Rainbow at the daybeak
ザイロ
第1話
私の母は、アイドルだった。五人組のアイドルグループ「EXISTENCE」のセンター。グループの名前のように、何度壁にぶつかっても、這い上がり前を進むこと―実存的な視点から生をとことん楽しめ―を歌やダンスを通して、オーディエンスに伝えようとした。
曲はROCKチューンがほとんどで、速いビートを刻むドラムとディストーションで歪められたギターとうねるベースの中、たがいの声質をいかしたコーラスワークで色彩を与える。とうぜんダンスも激しいので、LIVE後半になると汗まみれになった。
ブレイク直前で母―清水イズミの突然の病により、グループは解散した。
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