第5話

『暗号解読』


燃え上がる小屋。

俺はその前で呆然と立ち尽くしていた。

まさか、本当に……


小屋の周りでは、数戟管理委員会が、必死に消火活動をしている。


「中に人がいないか早く確認するんだ!」


黒子の一部が大きな声で叫んでいる。

小屋が崩れる音もしているのに、俺にはどこか遠くのように聞こえる。


話は、1時間半前にさかのぼる。


***


小屋問題に正解した俺は、セミナーハウスを飛び出した。

爆弾の仕掛けられた13の小屋。

その5、9、12の小屋に妹たちがいる。


急いで救出しなければ。

1時間半後、最後の小屋が爆発する。

地図を見て、俺は方向を確認する。


ここで、絶望的な事実に気がついた。

――小屋が離れすぎている。


1から13の数字を1つの円上に等間隔に並べた場合、ほぼ5の反対側に12があり、9は、5と12の中間に位置している。

当初、1つの小屋に対して30分と仮定していたが、この3つの小屋の配置では、それではおそらく不可能だ。


――巡回セールスマン問題。

「与えられた点をちょうど一度ずつ通り、出発地に戻るような最短経路を求めよ。」


巡回セールスマン問題とは、計算が難しいとされる組合せ最適化問題の1つだ。

セールスマンが、たくさんの都市を訪問する時に、どういう順番で巡れば、一番短い総距離で行けるか?ということが由来となっている。


俺が今置かれている状態もこれに似ている。

5、9、12の小屋をすべて廻らなければいけない。

そして、なるべく素早く、つまり、短い距離でだ。

例えば、

5→9→12

の順で、円を時計回りに回るような経路もあるし、

5→12→9

のように、円を横切るように回る経路もある。


いずれにしても、経路の数は有限だから、そこには最短の距離が存在するはずだ。


一般的な巡回セールスマン問題だと、解くのは難しいが、今は3点しかない特殊な場合だ。

まず、小屋どうしの移動コスト、つまり距離について考える。


これは円の弦と弧の長さを考えれば簡単だ。

基本的に、弦の長さが長くなればなるほど、その弧の長さも長くなる。

(この弧とは、弦の2つの弧のうち、短い方の弧のことだが。)


