カ○ヨム最期の日! ~オレオの苦くて甘い罠~

サルホット

「恐るべき陰謀!ワナビ達の蠱毒」編

※思い付きとおふざけて2時間で書き上げました。

※半ばタイトル詐欺です。

※この作品に登場する設定・人物名・団体名・ストーリーは完全にフィクションです。もしかしたらフィクションに感じない人もいるかもしれませんが、絶対にフィクションです。誰がなんといおうとフィクションです。


あらすじ

将来小説家になることを夢見るワナビ、小説駆(しょうせつ かける)くんは、今回開催される100万円の賞金と書籍化を賭けたコンテスト、「カ○ヨム」に挑むことにした。しかし、カ○ヨムは、すべての物語を手中に収めんとする悪の秘密結社「コーナー・リバーズ」の罠だったのだ!まるでワナビ達が蠱毒に陥れられてしまったかのような現状とその真相……。それに気づいてしまった駆くんは、脱走を図るも横浜地区の首領であるユヴァ大使に追い詰められてしまう。


「いいザマじゃないか……我々のことを嗅ぎまわるワナビが、まさかこんな少年とはね。てっきり、あの忌まわしい『ナロウズ』の手先かと思っていたが……。」


その言葉を発した人間……いや、怪人といった方が正しいだろう。異様な風体をした男、コーナー・リバーズ横浜地区の首領にして、物質増殖能力を備えるユヴァ大使は、少年に銃を構えながらそう呟いた。


「俺は……俺は物語を愛している。お前たちの卑劣な陰謀に屈しはしない!!」


追い詰められながらもそう啖呵を切ったのは、このカ○ヨムに挑もうとしたワナビ少年、小説駆(しょうせつ かける)。賞金100万円とプロデビューのかかったこのコンテストに、彼は成功を確信しながら、10万文字の大作を書き上げて挑んだのだ。タイトルは「オレオの心」。彼が幼いころ、特別な存在として祖父に買ってもらっていた甘くて苦いオレオ……。その複雑かつ緻密な三層構造になりきって書いた、ファンタジーSFホラー現代ドラマアクションラブコメミステリー小説だ。ちなみに彼はリッツ派だったのだが。


「どこまで……どこまでお前たちの手が及んでいたというんだ!?答えろ!」


駆は全く銃の脅しには屈せず、その心に抱く物語への愛を胸に、ユヴァ大使を必死ににらみつける。しかし、防御力は下がらなかった。


「ん?そんなことも知らなかったのか……全容をつかまれたと思っていたが、思い過ごしか。とはいえ、何も知らないまま逝くのも心残りだろう。いいだろう、冥土の土産に教えてやる。すべてだ。初めから、このカ○ヨムはすべて我々の掌で動いていたのだ。」


余談だが、こういう時頼んでもいないのにきちんと説明してくれる敵こそが真の悪役だと作者は思っている。これぞ悪役の美学。


「バカな、デタラメだ!読者選考だってあるんだぞ!」


必死に駆は反論する。しかし、ユヴァ大使の言葉は、その希望すらあっけなく打ち砕いた。


「読者選考?あんなものはすべて我々の仕込みだ……。お前達ワナビは、本気でカ○ヨムに読み手側が来てくれていると思っていたのか……?これは初めから仕組まれていたことなのだ。カ○ヨムは、我々の息のかかった書き手と一部の読み手、賞金をエサに、お前達ワナビを呼び寄せ、将来我々がすべての物語を支配する…そのための尖兵に洗脳するための企画なのだよ。」


ΩΩΩ<「な、なんだってーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


「ば、バカな…!!って誰だ今の」


「残念ながらこれが真実だ。我々コーナー・リバーズはその資金力と洗脳装置、ステマによる宣伝力により、今供給されているすべての作品を支配しつつある。お前にも覚えがあるのではないか?カ○ヨムの数々の不備にもかかわらず、その不備を苦しい意見で擁護し、必死に憎しみの矛先をそらそうとするワナビが……。」


「まさか!?『カ○ヨム撤退なんて、サイトのせいにせず努力しようよ!』とか、『カ○ヨムに文句つける前に実力をつけよう』とか、『カ○ヨムは第1回なんだから不備はあるよ!自分の小説が受けないのを他人のせいにするな!』とか言ってた彼らは洗脳されていたのか……!あのかわいいマスコットキャラも……。」


なんということだ。SNS上で、多くのワナビにわざわざ喧嘩を売るマスコットキャラがいたりするが、それも奴らの洗脳や仕込みによる情報操作だったのか……。悪の組織はたいてい、こういうあまりにも迂遠すぎる作戦をとるのだが、そのおかげで正義は勝てるのでいちいちツッコミを入れてはいけない。


「そう……。彼らは我々の仕込みか、すでに我々の手中に収まったワナビ達だ。洗脳と言っても大したことではない……。彼らの思考の矛先を少し変えただけだ。彼らは自分の自由意思で、我々カ○ヨムを、コーナー・リバーズを支持する。そして、憎しみの矛先をワナビ同士の争いに向ける。本人たちは冷静に物事を見ているつもりなのだろうが、哀れなものだ。たとえ小説をかけなくても、支持者として、客として将来我々の支配に協力してもらうのだよ……。」


「なんてこった!じゃあ、俺の10万文字の大作『オレオの心』が事前に設定していたのに、公開されたらランキングにも新着にも乗らなかったのは……!!」


「そう、それも我々による操作だ……。大作を書き、準備してきた人間をあえて不遇にし、競争させるのだ。また、それでも我々についてくるかの性格テストでもある。更新すれば更新するほどランキングが下がる……それをカバーするために、君たちはソーシャルゲームの課金のように執筆に熱中する。」


