26 破綻/知らないこと

破綻/知らないこと


 何度、暖簾をくぐっても 現れるのは廃墟だった

 靴下を脱ぐと同時に足も脱げてしまって

 わたしが大地に囚われる

 まあ それもいいだろう

 植物になって野を覆いつくしてやる

 独りの楽園を作ってやる


 何度、扉を開いても 崩折れるのは正義だった

 軍服を着ると洩れなく思想が織り込まれて

 友だちが敵に見えてくる

 まあ それもいいだろう

 戦艦に乗って 海を燃やしてやろうか

 泣いたおまえの胸を砕こうか


 経済が笑いながら甘い言葉を囁き

 政治家が国民に背を向ける

 成り上がった国と落ちぶれた国が衝突し

 親と家を失った子供が死ぬ

 ああ、お腹が空いた


 何度、平手を喰らっても 悪夢は終わらないのだった

 みんなが信じて(/騙され・ユニゾンで) それを強固にしているからだ

 諍いが日常風景

 まあ それもいいだろう

 宗教を興し 民を救いに出ようか

 それとも破壊神を呼び出すか


 隣国が眉を顰め 一方的に罵り

 守銭奴がこの国を支配する

 世襲の金持ちと下賎な輩が

 労働者を相変わらず搾取する

 ああ 喉が渇くな


 経済が笑いながら甘い言葉を囁き

 政治家が国民に背を向ける

 成り上がった国と落ちぶれた国が衝突し

 親と家を失った子供が死ぬ

 ああ、お腹が空いた

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