すなわち、弧の長さが比較できれば、弦の長さ、つまり、小屋どうしの距離が比較できる。

例えば、小屋5と小屋9の間には、小屋6、7、8と、3つの小屋がある。

小屋5と小屋9を結ぶ弧の長さは、小屋3つ分ということだ。


小屋5ーーー小屋9


一方、小屋9と小屋12の間には、小屋は10と11しかない。

すなわち、小屋9と小屋12を結ぶ弧の長さは、小屋2つ分で、これは、小屋5と小屋9のより短い。


小屋9ーー小屋12


よって、小屋5と小屋9の距離より、小屋と小屋12の方が距離が近いことが分かった。

同様に、小屋5と小屋12について考えると、小屋13、1、2、3、4という小屋が間にあるので、小屋5と小屋12の弧の長さの距離は、小屋5つ分だ。


小屋5ーーーーー小屋12


まとめると、こうなる


小屋5ーーー小屋9

小屋9ーー小屋12

小屋5ーーーーー小屋12


小屋5と小屋9の直線距離をα、小屋9と小屋12の直線距離をβ、小屋5と小屋12の直線距離をγとしよう。

今、上の小屋の関係から、

β<α<γ

が言えている。

そして、小屋を巡った場合の総距離とは、α,β,γのうちの2つの和に他ならない。

例えば、

5→12→9

の経路だったら、総距離は、β+γ、

9→12→5

の経路だったら、総距離は、α+γだ。


ここで、どの経路が最短かは、目で見るように明らかだ。

β<α<γ

なのだから、α+βがもっとも小さいに決まっている。

すなわち、

5→9→12

もしくは、

12→9→5

が求めるべき最適な経路だ。


しかし……


この最も正しい経路ですら、全員を助けるには最悪すぎる。

距離が長すぎて、5→9→12の順で行ったとしても、9→12の途中で時間切れするだろう。

そうなると、小屋12は間に合わなず爆発。

逆に、12→9→5だと、5が間に合わず爆発。


どうすればいいんだ。


落ち着け、落ち着け。

何かまだ見落としていることがあるはずだ――

導来から出されたヒントで、まだ消化していないもの。


『整数は、数学の女王』


確か、数学者ガウスの言葉だったと思う。

導来は、出題の最後に「関係ないこと」と称して、これを残した。


これが、この状況で関係のないはずがない。

何かの情報を示す、いわば暗号になっているはずだ。


***

「本条さまは、だいぶ悩まれているようでございますね。」


導来圏と平等院命題は、セミナーハウスの一室でモニターを眺めていた。


「ケッ。お前、まだいたのかよ。問題の回答自体は、終わったんだ。さっさと出ていけよ。」


導来圏は、空いたペットボトルをゴミ箱に投げながら悪態をつく。


「いえ、この数戟の期間中、導来さまを監視することが私の役目ですので。平等に、公正に、公平に、しっかりと監視させていただきます。」


導来は、次の炭酸の蓋を開けた。

ぷしゅうと、ふ抜けた音だけがなる。


「……この小屋の暗号は、仕組み自体は、いたってシンプルだ。ヤツもすぐ気づくだろう。だが、」


と言いかけたところで、モニターに動きがあった。


「本条さまが、走り始めたようですね。」


***


そうか、そういうことか。

俺は、森に向かって全速力で足を動かした。

目指すべきは、あの小屋。


今回のすべての小屋の数は、13。

12でも、10でもない、13なんだ。


同一円周上に並べるとしたら、時計の文字盤のように、1から12までにするのが自然だ。

それを奴はあえて、13という半端な数にした。


深い森の中を、しっかりと踏みしめながら進む。

舗装された正規の道を通っていないので、足元に注意しなければならない。


次に、「整数は、数学の女王」というヒント。

整数は、有理整数環とも呼ばれるように、足し算、引き算、掛け算が定義された、「環」である。

環といえば、群、環、体と並ぶ、代数的構造を持った集合の1つだが、偶然にも、今拘束されている3人の名前には、それぞれの文字が含まれている。


城すず

本条

南條


つまり、整数とは、環奈のことだ。

元の文に当てはめると、「環奈は、数学の女王。」


「環奈は、女王。」


こう書くとなんかいやらしい響きもするが、そうなんだから仕様がない。


森を抜けると、川が目の前に現れた。

これを乗り越えて、坂道を駆け上がったら、もう少しだ。


女王とは、何か。

女王は、Queen だ。

カタカナで書けば、クイーンだ。

ひらがなで書いても、くいーんだ。


これだけでは、何のことだか、よく分からない。

しかし、ここで、さっきの「13」が生きる。


13と、クイーン。

この2つの組み合わせで、思いつくものといえば、あれしかない。


トランプ。


これは、大統領ではなく、純粋に、カードゲームの方だ。

トランプの数字の種類は、1から13。

そして、その中で、12は「クイーン」とも呼ばれる。


「環奈は、12。」


そう。小屋5、9、12のうち、環奈がいるのは、12の小屋だ。


斜面を一気に駆け上る。

さっき川に入った時に靴が濡れてしまったせいか、途中、滑り転げ落ちてしまう。

俺は、顔についた泥を袖で拭き取る。


では、残りの小屋5、9にいるのは誰か。

シンプルに考えればいい。


群城の、群は、ぐん。

「ぐ」から、9だ。


南條体の、体は、こころ。

「こ」から、5だ。


つまり、群城は、9の小屋、南條は、5の小屋にいる。


もはや当てつけのような気もするが、暗号クイズなんてそんなものだ。

数学の証明ではないのだから、これが本当に合っているかどうかの確証なんて、どこにもない。


俺に出来るのは、ただ突き進むだけだ。


いや、待てよ……?

