感想を受け取る作者様へ

 タイトルを忘れて、前回の話を確認したのはここだけの秘密だそ。

 ちょっとだけ修正しましたけど(笑)

 

 というわけで『感想を受け取る作者様へ』です。

 さて、ある程度『作者歴』がある作者様は経験したことがあるかもしれませんが、読者の感想を全てまともに受け取っていては身が持ちません。


 今のようにネット社会が発達していなかった頃は、編集部の方々が作者様に届くファンレターなどを検閲し、作者様のやる気を削ぐようなものは一切見せなかったという話を聞いたことがあります。真実かは知らん。


 ですが、今ではネット上で簡単に作品の感想を探せる時代です。

 特にWEB小説家は読者から直接感想を受け取ることも多いため、事前にある程度の心構えをしていないと、剛速球の感想が突き刺さることもよくある話。


 例えば今まで作品を褒めてくれていた読者が、ちょっとでも小説の展開が気に入らないと、物凄い暴言を言ってくるというケースが以前ありました。もうびっくりするぐらいですよ。


 そこに客観的な意見は一つもなく、ただ自分が気に入らないという理由だけで作品を徹底的に貶すのですから、作者様側としては困ってしまうわけです。


 こういう例が珍しいかと言うとそうでもなく、暴言のような感想を書く読者はけっこういます。中には『こんな作品を楽しんでいる読者も馬鹿だ』みたいなことを書く方もいたりします。カオスです。 


 その点、カクヨムの感想は平和でいいですね。

 終わり(結論)。いや、終わらんけど。


 そんなわけで、物凄い真面目な作者様がいると仮定して、その方が全ての読者の感想をちょー真面目に受け取っていると、まともに作品を書くことができなくなる可能性が高いです。


 それを防ぐためにも必要なのは『感想の取捨選択』です。

 その感想(批評)が自分にとって『必要か』『不必要か』ということを作者様が判断して構わないのです。


 こう書くと『読者の感想を選ぶなんて作者の傲慢だ』という方もいるかもしれませんが、『感想の取捨選択』をした結果に責任を持つのは作者様本人であり、それは読者の『無責任な感想』と対になる権利だと、小生は考えます。


 この場合のポイントを『作品を読ませる相手を選ぶ』のではなく、あくまでも『作品を読んだ感想』から『作者様が必要なもの』を選ぶだけです。


 極端に言えば、始めから読者の感想なんて求めていない作者様もいますし、読者の感想なら全て受け入れるという作者様もいます。まあ、後者の場合は受け入れるだけで、それを参考にするとは一言も言いませんけどね。


 感想にもいろいろ種類があってややこしいのですが、今回はカット。

 感想と批評の違いみたいな感じですかね。

 いや、どう違うのか小生もよく分かりませんけど(汗)


 さて、ここからは小生が今まで見た来た『作者様の分類』を例として挙げたいと思います。読者の感想をどうのようにして受け取るのか、という分類です。なるべく大雑把に書きましょう。ええ、その方が分かり易いですし。



<(都合の)良い感想のみ受け取る>


 作者様のやる気ゲージましましの選択肢です。

『面白いと思わない読者』や『好みに合わない読者』の感想は全て切り捨てます。


 利点は『執筆活動が楽しくなる』

 欠点は『作品の欠点に気付き難くなる』


 趣味の作者様向け。

 プロがこれをやると、編集者の意見すら切り捨てる場合もあるため、自滅してしまう危険性を伴います。まあ、売れっ子の場合はまた別ですけど。


 

<全ての感想を受け入れたうえで、まったく気にしない>


 全ての読者の感想を受け入れます。

 でも、受け入れるだけで基本的にはあまり影響されません。


 作品の欠点を指摘された場合も、あくまでも自分がそれに納得できたときのみ修正したり、次の作品に反映させたりするタイプの作者様です。


 利点は『読者の感想に揺るがない』

 欠点は『自分の考えに固執し易く、作風を変えることが困難』


 このタイプの作者様はすでに己の作風(好み)を確立させていることが多く、ぶれ難い作品を書くことが多いです。


 但し一度『負のスパイラル』に突入すると、そこから抜け出すことが難しくなり、最悪の場合『わしの作品を理解できない読者が悪い』という結論に達してしまうかもしれません。


 そうならないように、なるべく『面白いと思う読者だけ読むべし』という鋼の心を入手しましょう。そうなれば読者と『ウインウインの関係』になれます。


 

