小生とミステリー 第三夜

 本編を始める前にカクヨム大賞作品の一作


『ヒーローは眠らない』


 本日(公式の)発売日でございます(祝)

 他の作品より早いのは、発売日を合わせるよりレーベルの発売日を優先したということでしょうかね。まあ、結果として見事抜け駆けです(笑)


 カクヨム大賞作品に興味がある方は手を出す可能性がありますね。

 だって、他の大賞作品発売してねーもん(笑)


 本来なら後から取り上げる予定でしたが、よく考えるとこの『ヒーローは眠らない』もミステリー要素とは無関係ではないため、話題にすることにしました。


 まあ、細かい話はまた後で(たぶん)ということで、今日は終わり。

 今日のお話は『ミステリー界のフェア・アンフェア論争』ということで。いつも通り『てけとー』にお付き合いくださいな。


 では、まずは『フェア』『アンフェア』という言葉が何を示すのか、ということから説明してみましょう。


 ミステリー小説における『フェア』というのは、提示された不可解な謎に対して、結論として語られる答えが(読者にとって)適切である場合です。『アンフェア』はその逆となります。つまり、不適切だった場合ですね。


 たぶん正確に言うと違う意味なのですが、今はミステリー小説と言ってもたくさんの種類があるので、これでいいかなーと思います(汗)


 そもそも『適切な答え』『不適切な答え』とは一体何なのでしょうか?


 この疑問に対する答えも簡単に言ってしまえば、『読者が納得するか、しないか』ということに集約されると思います。

 

 読者が納得すれば、それがどんな答えであろうと『適切』であり、読者が納得しないなら『不適切』となります。理不尽だと怒る方もいるかもしれませんが、完璧なミステリー小説というのはなかなか存在しないため、作者が気付かなかった論理的ミスを許容するか、しないか、という問題でもあるのです。


 ミステリー小説というのは基本的に自由なのです。


 どんな謎を用意しても構いません。

 どんな答えを披露しても構いません。


『但し読者がそれを納得してくれれば』というたった一つの条件が付きます。

 逆に言えば、どんな内容であれ、読者がそれを受け入れるならばミステリー小説として成立していると言えるのです。


 ですが、これだと作者も読者も困ってしまいます。

 読者が読み終えるまで、その作品がミステリー小説として成立しているのか分からないからです。作者が『これはミステリー小説だ』と叫んでも、読者がそう思うのかはまた別の問題なのですよー。


 そこで登場するのが『暗黙のルール』という奴です。

 これは作品ごと、作品のミステリージャンルごとに違う場合も多く、そもそも存在しないこともあるので、簡単に説明することは難しいのですが、推理小説(犯罪小説)を書くためのルールとして提唱された『ノックスの十戒』や『ヴァン・ダインの二十則』などが有名ですね。


 その中の一例として『犯人は物語の当初に登場していなければならない』という文章があり、これは『作中でまったく触れられていない人物を犯人にしてはならない』という約束事でもあるのです。

 

 そりゃ推理小説(犯人当て)の解決編で、今まで一度も登場しなかった人物が犯人だったら読者は怒りますよ(笑) これが『アンフェア』です。


 こういう『暗黙のルール』というのは、基本的に読者がミステリー小説を楽しむためのものです。謎に対する答えというのは、本来無数に存在してしまいます。そこに予め枷を嵌めることによって、それぞれが納得し易い答えを作り易い環境を整えることができるのです。


 ですが、この『暗黙のルール』というのも必ずしも守る必要はなく、結局は『読者が納得』してくれればいいのです。あくまでも、ルールを守れば納得し易いというだけの話ですね。


 ちなみに『暗黙のルール』はけっこう破られるものなので、作中で決まりごとをきちんと説明する推理小説もあります。


『犯人は一人である』

『作中で全てのヒントは語られた』

『読者は名探偵と同じように、論理的に答えは導き出すことができる』


 このような文章は『読者への挑戦状』とも呼ばれ、作者自身がこの作品は『フェア』であると自信がある場合などによく使用されます。これから先が解決編ですよーという合図でもありますね。


 こんな感じでルールがあるようで無いのがミステリー小説の世界で、そのため『フェア』『アンフェア』というのは、例え同じ作品だったとしても、読者によって変わる場合があったりします。


 まあ、そもそも普通のミステリー小説では『フェア』『アンフェア』という言葉自体使いませんけどね(爆死)


 だいたいは犯人当ての推理小説の場合だけですかね。

 でも、どのミステリー小説でも『答え』の部分で読者を(ある程度)納得させなければならないため、本質的な問題は同じです。『キャラミス』だって答えを適当に用意すればいいというわけでは無いのですよー。


 謎に対する答えが適切ある。『フェア』

 謎に対する答えが不適切である。『アンフェア』


 ま、読者は難しいことを考えず、自分の判断でいいのですよ。

 大変なのは作者様ですな(汗)


 何かミステリー小説を作る難しさばかり語っているような気が(死)

 まあいいや。では、まとめ。


『暗黙のルールは読者を楽しむためのもの』

『暗黙のルールを破るのも読者を楽しませるためのもの』

『最終的にそのミステリーの価値を判断するのは読者自身なのです』


 かなかなかなかな。

 何か段々何を言ってるんだか分からなくなってきたなー(大汗)


 小生の語る言葉自体がミステリーなのでございます。

 では、第四夜で会いましょう。


<ダイニングメッセージ(偽)>

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