魔法理論
「えーと?」
「これはほら、魔法について考えたんだよね」
「それは実際の魔法について?創作物の魔法について?」
「勿論創作物の魔法についてだよ!実際の魔法なんて知りすぎると深淵を覗いてしまうよ!」
「誰もそこまでディープなのは馬鹿猫には望んでいないと思うよ」
「望まれたってやらないよ!」
「話を戻すけど創作物の魔法についてどんな意見を持っているって言うの?そもそも馬鹿猫の書いた作品にも魔法使いとか結構出てくるじゃん」
「うん。私はね、魔法を使うほど疲れる部分についてどう考えたら辻褄が合うんだろうって考えたんだ」
「MPって概念は数値で表すと分り易いけどリアルに考えたらよく分からないもんね。で、どんな結論が出たの?」
「うん。通常攻撃が肉体労働だとしたら魔法攻撃は頭脳労働じゃないかなって思ったんだ」
「なるほどね。頭脳労働なら疲弊するのも分かる気がするよ」
「きっかけは棋士の人が一局対戦するだけで体重が2~3キロ減少するって言ってたのを聞いて閃いたんだ」
「と言う事は魔法を回復するアイテムは甘いお菓子?」
「そう言う設定も有りだと思うよ。たまに魔法使いが太っていたりするのはその影響だったりしてね」
「でも頭脳労働って具体的にはどう言う感じ?計算でもしているの?」
「そう、計算しているんだと思うよ。難しい魔法は難しい計算をしているんだよ。そう言う事にすれば難しい魔法ほど発動に時間がかかるのもMPを大量に消費してしまうのもうまく説明が出来るんだ」
「魔法計算式みたいなものがあるんだ。その世界の数学者は魔法使いなんだね」
「熟練の魔法使いになれば難しい魔法もすぐに発動出来るようになるのもこれで説明が出来る」
「世界は数字で構成されているなんて説もあるんだったっけかな?」
「頭を使い過ぎると頭がパンクして難しい計算が出来なくなってしまうって言うのはMPが足りなくで呪文を詠唱出来ない状況と一緒でしょ」
「リアルに考えてただ言葉を言うだけなのに発動しないのも変だもんね」
「でもそうなると魔法は機械ですぐ代用出来るね」
「魔法兵器とかフィクションの世界じゃもう普通に登場しているし、いいんじゃないかな」
「でも全く新しい理論の魔法はすぐには機械化が出来ないとかね」
「そうそう、新しく創造するのは人の専売特許だから機械が人から魔法を奪い尽くす事は出来ない……とかね」
「計算で魔法をイメージすると暗号式で魔法(?)が発動する電脳コイルみたいだね」
「電脳コイル!確かにあれは魔法陣と言うより計算式みたいな感じだったね」
「つまり馬鹿猫が想定する魔法って決まった呪文が存在する訳じゃなくて基本の公式みたいなのがあってその場その場で計算してリアルタイムにその場に応じた結果を提示するって感じなんだ」
「それがリアルかなぁって思ったんだよね」
「確かにそれならMPって概念をうまく説明出来るね」
「飽くまでも数多くある魔法設定のひとつって言う事で」
と言う訳で今回は魔法について自分なりに考えてみました。
実際の魔法じゃなくて創作物の魔法についてその仕組みを自分の中で納得出来る説を組み立ててみた訳です。
魔法って大きく分けると2種類に分かれると思うんです。自分の力で発動するサイキック能力に近いものと悪魔などの霊的な他者の力を借りるタイプのもの。
今回私が考えたのは前者の魔法についてですね。ただ決まった呪文を唱えるだけで消費されるMPって概念とは何ぞや?って思ったんです。
その疑問の解決は棋士の頭脳労働にありました。頭を使うだけで体重が減るほどの体力を消耗する。これって魔法の説明に利用出来るんじゃないか………と。
魔法使いは魔法の法則に従って不思議な現象を引き起こす。しかしそれはある特殊な計算式を用いてその場その場に応じた解を導き出さねば正しい効果は引き出せない。そう言うイメージが思い浮かんだんです。
この場合、例えばファイアの魔法なら火を生み出す計算式があってその答えを出す事で火を打ち出すと言う事になります。簡単な式なら小さな火、複雑な計算なら爆炎が出る。常に計算しないといけないから使い過ぎると頭が回らなくなってダウンすると言う感じです。
これなら魔法に対する色んな矛盾点とかもうまく説明出来るでしょう?
どうですかね、この考え方。私は思いついた時、画期的な魔法理論を思いついたと一人自画自賛したんですが。
数多くあるであろう魔法の概念のひとつにこの説も加えさせてもらえれば嬉しいなって思います。
まずは自作でこの説を採用しなくちゃですね。
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