漫画版『師匠シリーズ』終了(ネタバレ)

 2018年の『アワーズ』五月号にて完結。

 終わりと始まりが描かれた見事な最終回だと思いました。


 そこにあった日々が終わってしまった瞬間。

 共に過ごした時間が嘘であったかのように、全て消えていく。


 誰にでもある青春の1ページ。

 終わってしまえば、取り戻すことはできない大切だったモノ。


 何も理解していなかった無知の時間。

 それでも決別した道が交わることはもうありません。


 一人は向こう側の世界へ。

 一人はこちら側の世界で。


 取り残された者は、一人で自分の道を歩むしかないのです。

 それはかつて『師匠』と呼ばれた人物が歩んだ道と同じ道。


 別れがあれば、出会いがある。

 一つの物語が終わっても、人生は続いていきます。


 前とは同じようで、まったく違う別の物語。

 

 ナニカを得て、ナニカを失い、また歩き出す。

 終わるその日まで、人の生き方とはそういうものなのです。 


 まあ、それはさておき。

『主人公』と『音響』で新シリーズをやりましょう(笑)


 ネット版とは時系列が違いますが、それはそれで。

 ネット版でもあまりこの二人の話は語られていないので、ぜひ。


 漫画版は『師匠』と『主人公』の関係性に絞って書かれていますが、ネット版ではもっと様々な事実が描かれていますので、興味がある方はそちらもどうぞ。まあ、複雑になり過ぎて離れたファンもいるようですが(汗)


 まあ、『師匠シリーズ』はいろんな楽しみ方ができる物語ですので、それを段階的に味わっていくのが最善の楽しみ方でしょう。最初は掲示板に書かれた怖い話だった。『師匠』は変人で失踪してしまった。それが入り口です。


 ま、『師匠シリーズ』をまったく知らない方がこの文章を読んでいるとは思えませんが、あそこにしか存在しないナニカを体験したいならば、読んでみましょう。それはかつて小生が画面の奥に感じたものでもありますヨ。


 とりあえず、これで『師匠シリーズ』の商業は終わりかなーと思います。

 とても面白い作品なのですが、時代に合わなかったのでしょうね。

 昔よりもホラーというものに、人が興味を持たなくなってきた印象はあります。


 科学の光は確かに闇を払いました。


 ですが、人の心に闇があったはずなのです。

 今ではその闇すらどこかに消えてしまいました。


 いや、違うな。

 その闇が形を持って存在しているのが、今の世の中なのでしょう。


『この世で一番怖いのは人間だ』


 使い古された言葉ですが、なぜか今ならばそれが実感できます。

 物理的な怖さではなく、人間のナニカが怖くなったような気がするわけです。 


 まあ、それでも『ホラー』を楽しむのが小生スタイル。

 物語と現実を一緒にしちゃいけませんぜ(笑)


『ベイル・マーカス』は面白かったですし、『山内くんの呪禁の夏。』も好きです。未だにネット上で怖い話を読んだりしてますし、ホラー投稿サイトなんかにも顔を出します。


 怖いのは好きじゃないし、自分が怖い目に遭いたいとも思わない。

 ただそういうものを覗きたくなる。恐ろしいものがあるのだと知りたくなる。


 うーん、矛盾した行動ですが、人間なんてそんなもの。

 それだってたぶん小生の中にある闇の一部だと思いますヨ。


 人間って面白いんです。

 だから、小説も面白いと言えます。


 それを理解できる作者様の方が、たぶん面白い小説を書けるでしょう。


 どれどれ、久しぶりにネット版の『師匠シリーズ』を読み直すか。

 怖い話を読むならやはり夜に限りますな。


 けっけっけっけっ。


<悪夢>


 

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