読者の感想

 えー、三回連続で感想を書いたわけですが、読者の感想と言うのは基本的に自分勝手であり、利己的であります。真面目に受け取りすぎると、たいていの作者様は自己崩壊をしますので、くれぐれもご注意ください。

 

 なら、書くなっつー話ですが、小生の場合は感想というのは作者に向けたメッセージではなく、自分の好みの『答え合わせ』みたいなもんです。


 小説など読んでいると、こう何か『引っかかり』を感じたりします。

 それは『登場人物の言動』だったり、『唐突な展開』だったり、いろいろな部分なのですが、その『引っかかり』を感じると、小生は物語から現実へと引き戻されてしまうのです。


 よく言われるのが、『医療関係者』が『医療ドラマ』などを見ると嘘っぽくて楽しめないというようなことはけっこう聞きますね。あと『警察』が『刑事ドラマ』を見て、捜査の仕方がちげーよとか。


 物語と言うのは基本的に『嘘』であり、多くの作品は専門的知識が無いような方々にも理解できる(楽しめる)ように作られます。


 そのため、嘘(現実との違い)を見抜けるだけの知識がある方が見た場合、その箇所が『リアリティ欠如』と判断され、作品の評価が下がってしまうことがあるのです。

 

 まあ、これも『現実とは違う作品』を楽しめないという『読者の好み』の問題になります。嘘だと気づかない人もいれば、嘘だと分かりながらも楽しめる人もいるからです。


『リアリティが無い』という言葉は便利で、多くの作品を批判するために使用された言葉です。これを追求すると『リアリティとは何ぞや?』という話になるので今回はカット。


 こんな感じで作品に『引っかかり』を感じるというのは、結局のところ『自分の好み』とは違う場合が多いというわけです。


 そもそも作品の全てが自分の好みと合えば、そんな引っかかりなど感じずに、最初から最後まで『面白かった』で終わりっすヨ。


 ここがこうだから『面白かった』

 ここがあれだから『面白くなかった』

 ここをこうすれば『もっと面白くなった』


 これを変換すると、


 ここがこうだから『自分の好み』

 ここがあれだから『自分の好みと違う』

 ここをこうすれば『もっと自分の好みだった』


 というようになります。

 つまり、多くの読者が自分の好みだけを基準に感想を語るわけです。

 ただの極論ですけどね(笑)


 あと、小生はあまり気にしないのですが、中には作者様が嫌いだから作品も嫌いという方もいますね。ま、それも『自分の好み』でしょう。


 そんなこんなで、小生にとって感想を書く(考える)という作業は、自分の好みを理解していくための作業でもあるのです。それを『フィードバック』して、次読む作品を探すときに生かすわけですな。作者の場合はそれを創作に変換することも。


 うーん、小生も感想を書くときはいちおう『客観的(論理的)』な考え方もしますが、物語を楽しむというのは『主観的』なので、感想も『主観的』なものが主体になってしまいますね。どうしても『好み』の比重が大きくなってしまうわけです。


 ただ『客観的評価が高い』=『面白い作品』ではないと思ふ。

 それは『上手い作品』=『面白い作品』ではないからかとー。


 正確には『上手い作品』=『下手な作品よりも面白い確率が高い作品』かな。

 読者が主観的である以上は、まあ、にんともかんとも(汗)


 よし、結論じゃ!


『感想というのは自分の好みを把握する方法の一つ』

『でも、それはあくまでも現在の好みであり、数年後には変化しているかも』

『数年後に読み返したら面白かったということも度々ありますよ』

『最上の感想は面白かったという一言』

『でも、それは自分だけの感想なので、後付で別の感想を考えるわけですな』


 デス。

 ちなみに『作品の客観的評価』と言うのは、主に作品を読み終わった後に、振り返って構造を分解したときの評価ですかね。


『作品のテーマ性』だったり、『登場人物の関連性配置図』とか、一つの作品としてどれだけ『完成度』が高かったか、という評価です。たぶん。


 一読者から見れば『完成度が高い作品』でも『面白くない作品』があったり、『完成度が低い作品(未熟な作品)』でも面白い作品があったりします。完全無敵にややこしいです。


 うん、面白さって何だろうね?

 わかんねーや(大爆死)


 読者は自分自身の面白さすらよく分からないのだから、作者様は大変ですよねー。地図はあるけど、目的地が分からないという感じでしょうか。


 というわけで、次回は『感想を受け取る作者様へ』というお話を。

 ま、そういう話です。


<考えるな。感じるんだ。でも、少しは考えようね読者諸君>

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