17 茫漠/端麗

茫漠/端麗


 どれだけ書き込んでもノートは言葉を飲み込んで行く

 絡み合った肉体は太陽のように固まって

 わたしをあなたから遠ざける

 

 あれだけ抱き合ってもベッドは想いを逃がしてしまう

 睨み合った双眸は楽園のように流れ出し

 あなたをわたしから薄れさす


 溺れているのは、わたしの頭の中のあなたの世紀

 呻いているのは、あなたの心の外のわたしの生気


 どれだけうろたえてもノードは刺激に撃たれてしまう

 笑い合った口許は冷原(ツンドラ)のように燃え滾り

 ふたりをひとりへと解き放つ


 唱っているのは、すでに壊れてしまった永久機関

 黙っているのは、天空の意思に拉致されたあの日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る