あのボートで

ももといっしょ

第1話

私はこの春、18年間住んだ和歌山を離れ、東京の大学に通うため、一人暮らしをはじめた。

和歌山の友達の多くは大阪や名古屋の大学に進学し、仲の良いグループの中で、私だけが東京の大学に進学した。


引っ越しは母が手伝ってくれた。

母は入学式が終わり、和歌山に帰っていった。

ひとりになった私は、不安と期待が入り混じる、そんな感じだったかな。


私の進んだ学部は女子がたった1割、1年次はクラス制で20人1クラス、名前順で構成されていた。

私のクラスの女子は私を含め2人だった。

よく見てみると、その中にカタカナの名前の人が2人!もしかして、外国人!?


小さい頃から海外に興味があったけれど、田舎育ちの私は、身近に外国人がおらず、外国人の友達を作るのが夢だった。

もしかしたら、早速その夢が叶うかもしれない…!胸が高鳴った。


教室に入ると、都会っぽいかわいい女の子が座ってた。

彼女は立ち上がり

「私、直美!よろしく!」

と話しかけてくれた。

「あ…うん!私、桃子!よろしく!」

人見知りな私、早速友達ができて嬉しかった。


始業時間が近づくにつれ、どんどん教室に人が集まってきた。

でも、外国人っぽい人は見当たらない。

そして、時間になり、クラスの担当教授がやってきた。

「みなさん、入学おめでとう!早速自己紹介を…」

と言いかけたその時、

「遅れました!」

とひとりは欧米風、もうひとりはアジア風な外国人が2人やってきた。


でも、バリバリ日本語!?


2人は確かに、外国人な顔をしていたけど、流暢な日本語を話していた。


なーんだ!?

でも、2人にはすごく興味を持った。


自己紹介が終わり、その日はすぐに解散。

もう1人の女の子は、同じクラスの人から

「合コンやらない??」

と話しかけられていた。

私はきっと田舎者でダサかったからだろう、誰からも話しかけられなかった。

だから、先に帰ろうとしたその時、

「桃子は合コンとかいかないの?」

アジア風の外国人タンから話しかけられた。

「うん…いかないかな、苦手かも…」

「ふーん!そうなの!ねー、携帯教えて!同じクラスだし!これからよろしくね!」


こうして私の大学生活がはじまった。

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あのボートで ももといっしょ @momotoissho

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