「まさか、ランキングのアルゴリズムが公開されてないのも……。」


「それも我々だ。そんなものを公開しては、我々に不利ではないか。あらゆる閲覧数は我々のAIコンピュータに一度送信され、検閲されて調整される。君たちの執筆欲を、ほどよく掻き立てる程度にな。」


「そんな……もしかして、読者選考そのものが……!」


「我々の操作だ。読者選考は、将来ワナビを目指す人間の投稿の編集者チェックを、そのまま一般の読者にさせてしまおうというシステムさ。原稿チェックのオープンβテスト化……そのさらにオープンβテストこそが、このカ○ヨムの目的の一つでもある。いわばβテストのβテスト。デザインや運営を下請けに丸投げし、さらに選考を読者にまで丸投げする。新たなコストカットだ。」


「フォロー爆撃や☆によるBANはどうなんだ!?」


「我々のしたことだ。BANはすべて操作されている。一人一人細かい陰謀を張り巡らせるために、BANの基準やBANされた後の人間は、色々とな。」


「じゃ、じゃあ、ランキングの一位が不自然なPV数や評価数なのは……!」


「勿論票の操作だ。追い抜くことのできない目標を相手に、君たちは一位を目指してひたすら努力するだろう。あと、あれを書いたのは私だ。」


次々と明かされる衝撃の陰謀の真実。高笑いを上げるユヴァ大使と、ついに心が折れたのか膝をついてしまう駆。どこぞのラスボスみたいにそれも私だラッシュに加え、自分がその掌の上でずっと踊らされていたと知ったその衝撃は、計り知れない。ましてや、自分の自信作であるオレオが、このような扱いを受けてはなおさらだ。彼はリッツ派なのだが。あと作者はたけのこ。しかし、そんな彼にも容赦はせず、ユヴァ大使は改めて銃を構えなおす。諸行無常の鐘がどうたらである。


「お喋りはここまでだ……君も、この銃で垢BANしてやろう。」


「垢BAN銃だって!?」


「ククク…さぞつらいだろう。君たちはワナビなのに、これからあらゆる物語を支配する我々コーナー・リバーズから二度と出版できないのだから。安心したまえ。その後は洗脳し、BAN復帰のためだとSNSで我々を礼賛する書き込みを連発するようにしてやろう。さあ、喰らうがいい!」


「!」


思わず目をつぶって丸くなる駆。しかしそのとき、突如として窓を割って救世主が現れた!憧れるよね。ガラス割って突入とかコートを片手で脱ぐとか。後者のやり方はガチでわからないけど。


「まてぃッッ!!!!」バリーン


「な、何奴!?」


「この世に悪がある限り、物語を穢すものがある限り、必ず現れる真のヒーロー……。」


「ま、まさか……。」


「「「ワナビ連合組織『ナロウズ』のリーダー、ナロウマン!!!!!」」」


そう!そこに現れたのはナロウマン!彼はワナビ達の「明日は小説家になろう明日は小説家になろう」という思いを受けて生まれた、あすなろ精神のワナビヒーローだ!!必殺技は18のパンチを繰り出すノクターンアタック。知り合いに「ハルメルン」なるヒーローがいるとかいないとか。なんでも、何度やられても転生して復活するとか。彼女も多くハーレム状態であるとかなんとかかんとか。チート級の強さがうんたら。憑依や転移ではなく転生である←ここ大事。作者は毎回、無理して開幕で死ななくても異世界転移でいいだろ。若者は不健康すぎるぞと思うのだが。まあそれはさておき。


「ノクターン!!!アタック!!!!!!!!!!!!!!!!!!」(←パンチの数だけ、ちゃんとビックリは18個だ。)


「ぐわああああああ!!!!い、イスカリオテェェェエーーーーっ!!!!!」ドーン


ナローマンの放った必殺の一撃は、ユヴァ大使の身体を貫き、爆散させた。横浜への風評被害も甚だしい。在住の方々、ごめんなさい。この場を借りてお詫びします。戦いを終えたナロウマンは、悠然と駆に向き直った。


「ナロウマン……。」


「駆くん……。君の勇気、見事だった。君にもしその意思があるのなら、今度ナロウズの主催するコンテストに応募してみないか?俺たちは、俺達のような作家側に向けた作品ではなく、有名人がネタで書いた作品でもなく、本当に読者に向けた作品を欲している。君のオレオ……その三層構造。苦味と甘さの組み合わせのすばらしさを見せてくれ!」


「ナロウマン……!俺、俺絶対ナロウズに投稿するよ!そしていつか、俺のオレオを世界に響かせてやる。この甘くて苦い、最高の三文字を!」(このギャグがやりたかっただけではない。断じて。)


「ああ。期待しているよ!ではさらばだっ!!」シュタッ


こうして悪は滅んだ。しかし、カ○ヨムはまだ続く……ワナビ達の蠱毒は終わる気配を見せない。今日も多くのワナビ達が、阿鼻叫喚の叫び声を上げている。しかし負けるな!がんばれ駆!君の小説が書籍化するその日まで!いつか夢がかなうその日まで!!!レッツオレオ!!!!!!!!!!!


オレオに牛乳ってうまく定着しないんですけど、どうソースとして扱うんですかね?あと、虫歯にならないよう食べたら歯を磨きましょう。特に寝る前。個人的に虫歯の原因はうたた寝が大半だと思ってます。歯の健康に気をつけて楽しいワナビライフ。ナロウマンとの、約束だよ!


ワナビ達の蠱毒編 ~完~


※続編の予定はゼロです。

※繰り返しますが、この作品に登場する設定・人物名・団体名・ストーリーは完全にフィクションです。もしかしたらフィクションに感じない人もいるかもしれませんが、フィクションです。



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