第1話 私はゴーレムです!!

 ・・・・・ん?誰かなんか言った?う~ん気のせいか?


 寝起きでぼんやりとした頭を振るい意識を覚醒する。


 そして目を開ける。するとそこには見たことが無い世界が広がっていた!


 「ちょっと待てぇっ!!!」


 おいおいおいおいなんだよここ!!何で洞窟の中なんだよ!!え!?ここ洞窟だよな!?だって周り土しかないもん!!why!!?まって着いていけないよ俺!!あれ!?学校は!?てかもしこれがラノベとかよくある転生もんだったら神様とか会うはずだよね!!?俺会ってないよ。完全にスルーだよ!!


 「ハアハアハアハア」


 よし落ち着け、落ち着けよ俺。え~と、さっき俺は七時間目の生物の授業で眠りこけてた・・・・・・あ、そっか夢なんだ。これは夢だ!!



 ・・・・・・じゃなかったら何で俺の体も土なんだよ!!!?



 ・・・・・・うん土、どう見ても土。腕を見るとそこには肌や肉はなくただ石と土がくっ付いていた。だけど不思議だね!!重くもなんとも無いよ!!


 あれっすか『ゴーレム』ですか!?『ゴブリン』とか『吸血鬼』とか『スライム』とかじゃなくて!?B級過ぎるだろボケェッ!!


 俺は誰に向かってかは知らないが怒りをぶつける。もう、ほんとどうなってんの!?



 「チュウ!!!」



 つ、次は何だ!?・・・・・・わあかわいいネズミさんだね。でもでかいよ!!なんで俺が見上げてんだよ!!ちょちょ俺を持ち上げてどうする気!?かじんの!?痛い痛い痛い!!!なんで土噛まれて痛いんだよ!!てか食えねえだろ!!もう嫌だ!!離せこのやろう!!


 俺は思いっきりねずみの腕を蹴る。・・・・・・ふ。俺の体は全部土なんだよ!!痛いだろ。痛いだろ!!さあその手をゆっくり下ろせ。ゆっくりだぞ!!



 ・・・・・・ちょ、おい!!いやーーー!!!


 俺の蹴りを受けてお怒りのねずみは俺を振り投げた。・・・・・・あ・・・・・・俺空飛んでる。・・・・・・ジャナイヨ!!




 「グヘェ!!」


 おう、何とか着地。俺すげえな。さてそんな事考えている場合ではない逃げる!!


  『ダダダ!・・・しかし回り込まれてしまった!!』



 ・・・・『逃げる』!!


 『ダダダ!・・・・しかし回り込まれてしまった!!』


 ・・・・・・・・・・・・『に、逃げる』!!!!



 『ダダダ!・・・・しかし』


 「しつけえよ!!」


 何度逃げようとしてもねずみは俺の前へ走り道をふさいでくる。・・・しょうがないこうなったら。


 『オラアァ!!!』


 『グピャ!?』


 思いっきり鼻を殴ってやった。おお。転がる転がる。・・・・さ、さいなら!!!


 俺は走る。けどやっぱり見た目どおりなのか早くは走れなかった。何とかネズミから逃げることは出来たが。



 それからそれから


 つ、疲れた~。まったく何なんだよここ。絶対地球じゃない。地球に2mのネズミっている?いないだろ。

はあ~どうすっかな。とりあえずステータスオープン!!


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 種族  『ミニチュアゴーレム』


 属性  『 無 』


 名前  『 なし 』


 LV 1/10

 HP 9/10

 MP  5/5

 力   5

 防 100

 速   2

 技   5

 運  10

魔力   5

精神   5

魅力  ・・・・ツチゴトキガナニヲイッテイル?


固有スキル

・・・・無し


通常スキル


 『ステータス閲覧』

 『鑑定』

 『こねる』



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 ・・・・・・出んのかよ!!!てか何これ!?え、俺って『ミニチュアゴーレム』なの?聞いたことがねえわ!!あと魅力ヒデエ!!なんで数値じゃねえんだよ!!防御力だけ桁が違うよ!!ツッコミどころ多すぎだろ!?


 ハアハアハア


 まず一つ。なんで俺の名前が『無し』なんだ?俺にはれっきとした・・・あれ?俺の名前って何だっけ?


 ・・・・だめだ。思い出せない。ヤバイな。自分の名前が分からないなんて異常すぎる。本当に夢じゃないのか?・・・まあいいだろう。


 ひとまず整理しようか。


 まず俺は日本に住んでいた。


 目が覚めると洞窟に居た。


 体は土や石で出来ていてどうやら『ミニチュアゴーレム』という種族らしい。


 ステータスを見る限りこの世界はゲームのようなものに似ているみたいだ。


 自分の名前が分からない。


 ・・・・・・パナイな!!なんだこれ!!


 まあ今やる事は一つだな。強くならなくちゃ。守りたいものを守れるように。



 ・・・・・・おかしい。なんで俺はこんなに落ち着いているんだ?普通名前が分からなかったらあせるだろ。なのに俺は落ち着いている。それとなんで真っ先にやることが強くなることなんだ?


 分からない。


 ・・・・・・俺は誰なんだ?

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