あることが、俺の脳裏をよぎる。

その時、俺は、足を止めた。


***

「おそらく、ヤツは、俺のヒントから、妹のいる場所が分かった。だからこそ、今から地獄を味わうことになる。」


トランプを、手で広げながら導来圏は言う。


「分かったから、地獄……?それはどういうことでございましょうか?」

「カッ。世の中、無知は罪だが、知りすぎた者には罰が与えられる。今、本条圭介は、漸問答タルタリアを通して、13個の小屋のうちから、ターゲットを3個に絞った。」


トランプのカードが、パラパラと床に落ちる。

手元には、5、9、12のカードが残った。


「ここまでは、情報だった。助けようにも小屋が特定できないと意味がねえし、解けなきゃ数戟にも負けてしまう。しかし、」


5、9、12のうち、5と9が下に落ちる。

ハートのクイーンが不敵な笑みを浮かべている。


「ここで、ヤツはさらに、12すなわち、妹のいる場所を探してしまった。これが、ヤツの失敗だ。」

「失敗?特定できたのですから、成功しているのでは?」


導来圏は、落ちている5と9を見つめる。

右手で12を持ち、左手で床の2枚を拾おうとする。


「小屋が3つに絞られた時点では、ヤツは、すべての小屋を救おうとしていたはずだ。それで、時間的にそれが不可能であることに気づき、絶望する。いや、まだこの時点では、幸せなんだ。誰がどの小屋にいるか分からないからこそ、全員を助けようとする発想ができた。」


導来圏の手は小さくて、片手では、2枚のトランプは拾えない。


「12に妹がいることを知ってしまった後では、もう遅い。妹を助けるということは、他の2人のうちどちらかを犠牲にすることだからだ。3人のうち、せいぜい助けられるのは、2人まで。妹、幼なじみ、親友。誰を救い、誰を犠牲にするか。これから本条圭介は、最も残酷な決断を迫られることになる。どこに誰がいるか、ヤツは知ろうとするべきではなかったんだ。」


