務(権利)』を放棄し『個人の権利』を選んだのです。

『国の英雄』であることよりも彼は『個人の幸福』を望んだわけです。


 そして、その逆にいるのが『ダイハードマン』です。尊敬する人間も、復讐される権利も失った彼は『社会の繋がり』の象徴として『大統領』に就任します。


 だから、『ダイハードマン』は『BBの処分』を選んだわけです。

 それが『個』を捨て、『社会』に奉仕するということだからです。


『サム』に謝罪したはずの『ダイハードマン』が『サム』にとって大切な『BB』を平然と処分させるというどことなく気味が悪い構図。一言も言及してません。


 作中で表現されている中では『BBの処分』に対して抵抗を試みた人間は『サム』ともう一人『デッドマン』だけです。その『デッドマン』もこの物語に置ける象徴的存在と言えるでしょう。

 

(もっとも『BBの処分』に関してどの程度の人間が知っていたかは不明です)

(手錠のことを考えると『ママー』辺りが協力していた可能性はあります)

(『ダイハードマン』が『サムがBBを大切にしていた』ことを知らない可能性も)


(どっちにせよ『ダイハードマン』と『サム』そこまで繋がっていないでしょう)

(謝罪のときの会話からも二人が擦れ違っている様子が理解できるかと)

(サムが自分の正体に気付いたのは謝罪された後です)


『デッドマン』は『サム』のように『社会』から飛び出すことはできません。

 ビーチを持っていない彼は『社会との繋がり』が重要だからです。


 ですが、今回の旅を通じて彼は『サム』や『BB』と『個としての繋がり』を得ることができました。それもまた彼にとっては『大切な繋がり』だったのです。


 そのため自分に出来る範囲で『サム』たちを手助けします。もっとも最初はその意味が『サム』に通じていないような感じではありましたが(汗)


 彼が選んだのは第三の道です。『個として社会と断絶する』わけでもなく『社会の中で個を失わせる』わけでもない。


『社会の中で個を保ち続ける』というある意味もっとも難しい道。

 それを選んだのが『デッドマン』になります。


 そして、この三つの道はこの物語において彼らが初めて歩んだわけではありません。それは過去に『ブリジット』『クリフ』『ジョン』の三人が示した『在り方』の続きなのです。


『アメリカという国のために多くの個を犠牲にしたブリジット』

『世界に救うという偉業に協力しながらも、あくまでも個として行動したクリフ』

『己の個を国(人)に捧げながらも、恩人に報いようとしたジョン』


 ですが、この三人の道は全て『失敗』に終わります。最終的に『ブリジット』はアメリカを救えず、『クリフ』は家族を守れず、『ジョン』は恩人を殺してしまう結果を招きました。


 それでも彼らが残した『選択』は未来へと繋がり、『デス・ストランディング』という物語の中に救いを齎します。


『ブリジット』と『ダイハードマン』

『クリフ』と『サム』

『ジョン』と『デッドマン』


 それぞれが同じ立ち位置から『失敗と成功』に分かれている構造です。

 これらの『どの道が正しいのか』というのは作中では言及されていません。


 全ては『これから』だからです。


『サム』は『BB』を失い、再び『死者』に囚われるかもしれません。

『ダイハードマン』は『国』のために多くの『個』を犠牲にするかもしれません。

『デッドマン』の『個』としての選択が『社会』を崩壊させるかもしれません。


 もしかするとそこには『ラスト・ストランディング』を迎えるよりもずっと『悲劇的な未来』が待っている可能性すらあります。『ブリジット』たちが失敗したように彼らもまた失敗する可能性を持っているのです。


 この物語における『ラスト・ストランディング』は『安楽死』でもあります。

 悲劇的な未来を確実に回避し、次の種へと希望を残すための確実な手段。


 それを選ばず、人々の今を守ることを選んだのは『旅をしてきたサム』であり『彼を見守ってきたアメリ』です。


(この辺りの解釈は難しいです)

(選択肢を与えたのが『アメリ』で)

(選択肢を選んだのが『サム』という関係でしょうか)


 人は皆いずれ『死』に、生命体は必ず『絶滅』します。

 でも、それまで歩いてきた道が全て無くなるわけではありません。


 それは後の『命』が『人類の痕跡』を見つけたとしてもきっと理解できないことででしょう。それは『今』を生きる人々にしか理解できないことなのです。


 例え『死者』との繋がりを失ったとしても、『彼女たち』と繋がっていたことはけっして無くならないのと同じです。あの世とこの世に別れたとしてもそれは変わりありません。


 何かを得て、何をか失い続ける。

 それが生きている者の『権利』と『義務』と言えるでしょう。


『デス・ストランディング』という物語は『生者と死者の繋がり』を描きながら、『個と社会』という生きている人間同士の繋がり方も描いた作品だと思います。


 それはもしかすると『生きる』という単純な一言に集約されるかもしれません。

 

 さてさて、そんな感じの物語だったと思いますよーん。まあ、いろいろと問題点はありますけど、テーマを中心に考えると面白かったです。


 もう一度プレイしたいとは思いませんけど(汗)

 その辺りも『年間ベスト』を取れなかった理由ですね。


 やはり『年間ベスト』を取るような作品はもう一度始めからやりたくなる作品が多いですし。あくまで個人的な評価に過ぎませんけど。


 ので、こちらを選ばず『スターウォーズ』のゲームを『年間ベスト』に選んだとしても石を投げないで下さいね(汗)


 でも次は『FGO』の感想です。

 時間が空いたから急いでかかんとす。


 その次は『最近買った本が曲がってる件について』かな。

 こちらは小ネタです。


 でも、その前に買った本も読まんとね。

『魔眼』もまだ読めてないし。


 もう読書ペースが亀になっとらんか。

 最近はドラマを見るので忙しくて。


 まったく期待してなかった『グランメゾン東京』が面白かったので困る。

 何と言うかこういう『敗者たちのリベンジ』みたいな作品がわりと好きです。


 まあ、その辺りも機会があれば感想を書くかもしれません。

 ぜんぜん時間が足りないですけど(大汗)


 はぁー。

 急いで『FGO』の感想だけでも仕上げよう。


(注:まだ一行も書いてません)


 でわ、また近いうちに。


<土爪!>

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