前のエピソード――谷山浩子

「今回のテーマは小川美潮…って誰？」

「かつてＣＭソングの女王と呼ばれた事もあったりした人だよ。代表作はねるねるねるねのタイトルコールの声って言えば分かるかな。すぐ！そこ！サンクス！の声もそうなんだけど」

「あー何か聞いた事ある気がする、あの系統の声の人なんだ」

「私が知ったのは老人ＺのEDなんだけどね」

「確か走れ自転車…だっけ？」

「いい曲でしょ、あれ。一目惚れならぬひと耳惚れしたのさ」

「何か聴いていると力が抜けてリラックス出来る感じだね」

「何て言うか歌声と歌詞の世界観がいいんだよ」

「流行りとか超越したところにいる感じがするね。無理をしていないって言うか」

「アルバムを聞くと分かるんだけどもう本当に自由なんだよ。普通にラブソングもあるけどスピリチュアルな感じの曲もあってギャグっぽい曲もあって」

「アーティストによってはアルバム全曲恋愛ソングだけって人もいるもんね」

「そう言うのは苦手だなぁ」

「マニアックな人気があるのは分かる気がする。流行りの曲にないものがあるよね。サブカル好きな人が好きそう」

「マイナーな人をみんなその一言で片付けるのはやめよう」(真顔)

「ごめん」

「本人が一時期かなりスピリチュアル方面に凝っていたのでそれ系の歌を歌っているのが一番好きな理由かなぁ。神秘的な歌が好きなんよ」

「中二的なんじゃなくて本格的なやつなんだ。そりゃ歌の説得力が違うね」

「歌声のせいか暗い歌も明るく聴こえたりね。人間にも色んな面があってそれを包み隠さずさずに歌っている感じは心に響く人も多いんじゃないかな」

「ふむふむ」

「色んな実験的な歌も歌っているからずうっと飽きないよ。哲学的な歌も聴く度に新しい気付きがあるしね」

「難しい歌も歌ってるんだ。奥が深いね」

「今は作品がちょっと手に入り辛いかも知れないけど、曲だけなら動画を探せば見つかるしそこからでも興味を持ってくれたら嬉しいな」

　そう言う訳でやっと紹介出来ました、小川美潮。私の一押しアーティストのひとりです。知ったきっかけはアニメでしたけどアルバムを聴いて更に好きになったんです。歌の傾向と私の趣味がぴったり合致したって言うか。

　初めて知ってから２０年以上経ちますけど未だにその時に買ったアルバムを新鮮な気持ちで聴けますからね。こう言うのって中々ないですよ。当時も聴きまくっていたのに全然飽きないって言うのは。

　会話文で触れられなかったですが彼女の曲で一番好きなのは「LINK」と言う曲です。全ては繋がってるってテーマの曲なんですけど歌詞がまた深いんですよ。歌詞は探せばネットに出てきますけど歌そのものはアップロードされていないみたいです。いい曲なので出来れば音源を手に入れて聴いて欲しいなぁ。この曲はアルバム「ウレシイノモト」に収録されています。

　私は恋愛ソングが苦手でスピリチュアルや哲学がテーマになっている曲が好きなんです。そう言う曲って何度聴いても飽きないんですよね。聴く度に新しい発見があるって素敵やん。

　彼女は実験的な曲もよく作っていてそれもまたいい刺激になります。たまに歌詞がシュール過ぎて意味が分からなかったり……明るい歌声のおかげでそう言う曲も重くならずに楽しく聴けるのが彼女の曲のいいところですね。

　彼女は誰かの作った曲も歌っていますが、彼女自身が作曲した曲も勿論あって彼女の作詞した歌詞は歌詞が少し独特でそこもすごく気に入っているんです。昔の言葉遣いなんですよ。笑ふとか考へとか聞こへるとか……味があるでしょ。

　歌も上手いし表現力もあるし歌詞は深いし本当に大好きです。若い頃は美人さんでしたしね。今は……(汗)。コホン、時の流れは残酷ですな(遠い目)。

　って言うか歌は見栄えじゃないですよ！歌は心です！小川美潮、オススメです！