導来圏の手元から、すべてのトランプが落ちた。


「過剰な知的好奇心は、人の命を削る。」


***


俺は、決断した。

この道しかない。

この道で、合っている。


俺は走る足を早める。

もう少しで、小屋が見えるはずだ。


誰かが得をするということは、誰かが損をすることなのだと、誰かが言った。

実際、そうなのかもしれない。


勝負に勝ったということは、誰かが負けたということで。

大学に合格をしたということは、誰かが不合格になったということで。

金を儲けたということは、誰かが損をしたということで。

誰かが救われることは、誰かが犠牲になることで。


でも、俺が救いたいのは、知らない誰かなんかじゃない、群城、環奈、南條たちなんだ。


俺は、小屋の扉を開けた。

そこには、椅子に拘束されている彼女の姿があった。

群城すずの姿が。

そう、俺は、第一に9番の小屋を選択した。


急いで、椅子に取り付けられた器具を取り外す。

解放された群城が息をつく間もなく俺は言った。


「群城、頼む。南條を助けてくれ。5番の小屋に向かって欲しい。」


状況を察した群城は返答する。


「任せろ!死ぬ気で行く!」


こうして、俺たちは二手に分かれた。


全員を助けるための、最適な経路は、5→9→12、12→9→5 のどちらでもなく、誰かに助けてもらうことだった。

これは、数戟ではないのだから、1人で戦う必要はないのだ。

5と12、その間にある9を選べば、そこから同時に、5と12に向かうことができる。


俺は、小屋12の方角を確認する。

環奈、もう少し待っていてくれ。

タイムリミットまで、残りわずか。


***


燃え上がる小屋。

俺はその前で呆然と立ち尽くしていた。

まさか、本当に……


小屋の周りでは、数戟管理委員会が、必死に消火活動をしている。


「中に人がいないか早く確認するんだ!」


黒子の一部が大きな声で叫んでいる。

小屋が崩れる音もしているのに、俺にはどこか遠くのように聞こえる。


「ごほっごほっ」


隣で環奈が強く咳き込んだ。

煙を吸ってしまったのかもしれない。


小屋から環奈を救出後、小屋はいきなり爆発をした。

あと少し着くのが遅かったら、器具を外すのにもし手間取っていたらと思うと、ぞっとする。

あの中に人がいたら、間違いなく助からないだろう。


人の命を、命と思わない。

導来は、そういうヤツなのだ。


「環奈、どこかケガしてるところはないか?」

「……ううん。大丈夫。お兄ちゃんこそ、すごい格好だよ。」


泥だらけの服を見て、環奈は弱々しい笑みを浮かべる。

何時間も拘束されていたんだ。体が衰弱して当然だ。


小屋の木材が、メラメラと燃えている。


俺は、上着を脱いで環奈に被せる。

今から行くところは決まっている。


「待って。」


立ち上がろうとした時、俺は、環奈に止められた。

細い体に似合わない力強い声だった。


「お兄ちゃん、お願いがあるの。」


***


「それじゃあ〜、周辺で起きた謎の火災も鎮火できたことだし〜、これから、漸問答タルタリア第3問目を始めるよ〜☆☆」


平等院補題が、軽快な口調で喋る。

俺たちは全員、再びセミナーハウスに集結していた。


「ではでは、本条ちゃん!作問よろしくお願いします!」


しかし、俺は指示に従わず、そのまま立っていた。

補題が、疑問そうな目を向ける。


「その前に、1つ、提案がある。」


俺は、ゆっくりと息を整える。

計画通りにいくかどうかはまだ分からない。


漸問答タルタリアは、ここで終わりにしないか?」


「は?」と補題は、あっけにとられた声を出す。

数戟管理委員会の黒子も、同様の反応をしている。


「カッ。何言ってんだよ。負けるのが怖いからって、もうやめにしようってか?都合が良すぎるんじゃねえか?」

「もちろん、タダでとは言わない。俺は、漸問答タルタリアの必勝法を担保に、お前に納得してもらいたい。」

「必勝法?」


導来圏の目つきが険しいものになる。


「ああ。漸問答タルタリアの必勝法とは、『作るのは簡単だが、解くのが難しい問題』を作ることだ。例えば、」


俺は、ポケットから、紙を取り出した。


「11144149810596454340580402838871700039098345454078904565806723696439332486853456715996940183639666474245755224776245434434835723717982505460636370682173298040515312801157283508664852443101432445319577 を素因数分解せよ。一般に、整数の掛け算は簡単だが、素因数分解は難しい。実際、この200桁の自然数を3時間以内に素因数分解するのは、パソコンを使っても不可能だと思うが、俺は、」


11144149810596454340580402838871700039098345454078904565806723696439332486853456715996940183639666474245755224776245434434835723717982505460636370682173298040515312801157283508664852443101432445319577

=2074722246773485207821695222107608587480996474721117292752992589912196684750549658310084416732550077×5371393606024775251256550436773565977406724269152942136415762782810562554131599074907426010737503501


「とすぐに素因数分解できる。そもそもこの整数は、2つの100桁の素数をかけて俺が作ったものだからだ。素因数分解の困難性は、現実の世界でも、RSA暗号として応用されている。そう、つまり、漸問答タルタリアの必勝法とは、暗号を作ることだったんだ。」


場が静寂とする。

キマった。

俺は、そう思った。


「で?」


鼻をほじりながら、導来が聞き返す。

で?