<全ての感想をまともに受け取る>


 WEB小説家としては危険です。

 このタイプの作者様が読者と言い争いになり、執筆を止める切欠となった事例があります。ご注意ください。


 利点は『きちんと対応できているなら様々な意見に触れることができる』

 欠点は『きちんと対応できないと小説そのものが書けなくなる』


 WEB小説初心者の方に多めですね。

 特に自分の作品に自身が無い方は、読者の意見をすぐに受け入れてしまい、自分の書きたかった作品を見失いがちです。


 まずは自分がどんな作品を書きたかったのか己で理解し、それに役立ちそうな感想(批評)を『取捨選択』できるように頑張りましょう。



<全ての感想を受け付けない>


 予め読者の感想をシャットアウトする作者様のことです。

 もちろんレビューも見ませんし、応援コメントも受け付けません。

 中には読者が読んだかすら気にしない作者様もいます。


 利点は『ただ自分の書く作品のみを自分で追求できる』

 欠点は『第三者の意見が聞けない』


 まあ、知り合いに感想を聞く作者様もいるようなので、一概に第三者の意見が無いとは言い切れません。


『全ての感想を受け入れたうえで、まったく気にしない』という作者様をもっと追求した形になりますね。WEB投稿サイトをただの作品置き場として割り切っている作者様もいるようです。


 読者が面白くないと言っても、『知るか』というタイプの作者様でもあります。『俺が書きたいから書いてんじゃー』タイプです。WEB小説家にはそれなりにいますね。読者に読ませるのはあくまでも『おまけ』ということです。



<最初から作品の推敲目的>


 これはちょっと特殊なタイプで、予め読者に作品を評価してもらう目的でWEB投稿サイトなどに載せる作者様です。主にどこかの新人賞などに投稿する前に、作品に他者の評価を取り入れようとする試みです。


 そのため単純に『面白かった』『面白くなかった』という感想よりも、具体的かつ客観的な評価を求める傾向があります。


 利点は『自分では気付かなかった作品の欠点が見つかり易い』

 欠点は『その評価を評価できる視野がないと、ただ迷走するだけ』


 他人の意見を取り入れて作品が悪くなるということもあるので、最終的には自分で判断することが必要になります。


 読書力が高い身近な知り合いの方が、良い(具体的かつ信頼できる)評価を聞けることが多いので、頑張って探すのです勇者よ。


 

 ここまで。

 他にもあったような気がするけど、書いているうちに忘れた(忘)


 まあ、たぶん、おそらく、大まかには分類できたんじゃないでしょうか。

 もちろん他にもいろんなタイプの作者様がいるわけですが、『アマチュアとプロ』でもかなり対応が違うので、後はカット。作者様の年代によっても、対応が大きく異なるでしょう。


 他にもツイッターとか、ブログとか、エトセトラ。

 今の世の中はややこしく、ファンレターしか無かった時代は平和だったのだと思いますよ。


 今の時代は感想を言いたい放題、書きたい放題。

 良いものもあれば、悪いものもあり、しっちゃかめっちゃか。

 多くの人々が『誰かの意見に流される』時代です。


 小生だってその一人ですが、まあ、それでも自分が面白いものぐらいは自分で判断したいもんですね。


 でも、その判断だって絶対と思ってはいけません。

 自分が面白いと思えば、誰かが面白くないと感じる(かも)。

 自分が面白くないと思えば、誰かが面白いと感じる(かも)。


 ま、実にややこしいわけです。

 マジでややこしいので、もう全部『ぽいっ』しましょう(笑顔)

 

 考えるなというわけではなく、ある程度考えた後に、考えるのを止めるわけですな。考えれば考えるほど、分からなくなるのが世の中の常です。答えが出ない疑問はたくさんあり、だからこそ物語が存在しているとも言えます。

 

 いろんな感想があります。

 いろんな意見があります。

 ならば、最後は自分がどうしたいのか、ということでしょう。


 面白いと言ってくれた読者を信じて進むもよし。

 面白くないと言った読者の意見を参考にするもよし

 読者の感想を聞かず、己の感覚だけを信じるもよし。


 ま、そういうことでしょうな。

 たぶん似たようなことを前にも書いた気がしますけど(汗)

 では、結論。


『自分で決めなさい』

『もしくは信頼できる読者を見つけなさい』


 完結で素晴らしい結論じゃないですかね(笑)

 作者様は最終的には自分で決断するしかないんです。

 

 己の作品に対して責任を持つのは、

 顔も知らぬ無数の読者ではなく、

 たった一人の作者様ですから。


 いや、作者が複数いる場合もありますけど(オチ)


<テーマの使い方に続く>

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