「そんなこと、この数戟が始まった時から、気づいてた。そんな方法やり尽くされているだろうし、問題は、数戟管理委員会が、それを認めるかどうかだろ。」


え、あ、うん。

俺は、平等院補題の方を見る。


「んん〜☆☆ 何か、素晴らしいテクニックがあって、200桁のものを素因数分解できるなら別だけど、単純に『元の積の素数を知ってるから』だけだと、興ざめだよね〜〜☆☆ それに、『出題者自身が解ける問題』っていうのは、『出題者が、回答者と同じ条件で解ける問題』ってことだから〜、自力じゃ解けない素因数分解を出すのは、反則だよね〜〜☆☆( ´Д`)y━・~~」

「……ひとつ質問なんだが…」

「ん?なに?本条ちゃん?」

「それは、やはり、出題者と回答者の与えられている情報が平等ではないから、ダメってことでいいのか?」

「んーまあ、そうともいえるねー☆☆」

「逆に、出題者と回答者の対称性が満たされているものだったら、OKということで解釈してもいいか?」

「うん。なんか質問がひとつじゃなくなってるけど、まあそういうことだよねー☆☆」


よし。言質は取れた。

ここまではだ。

俺は、最後の切り札を切り出す。


「俺の出題は、これだ。


【問題】

1+1はいくつか?


、平等院命題がこれから提案する、本条圭介と導来圏の一騎打ちのゲームに勝利してから、回答せよ。」


場は騒然とする。

影である黒子たちですら、ざわざわと騒ぎ始めた。


「あ?お前、なに言ってんだよ。」


一番早く口を挟んだのは、やはり導来圏だった。

俺は、すかさず反撃する。


「これなら、この第3問目で、漸問答タルタリアは、必ず決着がつくはずだ。俺が、ゲームに勝利すれば、お前は、回答権が得られず、漸問答タルタリアは俺の勝ち。逆に、俺が負ければ、俺は、『自分で解答不可能な問題』を出題したことになり、漸問答タルタリアにも敗北する。どちらにしろ、俺たちの勝敗は、殴り合いの、生きるか死ぬかを賭けた、平等なシングルマッチに委ねられることになる。」

「そんなこと聞いてるんじゃねえよ!こんなの、数戟管理委員会が、認めるわけねえって言ってるんだ。問題の中に、ゲームを入れ込むなんて、明らかなルール違反だろ!」

「いや、出題者と、回答者の対称性が満たされている以上、セーフなはずだ。」


こんなもの、屁理屈だってことは、俺が一番分かっている。

しかし、無理が通れば、道理が引っ込む。

いや、この数戟に道理なんてものは、そもそも存在しない。

あるのは、補題の価値観ルールだけだ。


「ケッ。で、どうなんだよ、数戟管理委員会さんよ。認めるのかよ、こんな無茶苦茶。」


俺たち2人は、同時に、平等院補題を方を向く。

いや、この場にいる全員の視線が、彼女に集まっていたと言っても過言ではないだろう。


「……平等………対称性……ルール…………出題条件………………一騎打ち……………………デスゲーム………殴り合い………血みどろ……生か死か…………地獄絵図………………阿鼻叫喚………どちらかは死ぬ……」


瞬間、平等院補題は、下から突き上げられたように、大きく震えた。

拘束された腕ごと、服が締め付けるように収縮して、胸の形を露わにする。


「はぁ…………もちろん………認めるっっ!!♡♡」


何を想像したのか、顔は明らかに紅潮している。

息もやばいくらいに荒くなっている。


やはり、こいつは変態だ。

そもそも、こいつは、人が戦いながら苦しむ姿が見たいから、漸問答タルタリアを提案したんだし、数戟管理委員をやっているんだ。

いわば、超ドSなのだから、デスゲームを提案すれば乗ってくるに決まっている。

ここまでの興奮の仕方だと、若干引いてしまったが。


「それでは、平等院補題が、認めましたので、ここからは、出題通り、私、平等院命題が、平等に、公正に、公平に、ゲームを提案させていただきます。」


これで、これ以上、群城たちを巻き込むという形は避けられた。

そして、漸問答タルタリアもこれで必ず終わる。


「もちろん、漸問答タルタリアの一部である以上、数学的要素は、含ませていただきます。いや、むしろ、数学を制したものが、勝負を制すると言っていいでしょう。先ほど、本条さまの言っていた『素数』、そして、導来さまの持っている『トランプ』、この2つを組み合わせたゲームの名は、」


『素数大富豪』

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